財政用語の解説
財政に関する用語について、分かりやすく解説します。
あ行
依存財源
国や県から交付されたり、割り当てられたりする財源のことで、国庫・県支出金、市債、地方譲与税、地方交付税等が該当します。
一般会計
市の基本的な行政を行うための会計です。
一般財源
歳入のうち、税などのように使途が特定されず、どのような経費にも使用することができるものをいいます。
か行
介護保険特別会計
被保険者の要介護度などに応じて、必要な保険給付を行います。
簡易水道事業会計
給水人口が 5,000 人以下の地区について、安全な水を安定的に供給します。
企業会計
その事業の収入で支出を賄う独立採算を原則とする公営事業のうち、水道事業、簡易水道事業及び下水道事業については、地方公営企業法の適用(簡易水道事業及び下水道事業にあっては、一部適用)を受けているため、他の特別会計とは異なり、民間企業と同じように複式簿記で会計処理を行っています。
区分として、水道料金・下水道使用料を主な収入とした営業活動の収支状況である収益的収支と、市からの出資金や企業債を主な収入として、管路の敷設や改良事業を実施した収支状況である資本的収支があります。
基準財政収入額
普通交付税の算定に用いるもので、各地方公共団体の財政力を合理的に測定するために、標準的な状態において徴収が見込まれる税収入等を一定の方法によって算定した額の合計額をいいます。
基準財政需要額
普通交付税の算定に用いるもので、各地方公共団体が合理的、かつ、妥当な水準における行政を行い、又は施設を維持するための財政需要を一定の方法によって合理的に算定した額をいいます。
基金
積立基金と定額運用基金の2つに区分されます。
積立基金とは、特定の目的のために資金を積み立て、必要な時に取り崩して使用することで財源の調整機能を果たすものです。
定額運用基金とは、一般旅券収入印紙購入基金のように、特定の目的のために定額の資金を運用するものです。
繰越金
一会計年度から次の会計年度に持ち越した金額を繰越金といいます。
繰越金は、決算上の純粋な剰余金と、前年度から繰り越された歳出予算に充当しなければならない繰越金の2種類があり、後者を「繰り越すべき財源」といいます。
形式収支
単純にその年度の歳入決算額から歳出決算額を差し引いたものです。
概念的には、すでに債務が確定し、翌年度に支払うべき経費などを考慮しない収支差額になります。
経常収支比率
財政構造の弾力性を判断するための指標で、税など毎年度経常的に収入される一般財源を、人件費、扶助費、公債費などの毎年度経常的に支出する経費にどの程度充当しているかを表す比率です。
この比率が高いほど、公共施設の整備などの投資的な経費に充てる財源が少なくなり、財政運営が硬直化することとなります。
経常的経費
毎年継続して固定的に支出される経費で、一時的、偶発的な行政需要に対応して支出される経費である臨時的経費と区分されるものです。
これには義務的経費のほか、経常的に支出される物件費、維持補修費、補助費等、経常的繰出金が該当します。
下水道事業会計
都市排水施設の整備を行い、市民生活の環境整備を図ります。
決算統計
地方財政に関する最も基本的な統計調査である「地方財政状況調査」のことをいいます。
地方公共団体の決算状況を統一のルールに基づいて毎年定期的に調査、集計した基礎的な統計のことで、普通会計をその対象としており、地方財政施策の実施及び立案の検討資料等に活用されています。
県税からの交付金
地方税法に基づき、県が徴収した税のうちの一定部分を県内の市町村に交付する制度で、ゴルフ場利用税交付金、地方消費税交付金、 配当割交付金、株式等譲渡所得割交付金、利子割交付金、環境性能割交付金、法人事業税交付金などがあります。
ア ゴルフ場利用税交付金
ゴルフ場利用税は、利用者に課される税金で、平成元年度からそれまでの娯楽施設利用税の課税対象施設をゴルフ場に限定したものです。
イ 地方消費税交付金
都道府県で収入された地方消費税のうちの一部が、地方消費税交付金として市町村へ交付されるものです。
ウ 配当割交付金・株式等譲渡所得割交付金
平成15年度税制改正により創設されたもので、都道府県で徴収された県民税配当割又は県民税株式等譲渡所得割から市町村に配分されます。
エ 利子割交付金
昭和63年度から銀行預金などの利子等に係る住民税については、金融機関等を通じて県民税利子割として課税されています。
この税収から、市町村に配分されます。
オ 環境性能割交付金
令和元年10月1日から、環境負荷の小さい自動車の普及を促進することを目的として、自動車税及び軽自動車税において、それまでの自動車取得税に代わり、「環境性能割」が創設されました。
