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更新日:2023年2月10日

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令和5年度施政方針(令和5年3月定例会)

 令和5年3月成田市議会定例会の開会に当たり、令和5年度の施政方針と所信の一端を申し上げ、議員各位、並びに市民の皆様のご支援とご協力をお願い申し上げる次第であります。

 私は、平成19年1月の市長就任以来、「住んでよし 働いてよし 訪れてよし」の次世代に誇れる空の港まち、生涯を完結できるまちづくりに向けて、全身全霊を捧げ市政運営に取り組んでまいりました。
 そして、昨年末の市長選挙におきまして、市民の皆様の信託を受け、5期目として、改めて市政のかじ取り役という重要な職責を担わせていただくこととなり、身の引き締まる思いでございます。
 5期目に当たりましては、「つなぐ未来へ 進化するまちづくり」をスローガンとし、本市の更なる発展に向けて、成田空港の更なる機能強化に対応したまちづくり、国家戦略特区制度の活用、騒音地域の振興、少子高齢化対策、教育環境の充実、新型コロナウイルス感染症により落ち込んだ経済の活性化などの課題へ果敢に挑み、市民の皆様が希望を持ち、安全・安心に暮らせる「進化するまち」を目指して、これまで築いてきた国や千葉県、空港圏9市町などとの関係、さらには4期16年の経験を生かし、全力で市政運営に当たってまいります。
 ここ数年は、本市も新型コロナウイルス感染症により大きな影響を受けております。市民の皆様、事業者の皆様、そして医療従事者の皆様には、感染拡大防止にご協力をいただき、改めて深く感謝申し上げます。依然として新型コロナウイルス感染症との闘いは続いておりますが、この危機を乗り越え、「輝かしい成田」の未来を切り開いていくため、改めまして皆様のご支援、ご協力をお願い申し上げます。

 さて、昨年を振り返りますと、長引く新型コロナウイルス感染症の流行に加え、急激な円安やロシアによるウクライナへの侵攻などに起因するエネルギーや食料品などの価格の上昇が市民生活や事業活動に大きな影響を及ぼしました。そのようなことから、国や県による支援に加え、本市独自の支援として、プレミアム付商品券の発行をはじめ、高齢者や若者・学生への商品券の交付、下水道使用料などの免除、中小企業や農業者、私立保育園や幼稚園、障害福祉サービス事業者や介護サービス事業者への支援金の給付などの様々な負担軽減策を実施してきたところであります。
 一方では、感染症対策を行いながら、成田祇園祭や成田伝統芸能まつり、新生成田市場を会場とした産業まつりなどの多くのイベントを開催することができました。また、例年、多くの参詣客が訪れる成田山新勝寺においても、今年は3年ぶりに入場規制のない正月を迎えました。参詣客の中には外国人旅行者の姿も見られるなど、まちが大いににぎわい、以前のような活気が戻ってきたように感じられたことを大変うれしく思いました。
 そして、国においても、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けについて、5月8日から季節性インフルエンザなどと同じ「5類感染症」に変更する方針を決定するなど、コロナ禍前の日常を取り戻す動きが着実に進められているところであります。
 1日も早い新型コロナウイルスの感染収束と社会経済情勢の好転を期待するとともに、本市といたしましても、その実現に向けた様々な取組を進めてまいりたいと考えております。
 さて、成田空港につきましては、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行に伴う出入国制限などにより、令和2年2月以降、国際線を中心に航空需要が大きく減少し、かつてない苦境に立たされておりましたが、昨年10月に、入国者数の上限撤廃や海外からの個人旅行の解禁などの水際対策が大幅に緩和されたことにより、航空需要は回復傾向にあります。
 今後におきましては、成田空港も活気を取り戻し、世界中の人々が集い行き交う空港として更なる成長を果たしていくものと確信しており、将来の航空需要への対応を見据えた成田空港の更なる機能強化について、騒音地域の皆様の生活環境の保全を図りつつ、その実現に向けて、関係機関と共に取り組んでまいります。
 また、本市の人口は、羽田空港の国際線増便に伴う航空人材の流出や成田空港の警備体制見直しに伴う成田国際空港 警備隊の縮小などもあり、平成30年をピークに減少へ転じていますが、今後は、新型コロナウイルスの感染収束や成田空港の更なる機能強化により雇用の回復や増加が見込まれ、人と物の流れが更に活発になることから、本市の人口は再び増加に転じるものと考えております。
 しかしながら、我が国の総人口は長期の減少過程に入っており、そのような人口減少社会においても、本市が持続的に発展していくためには、定住人口の維持や増加に加え、本市を観光などで訪れる「交流人口」や、通勤、通学で訪れる「昼間人口」を増やしていくことが重要であり、そのためにも、これまで実施してきた観光施策やスポーツツーリズムの推進と企業立地の促進のための取組を更に進めてまいりたいと考えております。
 そして、令和5年度の最後の日となる令和6年3月31日には、昭和29年に本市が誕生してから70周年という大きな節目を迎えます。私といたしましても、「つなぐ未来へ 進化するまちづくり」のスタートの年として、市民の皆様、議員各位のご協力のもと、「住んでよし 働いてよし 訪れてよし」の次世代に誇れる空の港まち、生涯を完結できるまちの実現のため、市政各分野で山積する諸課題に真正面から全力で取り組んでまいる覚悟であります。

