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更新日:2020年4月1日

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令和2年施政方針(令和2年3月定例市議会)

 令和2年3月市議会定例会の開会に当たり、令和2年度の施政方針と所信の一端を申し上げ、議員各位、並びに市民の皆さまのご支援とご協力をお願い申し上げる次第であります。
 
 私は平成19年1月の市長就任以来 「住んでよし、働いてよし、訪れてよし」の次世代に誇れる空の港まち、生涯を完結できるまちづくりに向けて、常に全力投球で市政運営に取り組んでまいりました。
  本市の輝かしい未来を見据えつつ、次世代に誇れるまちづくりに向け、「成田空港の更なる機能強化」、「国際医療福祉大学医学部の開設」、「新生成田市場の整備」の3本の柱に加え、子育て支援や医療福祉の充実など各種事業においても、市民ニーズを的確に捉えた施策を実践し、本市が持続的に発展するまちづくりを積極的に推進してまいりました。
  4期目のスタートとなった昨年は、歴史的な皇位継承により、「平成」から「令和」へと新しい時代の幕開けとなった年であります。
  本市におきましては、6月に、東京2020オリンピックの聖火リレーのルートに、市役所から成田山新勝寺と三里塚さくらの丘が選ばれるという喜ばしいニュースがありました。
  一方、9月・10月には、台風による暴風や大雨により、倒木等による長期停電や土砂崩れ、道路の冠水などの被害のほか、河川の増水により避難勧告を発令する事態が発生し、更なる防災体制の強化の必要性を強く認識したところであります。
  成田空港においては、10月に夜間飛行制限の変更が行われました。これにより、A滑走路の運用時間が1時間延長され午前0時までとなり、大きな転換点を迎えることとなりました。成田空港の更なる機能強化は空港だけでなく、本市や空港周辺地域に大きな発展をもたらす一方、騒音地域にお住まいの皆さまの生活環境に大きな影響を及ぼすことから、引き続き関係機関と連携し、空港の機能強化と生活環境の保全との調和を図りながら、是非とも実現していかなければならないと認識しております。
  11月には、成田空港の累計航空旅客数が11億人を達成し、昨年上半期の航空旅客数は、平成26年から6期連続で最高値を更新いたしました。外国人旅客数においても暦年上期で初めて900万人を超えたところであります。
  また、中台体育館で世界の強豪チームが集結し世界一を決める「女子レスリングワールドカップ」が開催されました。世界各国の選手をはじめ、全国各地から多くの観客が訪れ、本市の魅力をPRする良い機会になったと考えております。
  さらに、成田市観光キャラクターのうなりくんが、皆さまのご支援のおかげで活動10周年を迎えることができました。これからもジャンルにとらわれず精力的に活動し、成田の魅力を発信できるよう頑張ってまいりますので、引き続き、応援をお願いいたします。
  このように昨年は本市にとって節目となる事柄やイメージアップにつながる様々な出来事がありました。
  本年は東京オリンピック・パラリンピックが開催され、日本にとって記念すべき年となります。また、5月には、本市に縁の深い市川海老蔵丈が江戸時代から続く歌舞伎の大名跡「十三代目 市川團十郎」を、長男の堀越勸玄くんが「八代目 市川新之助」を襲名いたします。ご両名のダブル襲名は誠にご同慶のいたりであり、益々のご活躍を心から願うものであります。
  襲名に先立ち4月には、成田山へのお練り行列も予定されており、今後も、市川家との絆をより強固なものとし、「成田市御案内人」として本市の魅力を積極的に発信していただきたいと考えております。
  本市においても、「成田空港の更なる機能強化」、「国際医療福祉大学成田病院の開院」、「新生成田市場の整備」をはじめとする未来を見据えたまちづくりを機に、更なる発展を目指し、スピード感を持ってまちづくりを進めるとともに、市政の各分野で山積する諸課題に対して真正面から取り組んでまいる覚悟であります。
 
