産業・ビジネス
環境保全型農業直接支払交付金について
農業の持続的発展と農業の有する多面的機能の健全な発揮を図るためには、意欲ある農業者が農業を継続できる環境を整え、国内農業の再生を図るとともに、農業が本来有する自然循環機能を維持・増進することが必要です。
環境問題に対する関心が高まる中で、農業生産全体の在り方を環境保全を重視したものに転換していくとともに、農業分野においても地球温暖化防止や生物多様性保全等に積極的に貢献していくため、環境保全に効果の高い営農活動に対して支援を行う「環境保全型農業直接支払交付金」を平成23年度から実施しています。
平成27年度からは「農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律」に基づく制度として環境にやさしい農業に取り組む農業者を支援しています。
支援の対象者
以下の1から3の要件を満たす農業者団体(2戸以上の農業者により構成される組織)が対象となります。なお、一定の条件を満たす農業者(個人・法人)は単独でも支援の対象となります。
- 主作物について販売を目的に生産を行っていること(注意1)
- 環境負荷低減のチェックシートの各取組にチェックしていること
なお、令和5年度までの要件「みどりのチェックシートの取組を実施していること」が「環境負荷低減のチェックシートの取組にチェックしていること」に改正されました。
- 「自然環境の保全に資する農業の生産方式を導入した農業生産活動の実施を推進するための活動」に1つ以上取り組むこと(注意2)
(注意1)主作物とは、有機農業の取組又は化学肥料・化学合成農薬の使用を県の慣行レベルから原則5割以上低減する取組の対象作物のことです。
(注意2)農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律の基本理念に基づき、地域の農業者の連携等により環境保全型農業の普及推進を図ることです。
詳細は農林水産省作成パンフレット「取組の手引き」をご参照ください。
支援の対象となる取組
共通取組(全国共通の取組)
- 有機農業(化学肥料、化学合成農薬を使用しない取組)の取組(注意1)
- 化学肥料、化学合成農薬を県慣行レベルから5割以上減らした取組と緑肥の施用を組み合わせた取組(注意2)
- 化学肥料、化学合成農薬を県慣行レベルから5割以上減らした取組と堆肥の施用を組み合わせた取組
- 化学肥料、化学合成農薬を県慣行レベルから5割以上減らした取組と総合防除を組み合わせた取組(注意3)
- 化学肥料、化学合成農薬を県慣行レベルから5割以上減らした取組と炭の投入を組み合わせた取組
- 取組拡大加算 (有機農業の指導・助言などを実施した上で、同一団体内での面積拡大)
(注意1)有機農業について
県の慣行栽培レベルが設定されていない作物のうち、本交付金において有機農業の取組の支援対象として県が判定した作物(通常の営農管理において化学肥料及び化学合成農薬が使用される作物)
(注意2)緑肥の播種量、栽培期間について
播種量は種苗メーカーまたは県栽培指針等に記載のある播種量(効果発現が確実に期待できれば8割減まで低減可能)、栽培期間は国実施要領または県栽培指針等に記載のある期間の確保が必要です。県栽培指針は以下をご参照ください。
(注意3)総合防除について
・主作物が水稲の場合は、除草剤を使用しない畦畔の雑草管理を実施すること
・主作物が水稲以外の作物の場合は、「交信かく乱剤」「天敵温存植物」「天敵等生物農薬」のいずれかを利用すること。これと併せ、取組品目に応じた「IPM実践指標」について、管理ポイントの6割以上の取組を実施することが必要です。
支援の水準
支援の基準一覧表
交付対象取組 |
交付単価 |
有機農業 |
10アール当たり14,000円
このうち、炭素貯留効果の高い農業を実施する場合に限り2,000円を加算(注意1) |
有機農業(そば等雑穀、飼料作物) |
10アール当たり3,000円 |
堆肥の施用(水稲は10アール当たりおおむね0.5トン以上、水稲以外は10アール当たりおおむね1トン以上) |
10アール当たり3,600円 |
緑肥の施用 |
10アール当たり5,000円 |
総合防除 |
10アール当たり4,000円 |
総合防除(そば等雑穀、飼料作物) |
10アール当たり2,000円 |
取組拡大加算(注意2) |
10アール当たり4,000円 |
炭の投入 |
10アール当たり5,000円 |
(注意1)炭素貯留効果の高い有機農業とは、土壌診断を実施するとともに、堆肥の施用、緑肥の施用または炭の投入のいずれか1つ以上を実施することが要件。
(注意2)同一団体内で新たに有機農業に取り組む農業者に対して、指導・助言・相談対応等を行い、有機農業(そば等雑穀、飼料作物を除く)の新規拡大面積に対して交付。
水稲が主作物の場合のメタン排出削減対策に資する取組について(令和7年度から)
令和7年度から本制度では、主作物が水稲である場合は「緑肥の施用」、「堆肥の施用」「総合防除」、「堆肥又は緑肥による炭素貯留効果の高い有機農業(加算)」について、水田からのメタン排出削減対策として、次のいずれかの取組を併せて実施することとしています。
・水稲を栽培する年度の長期中干し:生育中期に14日以上の中干しを実施(溝切の実施は任意)
・水稲を栽培する前年度の湛水不実施:前年度水張りしていない
・水稲を栽培する前年度の秋耕:湛水4か月以上前に耕うんを実施
交付負担割合
負担割合 国2分の1、県4分の1、市4分の1
申請額の全国合計額が予算額を上回った場合、交付額が減額されることがあります。
申請方法
- 申請は、国が定める様式(事業計画、営農活動計画書等)のほかに、申請内容に応じて添付する書類や市が定める交付申請書等の提出が必要です。
- 申請を希望する場合には、成田市農政課へお問い合わせください。