 さて、本市の財政は、空港関連税収をはじめとして、景気に左右されにくい固定資産税を基調に全国有数の財政力を堅持し、各種財政指標からも判断されるように財政の健全性が維持されており、歳入面においては、市税収入が順調に回復するなど、長期化していた新型コロナウイルス感染症の影響を脱しつつあります。
 一方、歳出面においては、将来を見据えて取り組んでいるまちづくりや高齢化対策、子育て施策の拡充などにより、公債費や扶助費などの義務的経費が増加傾向にあることに加え、公共施設の長寿命化や更新を行うに当たり多額の財政負担が見込まれることなどから、より一層の効率的な財政運営が求められております。
 このような中、令和5年度の予算の編成においては、総合計画 「NARITAみらいプラン」に掲げた「住んでよし 働いてよし 訪れてよしの生涯を完結できる空の港まち なりた」の実現に向け、事業の選択と集中を行うことにより、限られた財源を重点的かつ効率的に配分し、子育て施策の一層の充実や新たなまちづくりに積極的に取り組むことにより、一般会計では、対前年度比3.7パーセント増の647億円と過去最大規模、特別会計及び地方公営企業会計を加えた全体では、3.1パーセント増の約977億円の予算を編成したところであります。
  • 市長施政方針演説

主要な施策の概要

 それでは、令和5年度の本市における主要な施策の概要について申し上げます。
 まず、成田空港の更なる機能強化についてでありますが、コロナ禍においても、中長期的な航空需要に対応するための必要な施策として、滑走路整備や将来の騒音影響を見据えた環境対策など、各種の取組が進められております。国においては、「2030年訪日外国人旅行者数6千万人、訪日外国人旅行消費額15兆円」の目標を堅持するとしており、本市といたしましても、更なる機能強化は、我が国の成長戦略の一環として、また、空港周辺地域の活性化と雇用の拡大などにもつながる最大の地方創生であると捉えており、今後も着実に進める必要があるものと考えております。
 また、空港会社においては、成田空港を取り巻く喫緊の課題を踏まえ、旅客施設の「ワンターミナル化」や物流機能を集約した新貨物地区の整備、道路や鉄道アクセスの改善等について、将来の航空需要増加などに対応するため「新しい成田空港」構想の検討に着手しました。この構想の検討に当たっては、昨年10月に、国や地域の視点も加味して、その深度化を図るため、「新しい成田空港」構想検討会が立ち上げられ、令和4年度内を目途に中間とりまとめを行うとしております。私も検討会の委員として参画しておりますが、この構想は、本市における将来のまちづくりに大きな影響を与えるものでありますことから、引き続き地域と空港の共生・共栄につながる構想となるよう求めてまいります。
 一方、成田空港の発展には、地域住民の皆様の理解と協力が必要不可欠であります。地域と空港の共生の実現に向けて、空港のプラスの効果が騒音地域にも及びますよう、地域の特性や資源を生かした振興策を検討するため、環境整備調査を実施してまいります。
 次に、企業立地の促進についてでありますが、本市にとって最大の地方創生である成田空港の更なる機能強化の順調な進展とともに、圏央道や北千葉道路などの広域道路ネットワークの整備も着実に進められている中、空港周辺地域が持つポテンシャルを最大限活用した物流関連施設や医療関連産業をはじめとする企業などの立地による、本市の地域経済の更なる発展が期待されているところであります。
 このような中で、国道295号沿道、下総インターチェンジ及び(仮称)成田小見川鹿島港線インターチェンジ周辺をはじめとした、空港周辺地域における土地利用規制の緩和等による物流機能などの受け皿確保に向けて積極的に取り組むとともに、企業立地のための土地利用など基礎調査を行い、企業アンケート調査などにより企業ニーズや立地の可能性を把握し、企業の進出を促すための施策を検討してまいります。