さて、本市の財政は、空港関連税収を背景として、全国有数の財政力を有し、各種財政指標からも判断されるように健全性が維持されているものの、将来を見据えて取り組んでいる大規模な普通建設事業の進捗や超高齢社会の到来などにより、公債費や扶助費などの義務的経費が増加傾向にあり、また、公共施設の長寿命化や更新を行うに当たり多額の財政負担が見込まれることなどから、より一層の効率的な財政運営が求められているところであります。
  そのような中、新年度の予算の編成においては、行政改革推進計画の措置事項を確実に実践し、一層の経費節減に努めるとともに、新年度は、成田市総合計画「NARITAみらいプラン」の第2期基本計画の初年度となることから「住んでよし 働いてよし 訪れてよしの生涯を完結できる空の港まち なりた」という将来都市像の実現に向けて、新たな4年間の目標や取組方針を掲げ、引き続き、「若者や子育て世代に魅力のあるまちづくり」、「医療・福祉の充実したまちづくり」、「空港と共に発展するまちづくり」の3つの方向性に基づく施策を着実に推進するため、限られた財源を重点的かつ効率的に配分し、一般会計では、対前年度比3.6パーセント増の628億円、水道事業会計等を含む特別会計を加えた全体では、2.5パーセント減の約957億円の予算を編成したところであります。
 