カ 法人事業税交付金
令和元年度に地方法人特別税・譲与税制度の廃止に伴う市町村分の法人住民税法人税割の減収分の補てん措置として、法人事業税の一部を都道府県から市町村に交付する制度として、創設されました。
後期高齢者医療特別会計
75 歳以上の後期高齢者医療に関する保険料の徴収等の事務を行います。
公設地方卸売市場特別会計
青果物、水産物などの生鮮食料品を安定した価格で提供し、市民生活の向上を図ります。
交通安全対策特別交付金
昭和 43 年に道路交通法の改正により創設された交通反則通告制度に基づき納付される反則金収入を原資として、地方公共団体が単独で行う信号機、道路標識、横断歩道橋、カーブミラーなどの道路交通安全施設整備の経費に充てるための財源として交付されています。
国民健康保険特別会計
事業勘定では、被保険者の疾病、負傷、出産、死亡などに際し、必要な保険給付を行い、施設勘定では、国保大栄診療所の運営を行います。
国庫(県)支出金
国庫支出金は、以下のように分類されます。
また、県支出金においても、国庫支出金と同様に、「県負担金」、「県補助金」、「県委託金」があります。
ア 国庫負担金
生活保護費負担金などのように、国が地方公共団体の行う特定の事務事業の円滑な運営を期するために義務的に支出されます。
イ 国庫補助金
消防設備整備費補助金などのように、国が奨励的あるいは財政援助的意図に基づいて交付されます。
ウ 国庫委託金
国政選挙委託金などのように、本来国が行うべき事務を、国民の利便、経費の効率化等の観点から地方公共団体に委託した場合、その経費が交付されます。
さ行
財政力指数
地方公共団体の財政基盤の強弱を示す指数で、標準的な行政活動に必要な財源をどれくらい自力で調達できるかを表しており、普通交付税の算定基礎となる基準財政収入額を、基準財政需要額で除して得た数値の過去3カ年の平均値をいいます。
債務負担行為
予算は単一年度で完結することが原則ですが、将来にわたる支払い義務に対応するため、あらかじめ後年度の債務を約束する行為を債務負担行為といいます。
これを行う場合には、その事項、期間及び限度額について予算の項目の一つとして定める必要があります。
資金不足比率
公営企業の資金不足を、公営企業の事業規模である料金収入規模と比較して指標化し、経営状況の深刻度を示します。
市債
いわゆる市の借金ですが、資金調達の一つの手段であるとともに、 次のような積極的な機能を持っています。
(1)財政負担の平準化の機能
学校の建設など大規模な公共施設整備は、短期間に多額の経費を必要とします。
これを市税などの一般財源のみで賄うことは、他の行政施策の推進に大きな支障を及ぼすこととなります。
そこで、市債で資金を調達し、元利償還金という形で後年度に支出することで、財政負担を平準化することができます。
(2)世代間負担の公平化の機能
学校、道路、公園などのように、将来長期間にわたって効果が生じる施設整備にあたり、現在の住民が一切の費用を負担するのは不合理といえます。
そこで、市債の元利償還金に市税を充てることで、将来の方々にも費用の一部を負担していただくこととなり、世代間の負担の公平化が図られます。
自主財源
市が自主的に収入することができる財源のことで、市税、分担金及び負担金、使用料・手数料、財源収入、寄附金、繰入金、諸収入等が該当します。
実質赤字比率
一般会計等の赤字の程度を指標化し、財政運営の深刻度を示します。
実質公債費比率
一般会計が負担する借入金の返済額及びこれに準じる額の大きさを指標化し、資金繰りの危険度を示します。
実質収支
発生主義の要素を加味して実質的な財政収支の結果を明らかにするもので、形式収支から翌年度に繰り越すべき財源を控除した決算額のことをいいます。
実質収支比率
標準財政規模に対する実質収支の割合をいいます。
将来負担比率
一般会計の借入金(地方債)や将来支払っていく可能性のある負担等の現時点での残高の程度を指標化し、将来財政を圧迫する可能性が高いかどうかを示します。
水道事業会計
給水人口が 5,000 人を超える地区について、安全な水を安定的に供給します。
性質別経費
歳出予算におけるこの分類により、財政構造が分かります。
性質別の分類では、支出が義務付けられている義務的経費(人件費、扶助費、公債費)、道路や公園整備などの投資的経費(普通建設事業費など)、そのほかの経費(物件費、補助費等、繰出金など)に区分することができます。
ア 人件費
職員の給与や共済費、議員の報酬や手当、各種委員会委員などの非常勤特別職や会計年度任用職員の報酬などの経費。
イ 扶助費
社会保障制度の一環として、法令等に基づき支出される生活保護費や児童手当などの経費。