 次に、都市基盤の整備についてでありますが、成田空港の更なる機能強化による空港周辺地域への波及効果を最大限に受け止め、将来に向けて、本市が持続的に発展していくために、新たな開発需要や人口増加に適切に対応した良好な都市機能と住環境の整備を図るとともに、企業立地の促進と物流機能の強化に向けた都市基盤の整備を図るため、吉倉・久米野地区、不動ケ岡地区及び東和田南部地区における組合施行の土地区画整理事業の実施に向けて、引き続き支援してまいります。
 また、成田空港の更なる機能強化に伴う将来の交通需要の増加を見据えつつ、空港周辺地域の発展と利便性の向上を図るため、骨格となる幹線道路の整備を進めるとともに、広域道路ネットワークを強化するスマートインターチェンジの設置の実現に向けた取組を積極的に行ってまいります。
 次に、成田ニュータウンにつきましては、今後、着実に進展していく成田空港の更なる機能強化に伴い、空港関連企業における従業員の雇用の増加が見込まれる中、その受け皿としての役割も大きいものと考えております。
 このようなことから、老朽化した団地の再生なども含め、ニュータウン地区の居住環境の再整備を図ることにより、転出傾向にある若者や子育て世代の定住促進が期待されるとともに、成田ニュータウンの中心部に位置する赤坂センター地区において、生涯学習や子育てを支援する機能などを有した多機能な複合施設を整備することで、子どもから高齢者まで世代を超えた多くの方々が訪れ、幅広い層の人たちの交流が図られるものと考えております。
 この複合施設をニュータウン地区の新たな核として、にぎわいの創出や地域の活性化につなげ、まさに「ニュータウン」という名にふさわしい、新たなまちとして再生していけるよう取り組んでまいります。
 また、JR成田駅西口駅前の市有地の活用についてでありますが、駅前にふさわしい、にぎわいの創出や魅力ある施設整備、駅周辺のバリアフリー化を図るなど、市有地の有効活用とともに、市民の皆様の利便性の向上に向けて取組を進めてまいります。
 次に、子育て世代への支援についてでありますが、学校給食につきまして、現在実施している市立の小中学校等における第3子以降の給食費無料化や食物アレルギー等を有する児童生徒に係る学校給食費相当額の助成制度に加え、新たに本市独自の取組として、市立の中学校3年生及び義務教育学校の9年生、並びにひとり親家庭の児童生徒に係る給食費の無料化を進めてまいります。
 また、子育て世帯の経済的負担を軽減するため、昨年4月に創設しました「高校生等医療費助成制度」について、本年8月を目途に現在の償還払い方式を現物給付に変更し、利便性の向上を図るとともに、家事や育児などに対して不安や負担感を抱える子育て家庭、妊産婦、ヤングケアラーなどがいる家庭に対し、新たに家事・育児等の支援を行ってまいります。
 さらに、保育園などを利用していない家庭において、保護者の就労や緊急時などに一時的に児童の保育を行う一時保育につきまして、低所得世帯などを対象に利用料の補助を行い、保護者の負担軽減を図ってまいります。
 次に、母子保健についてでありますが、保健福祉館内の子育て世代包括支援センターにおいて、妊娠期から出産・子育て期にわたり、切れ目のない支援を行っているところであります。さらに、本年1月から全ての妊婦・子育て家庭が安心して出産・子育てができることを目指して、妊娠期から出産・子育てまで一貫して身近な相談に応じ、面談や継続的な情報発信などを行うことを通じて必要な支援につなぐ伴走型相談支援のほか、出産や育児に要する関連用品の費用などの購入負担の軽減を図る経済的支援を一体的に実施しております。今後も、いつでも身近に相談ができ、必要な時期に適切な支援が受けられる体制作りの強化を図ってまいります。
 次に、結婚に伴う新居の家賃や引っ越し費用などの支援を行っている結婚新生活支援事業についてでありますが、新たに対象者の年齢に応じて補助上限額の引上げを行うほか、所得要件の緩和や補助対象経費を追加するなど支援を拡充することにより、新生活の経済的負担を軽減することで、結婚に踏み切れない若者を後押しするとともに、本市で新生活をスタートさせたい若者を応援し、若者や子育て世代の定住促進を図ってまいります。