 それでは、新年度の本市における主要な施策の概要について申し上げます。
  まず、成田空港の更なる機能強化についてでありますが、本年7月から開催される東京オリンピック・パラリンピックの受け入れ態勢の整備や激化するアジアの空港間競争に勝ち抜いていく必要があることから、平成30年3月の四者協議会で合意した成田空港の更なる機能強化に関する確認書に基づき、昨年10月には、夜間運用時間が1時間延長され、A滑走路の運用時間が午前0時までとなり、大きな転換点を迎えました。
  さらに11月には、国土交通省が成田空港の基本計画を53年ぶりに改定し、それを踏まえ、成田国際空港株式会社から国土交通大臣宛てに、航空法に基づく空港等変更許可申請が行われ、先月31日には、航空法に基づく成田空港の施設変更が許可されたことから、滑走路等の施設整備は今後さらに加速するものと考えております。
  成田空港の更なる機能強化により、年間発着容量は30万回から50万回へと拡大されることとなり、今後、旅客数や貨物量の大幅な増加が見込まれるとともに、空港周辺地域に産業振興やインフラ整備、生活環境の向上など、様々な効果をもたらすものと期待しておりますが、騒音地域にお住いの皆さまの生活環境にも大きな影響を及ぼすことが懸念されます。
  本市といたしましては、更なる機能強化と騒音地域にお住まいの皆さまの生活環境の保全、空港周辺地域の活性化は一体的なものとして進めていかなければならない大きな課題であると認識しており、引き続き関係機関と連携しながら、生活環境の保全と空港の機能強化との調和が図られるように取り組んでまいります。
  次に、国際医療福祉大学成田病院についてでありますが、本年4月1日に642の病床と39の診療科を備えるとともに、日本最大級の人間ドックセンターを併設するなど、地域医療と高度医療を担う医療機関として開院いたします。この附属病院では、数多くの先進医療機器を備えるとともに、各分野の経験豊富な医師をはじめとする医療スタッフが集まり、質の高い医療サービスが提供されます。また、災害医療や周産期医療、救急医療などにおいては、地域の医療機関との連携により、更なる医療体制の充実が図られ、本市の医療環境は大きく向上することになります。
  また、国際医療福祉大学成田キャンパスでは、本年3月に看護学部・保健医療学部において初めての卒業生が輩出され、附属病院をはじめとした地域の医療機関において、看護師や理学療法士をはじめとする医療福祉分野の専門職としての活躍が期待されます。さらに、4月から、保健医療学部に放射線・情報科学科の設置も予定されており、千葉県内で初めての診療放射線技師の養成機関が誕生します。このように、国際医療福祉大学の地域医療への貢献が一層拡大することから、本市といたしましても同大学との連携・協力を更に強化するとともに、附属病院を核とした将来的な医療産業集積に関しても調査、研究を継続してまいります。
  次に、卸売市場の移転再整備についてでありますが、新生成田市場は、市民の皆様に安全・安心な生鮮食料品等を安定的に供給する従来の市場機能に加え、衛生管理の整った加工施設や農水産物の効率的な輸出を可能とするワンストップ輸出拠点機能を備えた日本初の卸売市場として、令和3年夏頃の開場を目指し、建築工事をスタートしたところであります。
  こうした中、昨年11月には、新生成田市場の輸出拠点化に大きな追い風となる、輸出相手国の規制緩和等に関する協議や、国内の環境整備等をオールジャパンで進め、日本産農林水産物及び食品の輸出を促進するための新たな法律も成立いたしました。
  本市といたしましては、これを絶好の機会と捉え、千葉県はもとより、卸売業者や仲卸業者・買受人だけでなく、高機能物流棟に入場する事業者、更には出荷者などと事業者間の垣根を越えて連携し、国家戦略特区の活用も含めた輸出手続きの一層の効率化に向け、関係省庁と協議を進めることで、市場間競争を勝ち抜き、取引参加者から選ばれる市場となるよう取り組んでまいります。
  また、新生成田市場はインバウンド需要獲得と日本の食文化を世界に発信する拠点施設としての役割も担うことから、東京オリンピック・パラリンピック開催期間中に本市を訪れる国の内外の観光客に対し、新生成田市場の取り組みや地域の農水産物の美味しさに関する情報を発信してまいります。
  次に、スポーツの振興についてでありますが、本市では大谷津運動公園野球場を始めとして、中台運動公園水泳プール、遠山スポーツ広場の改修工事を順次終え、施設の供用を再開いたします。
  近年の健康志向や国際的なスポーツイベントの開催を受け、市民のスポーツに対する関心が大きく高まっている中、子供や高齢者、障がい者など、幅広い市民が様々な形でスポーツ活動に取り組める環境を提供するとともに、誰もが気軽にスポーツに参加することができるよう、スポーツの振興を図ってまいります。
  また、東京オリンピック・パラリンピックが開催されることから、本市では7月3日の聖火リレーの実施を皮切りに、アメリカ陸上チームやアイルランドパラリンピックチームの事前キャンプの受け入れを、市民と一体となって歓迎するとともに、これらチームをしっかりと応援するためのツアーなどを計画してまいります。
  さらに、国の内外から訪れる多くの観光客や観戦客に対しても、交通案内や観光案内等の「おもてなし」を行う「都市ボランティア」を配置し、本市の観光PRに努めてまいります。
  スポーツ大会の誘致におきましても、5月にはパラスポーツの障がい者立位テニス世界大会を、8月には王貞治氏が理事長を務める世界少年野球推進財団と共催で「世界少年野球大会 Girl's BaseBAll Clinics 2020 成田大会」を開催することにより、共生社会ホストタウンの実現やスポーツツーリズムの推進にも積極的に取り組んでまいります。
  • 市長
  • アメリカ陸上クリニック