ウ 公債費
市債の元金や利息を返済する経費。
エ 普通建設事業費
道路、橋、学校、公園などの整備やこれらの施設用地の取得など、資本形成の経費。
オ 物件費
旅費、消耗品や備品などの購入費、施設の清掃等の管理・運営委託料、土地や電算機器の使用などの経費。
カ 繰出金
一般会計から国民健康保険などの特別会計へ繰り出す経費。
キ 補助費等
他団体への運営費補助金や負担金、自動車保険などの保険料、講習会などの講師謝礼などの経費。
ク そのほか
積立金など。
た行
地方交付税
全国の地方公共団体間の財政的な不均衡を調整して、どの地域に住む住民にも標準的な行政サービスや基本的な社会資本が提供できるように財源を保障する制度で、国税(所得税・法人税・酒税・消費税)の一定割合が各地方公共団体の財政力等に応じて再配分されており、以下のように分類されます。
ア 普通交付税
財政力に応じて配分されています。
イ 特別交付税
災害や地域固有の特殊な財政需要などにより配分されています。
ウ 震災復興特別交付税
平成 23 年度から東日本大震災からの復旧・復興を目的に交付されています。
地方譲与税
地方公共団体の財源とされているもののうち、課税の便宜上そのほかの事情から徴収事務を国が代行し、地方公共団体へ譲与する税を地方譲与税といいます。
自動車重量譲与税、地方揮発油譲与税、航空機燃料譲与税などがあります。
ア 自動車重量譲与税
自動車検査証の交付を受ける自動車等にその重量に応じて課税される自動車重量税から、道路延長などをもとに市町村へ配分されています。
イ 地方揮発油譲与税
揮発油に対して課税される揮発油税及び地方揮発油税のうち、地方揮発油税から道路延長などをもとに都道府県及び市町村へ配分されています。
ウ 航空機燃料譲与税
航空機に積み込まれた航空機燃料に課税されている税金から、航空機騒音の防止対策や空港及び周辺整備の充実を図るため、関係する都道府県及び市町村に配分されています。
特定財源
生活保護費の負担金や道路整備のための補助金などのように、使途が特定されているものをいいます。
な行
農業集落排水事業特別会計
農業集落におけるし尿、生活雑排水などを処理する施設の整備を行い、市民生活の環境整備を図ります。
は行
標準財政規模
市が標準的な状態で通常収入されるであろう一般財源の規模を示すもので、市が通常水準の行政サービスを提供する上で必要な一般財源の目安となる数値です。
普通会計
地方公共団体は、それぞれ独自に一般会計や特別会計の範囲を定めており、財政規模やその内容の比較をする場合には、同じ基準で整理することが必要となります。
そこで、地方財政統計上、統一的に用いられる会計区分が普通会計であり、これは、公営事業以外の一般会計と、公営事業会計以外の特別会計を合わせ、各会計相互の出し入れによる重複部分を除いた会計となります。
ま行
目的別経費
歳出予算は、この分類により、どの分野にどれだけ配分されているかがわかります。
ア 議会費
議会の活動のための経費。
イ 総務費
市役所の管理・運営、徴税・戸籍関係事務、選挙、統計調査、国際交流・広報・市民相談、コミュニティの推進、交通防犯などのための経費。
ウ 民生費
生活保護、障がい者支援、各種福祉手当、児童ホーム・保育園の管理・運営などのための経費。
エ 衛生費
健康診断、予防接種、環境対策、ごみ処理施設の管理などのための経費。
オ 労働費
雇用対策などのための経費。
カ 農林水産業費
農林水産業の振興、家畜の 防疫、農道整備などのための経費。
キ 商工費
商工業の振興、観光活性化などのための経費。
ク 土木費
道路・橋・公園・河川の整備、都市計画・土地区画整理等のための経費。
ケ 消防費
防火・消火活動、救急・防災活動、消防車両の整備などのための経費。
コ 教育費
小中学校・公民館・図書館・スポーツ施設・運動広場の建設・管理・運営、生涯学習の推進、文化財の保護などのための経費。
サ 災害復旧費
災害にあった公共施設等を原形に戻すための経費。
シ 公債費
市債の元金と利息を返済するための経費。
ス 諸支出金
支出の性質により、他の支出科目に含まれない経費をまとめた経費。
セ 予備費
予見できない歳出予算の不足を補うために計上される経費。
ら行
臨時財政対策債
国から地方公共団体に地方交付税として交付するべき財源が不足した場合に、地方交付税の額を減らし、その穴埋めとして地方公共団体自らが地方債を発行するものです。
償還に関する費用については後年度に地方交付税で措置されます。
連結実質赤字比率
全ての会計の赤字や黒字を合算し、地方公共団体としての赤字の程度を指標化し、地方公共団体としての運営の深刻度を示します。