 次に、観光施策についてでありますが、昨年は、本市の主要観光行事である成田祇園祭、成田太鼓祭、成田伝統芸能まつり、成田弦まつりなどの各種イベントが3年ぶりに開催され、市内のにぎわいも回復してきたほか、成田市御案内人・市川海老蔵丈の「十三代目 市川團十郎白猿」襲名と、「八代目 市川新之助」初舞台の奉告参拝が成田山新勝寺で行われ、表参道でのお練りも実施されました。
 市川團十郎丈には、引き続き、成田市御案内人として活動していただくとともに、本年10月には、市川團十郎襲名記念 歌舞伎公演を開催するなど、ますます強くなる團十郎丈の発信力を活用し、本市の更なる魅力を発信してまいります。
 また、本市の祭りや伝統芸能、さらには全国有数の伝統芸能を一堂に会した成田伝統芸能まつり秋の陣に加え、昨年好評であった歌舞伎公演を中心とした成田伝統芸能まつり春の陣を引き続き開催するほか、四季折々の魅力ある様々なイベントの開催に向け、関係団体と連携しながら支援を行い、「まち」のにぎわい創出を図ってまいります。さらに、市制施行70周年を記念し、令和6年春に予定している「成田 山車まつり」の開催に向け、実行委員会を組織し、準備を進めてまいります。
 次に、スポーツの振興についてでありますが、東京2020オリンピック・パラリンピックのレガシーとして、アメリカやアイルランドとの交流を継続するとともに、NARITAスポーツツーリズムフェスや成田POPラン大会などを引き続き開催し、スポーツツーリズムの推進に積極的に取り組んでまいります。
 さらに、昨年度から実施しておりますアイルランドパラリンピック委員会との交流を契機とした共生社会ウィークや5月に開催される障がい者立位テニス東日本大会など、スポーツを通じた共生社会を推進するとともに、4月の大相撲成田場所、8月の全日本女子硬式クラブ野球選手権大会など、魅力あるスポーツ大会の誘致や、成田スポーツフェスティバルの開催など、スポーツにふれあう機会の創出に努めてまいります。
 また、スポーツツーリズムの推進及び市民の健康増進を図るため、東小学校跡地を活用してパークゴルフ場の整備を行うとともに、そのクラブハウス機能に加え、空調設備を備えた避難所としての機能を併せ持つ体育館、地域のコミュニティスペース、防災倉庫などが一体となった複合施設についても整備を進めてまいります。
 さらに、中台運動公園水泳プールにつきましても、夏季以外の活用が図れるよう、50メートルプールを多目的運動スペースとして整備してまいります。
 次に、国際医療福祉大学についてでありますが、開学から8年目を迎える成田キャンパスには、医学部、成田看護学部のほか、理学療法士や作業療法士などの医療福祉分野の専門職を養成する成田保健医療学部に、合計で約2,500名もの学生が在籍しております。
 そのうち、医学部においては、第1期生の6年次の皆様が、海外などの医療機関での臨床実習や卒業試験を終え、国家試験を受験されたところであり、来月には待望の初の卒業生として、医師への道を歩み始めることとなります。さらに、成田看護学部からは、すでに約300名の卒業生が輩出され、多くの方が看護師として医療の最前線でご活躍されており、今後は、本市における地域医療への貢献はもとより、全国平均を下回っている県内の人口当たりの医師数や看護師数の改善にも寄与していくものと考えております。
 また、コロナ禍での開院から間もなく3年が経過する国際医療福祉大学成田病院は、感染症対策に尽力しながらも、地域の医療機関との連携を進めることで、着実に患者が増加し、昨年秋口からは1日平均で1千名を超える外来患者を受け入れるとともに、本市消防本部の救急搬送も年間で1千名を超えるなど、本市において欠かせない存在になっており、これまで地域医療の中心的役割を果たしてきた成田赤十字病院とともに、地域医療への貢献が大いに期待されるところであります。
  • 成田ニュータウン