安全・安心でうるおいのある生活環境をつくる

 続きまして、「NARITAみらいプラン」に掲げた6つの基本方向に沿って、主な基本施策の概要について申し上げます。
 
 1つ目は、『安全・安心でうるおいのある生活環境をつくる』についてであります。
まず、防災対策についてでありますが、昨年の台風15号・19号、10月25日の大雨では、暴風や大雨の影響で、市内の広範囲で被害が発生しました。
 特に、台風15号においては、大規模な停電被害が発生し、電力会社による復旧作業が大幅に遅れ、停電が長期化する事態となりました。電力や通信設備は日常生活を送るうえで必要不可欠なものであります。今後も関係機関との連携、協力体制の強化を図り、市民生活への影響が最小限となるよう取り組んでまいります。
 また、災害時の避難所等における電力の確保を進めるため、非常用発電機の計画的な整備に努めるとともに、民間事業者等との協定の締結や、災害時に必要な資機材を速やかに調達できる体制を整備してまいります。
 さらに、災害時には、市民に対して災害情報等を迅速に伝達することが重要となりますことから、防災行政無線固定系親局の更新を行い、更なる情報伝達体制の整備に努めてまいります。
加えて、市民の生命、財産を守るため、急傾斜地崩壊対策事業や、崖地整備費補助事業を推進するとともに、いつ起きるかわからない災害のリスクを見据え、国土強靭化地域計画を策定することにより、市民の皆さまの安全で住みよい住環境の整備に努めてまいります。
 次に、消防体制についてでありますが、市民の皆さまの安全安心を確保するためには、消防本部と消防団の体制強化が重要であります。このことから、災害時におけるドローンなどを活用した情報収集を行うなど、消防装備及び施設の充実を図るとともに、東京オリンピック・パラリンピック開催時の、テロ災害等への対応を強化してまいります。
 次に、住環境の対策についてでありますが、市民や住宅を取り巻く環境も大きく変化していることから、令和元年度に策定しております「第2次成田市住生活基本計画」では、基本理念として「住んでみたい・住み続けたい まちづくり 成田」を掲げ、時代の変化やニーズに対応した新たな住宅、住環境施策を推進し、次世代に引き継ぐ快適な住生活の実現を目指してまいります。
 次に、ごみ減量化対策についてでありますが、ごみの発生抑制、再使用、再生利用の3Rを進めるため、一般廃棄物処理基本計画に基づき、ごみ処理の適正化やごみの減量化・再資源化に取り組んでまいります。
 また、ごみ収集事業においては、市民サービスの向上とごみの減量化及び再資源化を図るため、現在、月2回としているプラスチック製容器包装の収集回数を、毎週1回へと変更し、ごみの適正分別の徹底を図ってまいります。
 次に、地球温暖化対策についてでありますが、市民・事業者への省エネルギー行動の普及啓発をはじめ、住宅用省エネルギー設備設置費補助を行うとともに、事業者との「成田市地球環境保全協定」の締結などを行い、それぞれの主体的な取組を支援してまいります。
 次に、老朽化が進む成田浄化センターについてでありますが、し尿及び浄化槽汚泥の処理体制を安定的に確保していくため再整備に向けた取り組みを進めてまいります。
 次に、新清掃工場関連付帯施設の整備につきましては、一部用地の取得が困難な状況が続いておりますが、未買収用地の取得に向けて引き続き取り組むとともに、取得済み用地内での整備の可能性についても検討してまいります。
 次に、八富成田斎場についてでありますが、長寿命化計画に基づき、火葬炉及び空調設備の改修工事を行うとともに、いずみ聖地公園につきましては、多様化する墓地需要に対応するため、新たに合葬式墓地の整備に向けて取り組んでまいります。
 次に、水道事業についてでありますが、水道は市民生活において重要なライフラインであり、安全・安心な水道水を安定供給できる、災害に強い水道を構築するため、引き続き基幹施設である並木町配水場の耐震化を含めた改修事業や、管路の耐震化を積極的に進めてまいります。
 次に、下水道事業につきましては、令和元年度より企業会計方式に移行しており、経営戦略に基づき、継続的かつ健全な事業経営に努めてまいります。
 また、近年の局所的豪雨により道路冠水が発生していることから、計画的に雨水管渠などの築造を行うとともに、老朽化した下水道施設の長寿命化を推進してまいります。
  • 地震被害

