シベリヤの冬（今だからこそ　三部　日本の地を離れて）

寒い。
さむい、さむい、

腹は、ペコペコ。
寒い、
さむい。

手の先、凍える。
爪先き 凍える。
鶴嘴 重い 重い。

地面は、凍土
固い、固い、硬い。
粉雪降る、降る。
寒い、
さむい。
風は、ピュウ、ピュー。
腹は、ペコペコ

大地は、凍土
作業は、進まず。
遅れる
おくれる。
遅れる。
おくれる。

露助は、怒る
顔を真赤に、怒る怒る。

つるはし、重い。
手足は、凍える。
眉も、まつ毛も、真白、まっしろ

風はピュウ ピュ―
北風ピュウ ピュ―
シベリヤの冬は寒い。
まして、捕虜には、
心の中の中まで、寒い。

あゝ
シベリヤの冬は、きつかった。

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