基本方向に沿った主な基本施策の概要

 続きまして、総合計画「NARITAみらいプラン」に掲げました6つの基本方向に沿って、主な基本施策の概要について申し上げます。

安全・安心でうるおいのある生活環境をつくる

 1つ目は、『安全・安心でうるおいのある生活環境をつくる』についてであります。
 まず、防災施策についてでありますが、自然災害からの被害を最小限にとどめるため、「地域防災計画」や「国土強靱化地域計画」に基づき、ハード・ソフトの両面から、災害に強いまちづくりを進めてまいります。
 また、災害から一人でも多くの命を守るためには、「公助」の推進はもとより、「自助」や「共助」の取組が重要となりますことから、自主防災組織の結成を促進するなど、地域における防災力の更なる強化にも取り組んでまいります。
 次に、空き家対策についてでありますが、本年度策定する「第2次成田市空家等対策計画」に基づき、社会情勢の変化に対応した施策を着実に推進し、市民が住みやすく快適なまちづくりの実現を目指してまいります。
 次に、消防体制についてでありますが、災害が複雑多様化・大規模化する中、あらゆる災害に迅速かつ的確に対応するため、消防水利の充実や消防車両の更新整備など、消防力の更なる強化に努めてまいります。
 また、地域防災の中核である消防団に入団しやすく、活動しやすい環境整備に取り組むとともに、社会環境の変化に柔軟に対応できる活動を推進してまいります。
 次に、環境施策についてでありますが、脱炭素社会の実現に向けた取組といたしましては、住宅用太陽光発電システムの設置や電気自動車の購入等に対する補助について、新たにプラグインハイブリッド車を対象として加え、補助メニューを拡大した上で引き続き実施してまいります。また、公共施設における太陽光発電設備等の再生可能エネルギーの導入を推進するとともに、今後更新する庁用車につきましても計画的に電動車を導入するなど、CO2排出量の削減を積極的に推進してまいります。
 次に、環境衛生施設についてでありますが、老朽化が進むリサイクルプラザにつきましては、効率的な処理を行うことができるよう設備等の更新など、機能回復と長寿命化のため、施設整備に向けて取り組むとともに、浄化センターについては、し尿及び浄化槽汚泥の処理体制を安定的に確保していくため、老朽化した現施設の再整備工事に着手してまいります。
 また、いずみ聖地公園につきましては、少子高齢化や核家族化の進行などにより多様化する墓地需要に対応するため、合葬式墓地の整備工事に着手するとともに、新清掃工場関連付帯施設の整備につきましては、早期完成に向けて、事業の推進を図ってまいります。
  • 消防出初式