健康で笑顔あふれ、共に支え合う社会をつくる

 2つ目は、『健康で笑顔あふれ、共に支え合う社会をつくる』についてであります。
  保育園の待機児童対策が全国的な課題となっている中、 国では「子育て安心プラン」により、平成30年度から3年をかけて、約32万人分の保育の受け皿を整備し、全国の待機児童を解消することを目標に取り組んでおります。
  本市におきましても、子育て世代が安心して子どもを産み育てられる環境整備の推進が必要不可欠であり、令和元年度に策定しております、「第2期成田市子ども・子育て支援事業計画」に基づき各種事業に取り組んでまいります。
  特に待機児童対策は本市の最重要課題の一つであり、本年4月に、認可保育園3園、小規模保育事業所1園が開園することにより、新たに214人の保育の受け皿が確保され、待機児童の解消に向けて大きく前進するものと期待しております。
  また、新年度は、幼稚園から本市初の幼保連携型認定こども園への移行を予定している法人や、開園を予定している小規模保育事業者に対して施設整備に係る補助を行うなど、保育を必要とするすべての児童が保育園等に入所できるよう、受け皿の拡充を図ってまいります。
  さらに、昨年10月から実施している幼児教育・保育の無償化により、子育て世代の経済的負担の軽減を図るとともに、地域型保育事業所等の健全な運営に対する支援、保育士の処遇改善を行うなど、保育環境の充実に努めてまいります。
  加えて、児童ホームについては、令和3年4月に開所を予定している(仮称)大栄第一・第二児童ホームの整備を進めるとともに、八生児童ホームの建設に係る実施設計を行うなど、定員の拡充や環境の向上を図り、放課後における留守家庭児童の健全育成を支援してまいります。
  次に、母子保健についてでありますが、妊娠期から出産・子育て期にわたり切れ目のない支援を行うため、「子育て世代包括支援センター」では、助産師などが育児支援や相談を行う訪問型の産後ケア事業を実施しておりますが、本年4月からは、新たに宿泊型による産後ケア事業を開始することにより、子育て世代への支援の充実を図ってまいります。
  次に、児童虐待防止についてでありますが、児童虐待への対策は喫緊の課題となっていることから、子ども家庭総合支援拠点を設置し、児童虐待対応の強化を図ってまいります。
  次に、保健福祉施策についてでありますが、まず、保健福祉関連施策を総合的かつ計画的に進めるため、次期「成田市総合保健福祉計画」、「第6期成田市障がい福祉計画」及び「第8期成田市介護保険事業計画」を策定してまいります。
  次に、障がい者福祉についてでありますが、重度の精神障がいのある人を、成田市重度心身障害者の医療費助成制度の対象に加え、医療費負担の軽減を図ってまいります。
  次に、介護保険事業についてでありますが、高齢者の生活支援等サービスの提供体制を構築するため、日常生活圏域における調整役を担う、第2層生活支援コーディネーターを、成田ニュータウン地区に配置し、地域に必要なサービスの創出や担い手の養成などに取り組み、地域住民や関係団体等と協働して地域の支え合いの体制づくりを推進してまいります。
  • 保育園の様子

