【国登録有形文化財】川豊本店店舗

　成田山新勝寺の参道に西面して建つ、木造三階建、入母屋造（いりもやづくり）金属板葺（きんぞくいたぶき）平入（ひらいり）の店舗で、明治44年頃に木造2階建で建ち、大正15年の旅館開業に際し3階建に増築したものです。
　正面の1階は間口一杯に丈の高い胴差を架け、出梁を出して軒桁を置き垂木を打って庇を設けています。1階は改装により、旅館であった状況を確認することはできませんが、柱に残る埋木から旅館の間取りを確認できます。1階から2階へ上がる階段は、急角度で、昭和初期の典型的な造りとなっています。2階は客座敷で、部屋割りや造作は、ほとんど改築時の旅館の雰囲気が残されています。天井板には神代杉といわれる、火山灰に埋没していた古木を、床の間にも趣向を凝らした材木を使用するなど銘木を随所に使用しています。
　市内で確認できる最古の木造3階建で、昭和初期の旅館の特徴、雰囲気を色濃く残した建物です。入口上部の一木の松の木の梁などにも注目してください。