健康で笑顔あふれ、共に支え合う社会をつくる

 2つ目は、『健康で笑顔あふれ、共に支え合う社会をつくる』についてであります。
 本市における最重要課題の一つである待機児童対策につきましては、本年4月に家庭的保育事業所から移行する小規模保育事業所が開園する予定であることに加えて、令和6年度の開園に向けて再整備を進めております松崎保育園では、ゼロ歳児の定員を新たに設けるなど、待機児童が発生している低年齢児の保育の受け皿の拡充を図ってまいります。さらに、第3期子ども・子育て支援事業計画の策定に向けて実施するニーズ調査により、保育需要や人口動向などを的確に捉え、早期に待機児童数がゼロになるよう、適切に取り組んでまいります。
 老朽化が進んでいる郊外の公立保育園につきましては、松崎保育園及び赤荻保育園の整備に取り組むなど、安心・安全な保育環境の向上に資するため、順次、再整備を進めてまいります。
 また、児童ホームにつきましても、久住児童ホームを増築し、本年4月から定員を拡大するとともに、待機児童が発生している平成児童ホーム及び本城児童ホームにおいて、定員の拡大を図るため増築を進めるなど、待機児童の解消に向けて取り組んでまいります。
 次に、子どもたちが、遊びの中での様々な体験を通して、自己実現に寄与する効果が期待されるプレーパークの設置につきましても、先進事例などを参考に検討を進めてまいります。
 次に、子宮頸がんの原因となる感染を予防するヒトパピローマウイルスワクチンにつきましては、本年4月から「9価ワクチン」が定期接種として接種可能となることから、今後も、より多くの方に接種について理解を深めていただき、子宮頸がんの感染リスクの軽減が図られるよう努めてまいります。
 次に、福祉施策についてでありますが、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、様々な困難に直面している生活困窮者に対し暮らしの支援を行うとともに、生活保護を必要とする方々に対しても、自立した生活を営めるよう取り組んでまいります。
 また、超高齢社会においては、認知症高齢者の増加や親亡き後の障がいのある子の支援など、権利擁護支援のニーズも更に増大していくことが見込まれますので、認知症や障がいにより判断能力が十分でない方が必要なときに成年後見制度を利用することができるよう、家庭裁判所等の関係機関と連携するネットワークづくりなど、更なる支援体制の強化に取り組んでまいります。
 そして、介護サービスの需要が高まることに伴い、高齢者等の介護を支える人材の不足が見込まれることから、引き続き介護職員の資格取得のための費用助成や、定着を支援する「介護版なりた手当」の支給を行うことで介護人材の確保・定着を図るとともに、介護職員の業務を支援する介護ロボット導入のための補助を行うことで、介護職員の負担軽減と労働環境の改善を図ってまいります。
 さらに、認知症地域支援推進員事業の拡大や認知症への理解を広く呼び掛ける「なりたオレンジプロジェクト」の実施などを通じて、更なる理解促進に向けて普及啓発を図るなど、認知症施策に取り組んでまいります。
 次に、後期高齢者を対象とした保健事業について、国民健康保険の保健事業及び介護保険の介護予防事業と一体的に実施することにより、高齢者の心身の多様な課題に対応した、きめ細やかな支援を行い、適切な医療や介護予防サービスに繋げることで、介護予防や疾病の早期発見、重症化予防を図ってまいります。
 このほか、障がい福祉施策については、地域生活を支援する体制の充実を図っていくため、障がいの有無にかかわらず、地域の中で安心して自分らしく暮らせるよう、困ったときにいつでも相談できる障がい者相談センターの機能強化を実施し、緊急時の対応を可能としてまいります。
  • 保育園

地域文化を生かし、未来を担う心豊かな人材を育む

 3つ目は、『地域文化を生かし、未来を担う心豊かな人材を育む』についてであります。
 まず、学校・家庭・地域が一体となって、地域ぐるみで子どもを育む体制づくりにつきましては、学校評議員制度に替え、本年4月から、地域住民の代表などが一定の権限と責任をもって参画する学校運営協議会を市内全ての公立小学校、中学校及び義務教育学校に設置し、引き続き地域と共に歩む学校づくりを進めてまいります。
 また、中学校の部活動につきましては、生涯にわたり生徒がスポーツ、文化芸術に親しむ機会を確保できるよう、休日の部活動を段階的に地域移行していくための体制整備に取り組んでまいります。
 次に、教育環境の充実につきましては、一人1台の学習用端末や高速ネットワークなどの情報通信技術、いわゆるICTを活用した効果的な教育を進めていくとともに、教員が授業を円滑に行うことができるよう、専門的な知識を有するICT支援員を配置するなど、サポートと負担軽減を図ってまいります。
 次に、学校施設の整備につきましては、児童数が増加している本城小学校について、校舎の増築工事を行うとともに、施設の老朽化が進む玉造小学校及び中台小学校の長寿命化改修工事を進めてまいります。
 また、災害時には避難所となる小中義務教育学校等の体育館に、熱中症対策としてスポット型空調設備等を順次整備してまいります。
 次に、学校給食施設につきましては、老朽化した学校給食センター本所の愛光園跡地への移転再整備を進めてまいります。
 次に、図書館につきましては、地域を支える情報拠点として、紙媒体だけでなく、電子書籍など多様なメディアによる資料を幅広く収集・提供してまいります。
 また、新たに策定した「第2次成田市子どもの読書活動推進計画」に基づき、本市の子どもの読書環境の向上に努め、その取組の一つであるブックスタート事業において、絵本の読み聞かせとともに新たに絵本の配布を開始いたします。
 次に、昨年度から実施している国際文化会館の改修工事については、本年5月に完了することから、文化芸術活動の拠点施設として今まで以上に市民の皆様に安全かつ快適にご利用いただける環境を提供してまいります。
 次に、国際交流の推進についてでありますが、本年度で終了する国際市民フェスティバルに代わり、市内に在住する外国人と日本人住民が交流し、互いの文化について学ぶことを目的とした新たなイベントを実施してまいります。
  • ICT教育

