伝染性紅斑(リンゴ病)の発生について
千葉県では、令和7年6月に入り、昨年12月以来、再び感染者数が増えています。印旛管内においても感染者が報告されています。
リンゴ病(伝染性紅斑)はウイルスによる感染症で、例年夏季に幼児、学童等の小児を中心に流行します。現在、県内で大きな流行が発生しているため、家庭、保育所、幼稚園、学校等において手洗いや咳エチケットなど感染防止対策の実施に努めましょう。
伝染性紅斑(リンゴ病)とは
伝染性紅斑(リンゴ病)は、ヒトパルボウイルス B19(Human parvovirus B19) を病原体とする幼児、学童等の小児に多い病気です。例年夏季に患者が増加する傾向が見られ、6月から7月頃に流行のピークを迎えることが多いです。
症状
- 約10日から20日の潜伏期間の後、微熱やかぜの症状などがみられ、その後、両頬に蝶の羽のような境界鮮明な赤い発しん(紅斑)が現れます。
- 続いて、体や手・足に網目状やレース状の発しんが広がりますが、これらの発しんは1週間程度で消失します。
- 頬に発しんが出現する7日から10日くらい前に、微熱やかぜのような症状がみられ、この時期にウイルスの排出が最も多くなりますが、発しんが現れたときには、感染力もほぼ消失しています。
- 一度感染すると、終生免疫が得られ、一般的に再感染しないとされています。
感染経路
- 「飛まつ感染」感染した人の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスを吸い込むことによる感染
- 「接触感染」ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる感染
- 発疹が出現する前の風邪様症状の時期が最も感染性が強く、特徴的な 紅斑が出現した時点では、周囲への感染性はほとんどないとされています。
潜伏期間
・約10日(4日から20日)
治療・予防
- こまめな手洗いや咳エチケットが大切です。
- 特に、この病気にかかりやすい子どもが集団生活をしている保育施設や学校などでは注意が必要ですので、感染対策の徹底をお願いします。
- ワクチンや特別な治療法はなく、経過観察を含め、症状に応じた治療となります。
妊娠中又は妊娠の可能性がある方へ
- これまで伝染性紅斑(リンゴ病)に感染したことのない女性が妊娠中(特に妊娠前半期)に感染した場合、胎児の異常(胎児水腫)や流産が生じることがあります。
- 伝染性紅斑(リンゴ病)を疑う症状がある場合は医療機関に相談しましょう。
- 伝染性紅斑(リンゴ病)の家族がいる場合や、流行している地域で多くの小児と接する機会がある職業の方などは特に注意が必要です。かぜ症状がある方との接触をできる限り避け、手洗いやマスクの着用などの基本的な感染予防を行ってください。
外部リンク