空港の機能を最大限に生かし、魅力的な活気あふれる都市をつくる

 4つ目は、『空港の機能を最大限に生かし、魅力的な活気あふれる都市をつくる』についてであります。
 成田空港につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、国際線を中心に航空需要が大幅に減少しておりましたが、国の水際対策の緩和などに伴い、旅客数は回復傾向にあり、徐々にではありますが、コロナ禍前の活気を取り戻しつつあります。また、今後は更に、航空需要の増大が見込まれますことから、騒音地域と空港が共に持続的に発展していけるよう、「地域の発展」と「空港の発展」が好循環する地域づくりに取り組んでまいります。
 成田空港の更なる機能強化に当たりましては、騒防法の新たな告示に伴い、各種防音工事助成における対象区域の拡大や制度の拡充が図られており、関係機関と協力しながら、引き続き防音工事の推進に取り組むとともに、生活環境の保全に向けた騒音対策の一層の充実に努めてまいります。
  • 成田空港

活力ある産業を育て、にぎわいや活気を生み出すまちをつくる

 5つ目は、『活力ある産業を育て、にぎわいや活気を生み出すまちをつくる』についてであります。
 本市においても、新型コロナウイルス感染症の影響により、観光産業は大きな打撃を受けましたが、全国旅行支援や水際対策の緩和などを受け、観光需要は回復基調にあり、今まで以上に、国内外からの観光客誘致に向けた、戦略的かつ効果的な情報発信を推進することが重要であることから、にぎわいある祭りや美しい自然などのライブ配信を海外に向けて発信し、インバウンドの誘致を図るとともに、ターゲットを絞った動画広告やバナー広告などを活用した国内向けのWEB広告、さらには「うなりくん」の高い知名度を活用し、本市の魅力やイベント情報を効果的に発信してまいります。
 また、ふるさと納税ポータルサイトで特色ある地場産品を紹介するとともに、返礼品の充実や体験メニューの拡充を図ることで、「成田ブランド」のPR強化に努めてまいります。
 次に、商工業の振興についてでありますが、企業立地促進制度に基づく新たな企業の誘致と、国家戦略特区における特例による工場立地に係る緑地面積率等の緩和の活用を含めた、既存企業の再投資による事業拡大の支援を引き続き推進することで、本市における企業の進出・拡大を促進し、産業の競争力強化と雇用の創出を図るとともに、市内中小企業等における若者をはじめとした人材の確保を支援することなどにより、本市の商工業の更なる活性化と地方創生につなげてまいります。
 また、比較的就職が困難な高年齢者等を雇用した事業者に対し交付する奨励金の交付要件について、高年齢者及び定年後に継続して再雇用された方の対象年齢を見直し、高年齢者の雇用促進を図ってまいります。
 次に、農業施策についてでありますが、主食用米の需要減少による米価の大幅な下落、燃料費や肥料・資材等の価格上昇、さらに、電気代の高騰も重なり、農業経営に大きな影響を及ぼしていることから、米の需給と価格の安定を図るため、大豆・麦や加工用米、飼料用米への作付け転換する農業者に助成を行い、需要に応じた主食用米の生産を推進するとともに、本市の特産品であるサツマイモなどの園芸作物の産地振興を図るため、サツマイモの貯蔵庫やドローンなどの機械の導入に対して支援を行うことにより、高単価での販売や生産コストの低減などによる農業者の所得の向上に努めてまいります。
 次に、新生成田市場についてでありますが、市民の皆様の「食の台所」としての役割に加え、農水産物の加工や海外への輸出に必要な手続を市場内で完結することができる日本初の「ワンストップ輸出拠点機能」を備えた新生成田市場が開場し、一年が経過しました。
 成田空港や東関道、圏央道などの充実した広域交通ネットワークを最大限に活用した卸売市場の輸出拠点化という取組は、国内外から注目されており、世界的に新型コロナウイルス感染症の影響を受ける中においても、新生成田市場からの輸出は堅調に増加しております。
 こうした中、昨年10月には、新型コロナウイルス感染症に関する水際対策が大幅に緩和されたところでありますので、インバウンド需要の獲得と新生成田市場からの輸出拡大を図るため、引き続き集客施設の早期整備に取り組むとともに、市場関連事業者だけでなく空港関連企業などとも連携し、本市を訪れる訪日外国人等に地域の農水産物の美味しさに関する情報を積極的に発信してまいります。
  • 卸売市場

市民サービスを充実させ、持続可能な自治体運営を行う

 6つ目は、『市民サービスを充実させ、持続可能な自治体運営を行う』についてであります。
 まず、本市の総合的かつ計画的な行政運営を図るための指針である総合計画「NARITAみらいプラン」の第2期基本計画が令和5年度末をもって終了することから、令和6年度からの4年間を計画期間とした第3期基本計画を新たに策定し、持続可能なまちづくりを推進していくとともに、引き続き、市民満足度を重視した行政サービスの向上と、効率的・効果的な行政運営に努めてまいります。
 次に、デジタルトランスフォーメーションの推進についてでありますが、昨年は住民票などの申請書を自宅などでも事前に作成することができる「申請ナビシステム」の実証実験を開始し、「書かない窓口」を推進してまいりましたが、今後は住民票などの各種証明書交付に係る電子申請手続の導入や、市税をはじめとした公金の口座振替についてインターネット上で登録手続を可能とするWeb口座振替受付サービスの導入、キャッシュレス決済が可能な施設の拡大などにより利便性の向上と行政の効率化を目指してまいります。
 また、社会全体のデジタル化が進む中で、デジタル活用に不安を抱える高齢者等に対し、スマートフォンの活用講座を引き続き実施していくとともに、誰もがデジタル化の恩恵を享受できるよう支援の拡充などを含め、対応してまいります。
 次に、令和3年3月末に閉校を迎えた大栄地区の5つの小学校の跡地利活用についてでありますが、小学校区を単位とした地域の皆様に、順次、説明会を実施しているところであり、引き続き、地域の要望を踏まえながら、小学校跡地の利活用の検討を進めてまいります。
 また、飯仲地先の卸売市場跡地につきましては、公津の杜駅から近く、国道51号にも面しているなど、周辺に良好な都市基盤が整備された立地条件に優れた土地でありますので、今後、高まることが想定される住宅需要や商業エリアとしての発展可能性などを見据えながら、民間活用を基本とし、対応を検討してまいります。
 そして、先ほども申し上げたとおり、本市は、令和6年に市制施行70周年という記念すべき年を迎えることになります。そこで、この節目の年に、これまでの本市の歩みを振り返りながら、成田の魅力を再認識し、改めて郷土に対する愛着や誇りを育む機会とするため、令和6年1月からの1年間、様々な記念事業を実施してまいります。

結び

 以上、市政に臨む私の所信の一端と、令和5年度の主要施策の概要を申し上げました。
 3月8日から「ワールド・ベースボール・クラシック」が開催され、3大会ぶりの世界一奪還を目指す野球日本代表「侍ジャパン」の挑戦が始まります。
 かつて、ワールド・ベースボール・クラシックで活躍し、日米プロ野球界で数々の大記録を残したイチローさんが、「壁というのは、できる人にしかやってこない。超えられる可能性がある人にしかやってこない。だから、壁があるときはチャンスだと思っている」と考えを述べています。
 私も、我がふるさと成田をこれまで以上に輝かせ、未来へつなげていくため、「住んでよし 働いてよし 訪れてよし」の次世代に誇れる空の港まち、生涯を完結できるまちの実現に向け、様々な壁を乗り越え、全力で市政運営に挑み、本市の更なる発展につなげてまいります。
 結びに、議員各位並びに市民の皆様のご支援とご協力を重ねてお願い申し上げまして、令和5年度の施政方針といたします。
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