地域文化を生かし、未来を担う心豊かな人材を育む

 3つ目は、『地域文化を生かし、未来を担う心豊かな人材を育む』についてであります。
  子どもを取り巻く環境は、少子化の進行やグローバル化、高度情報化等の進展により、社会状況及び教育環境が大きく変化し、社会性や規範意識の低下、家庭及び地域の教育力をめぐる問題など、様々な課題が生じております。
  教育は地域づくりの礎であり、地域づくりは人づくりという認識のもと、学校教育に関する施策を総合的に推進するための「輝くみらいNARITA教育プラン」に基づき、子どもたちの個々の能力を伸ばし、将来に夢と希望を持ち、自分の進むべき道を切り拓く力を育む教育を推進してまいります。また、多忙を極める教職員の負担軽減を図り、教育活動を持続的に行うことができるよう、働き方改革を進めるとともに、学校支援を充実してまいりたいと考えております。
  そのような中、小学校では本年4月、中学校では令和3年度からの新学習指導要領の完全実施に向けて、指導体制の更なる充実を図ってまいります。特に、英語教育につきましては、本年4月より小学校3年生から実施されますが、本市ではすでに全国に先駆けて、小学校1年生から系統的なカリキュラムに基づいた英語教育を行っておりますことから、今後も、これまで培った本市英語教育のノウハウを十分に生かし、英語によるコミュニケーション能力の育成を更に推進してまいります。
  次に、教育環境の充実についてでありますが、家庭の経済状況にかかわらず、すべての子どもが安心して教育を受けられるよう、児童・生徒の就学に対する各種支援を行い、保護者の教育費負担の軽減を図ってまいります。
  また、個性を生かす教育の推進につきましては、子どもたちの基礎・基本の徹底と個性・能力に応じた教育を推進するため、学校サポート教員や健康推進教員を配置し、少人数学習を中心としたきめ細かな指導体制を強化するとともに、外国人児童生徒への日本語指導を行うなど心身両面からの支援を充実してまいります。
  さらに、学校の内外で様々な困難を抱える児童・生徒が安心して学校生活を過ごせるよう、新たにスクールソーシャルワーカーを配置し、関係機関との連携を図りながら、一人ひとりの状況に応じたきめ細かな支援を行ってまいります。
  次に、学校施設整備についてでありますが、令和3年の開校を目標に進めている大栄地区の小中一貫教育校につきましては、引き続き校舎新築工事等を行ってまいります。また、施設の老朽化に対応するため、長寿命化計画の策定を進めるとともに、三里塚小学校中央棟及び増築棟の大規模改造工事を実施してまいります。さらに、平成小学校区における児童数の増加に対応するため、校舎の増築工事の基本、実施設計を行うほか、教育環境の向上を図るため、すべての中学校の特別教室に空調設備を整備してまいります。
  次に、学校給食施設整備についてでありますが、親子方式による共同調理場の整備を順次進めているところであり、新年度より美郷台小学校学校給食共同調理場の運用を開始するとともに、平成小学校に共同調理場の整備を進めてまいります。
  次に、学習ニーズが多様化する中、市民の皆様が生涯にわたり学ぶことのできる環境を推進していくため、令和3年度からの5年間を計画期間とする「第3次成田市生涯学習推進計画」を策定してまいります。
  次に、文化財の保存についてでありますが、市内6か所にある文化財倉庫の老朽化が著しいことから、閉校となった旧滑河小学校及び、旧高岡小学校の校舎を文化財保存施設として利活用するため、改修工事等を行ってまいります。
  次に文化芸術の振興についてでありますが、スポーツの祭典であると同時に文化の祭典とも言われる東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせ、事前キャンプに来成するアメリカやアイルランドにゆかりのある音楽や文化を紹介するとともに、海老蔵丈の團十郎襲名に合わせ、團十郎展を開催する他、歌舞伎講座、伊能歌舞伎や邦楽の調べなどの公演等、伝統芸能に関する催しを集中的に開催することにより、日本の文化と本市の魅力を広く発信してまいります。
  また、国際文化会館については、建替えを視野に入れながら施設の機能維持を図るため、大ホールの特定天井や空調設備等の改修に向けて実施設計を行ってまいります。
  • 教育現場の様子

空港の機能を最大限に生かし、魅力的な活気あふれる都市をつくる

 4つ目は、『空港の機能を最大限に生かし、魅力的な活気あふれる都市をつくる』についてであります。
  成田空港は、近年ではアジアを中心とした旺盛な航空需要などにより、空港利用者数は増加の一途をたどっており、東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、日本を代表する国際拠点空港としての役割が、ますます求められております。
  そのような中、成田空港の更なる機能強化に伴う夜間飛行制限の変更につきましては、昨年10月より、A滑走路において先行実施されたところでありますが、それに伴う騒音対策として、A滑走路の騒特法防止地区において、寝室への内窓設置工事の助成事業がすでに開始されております。また、B滑走路の防止地区及びA・B滑走路の防止地区に挟まれた谷間地域での内窓設置工事につきましては、新たに騒防法の第一種区域指定の告示、及び騒特法の防止地区等の都市計画変更の告示が共に行われた後、速やかに実施することとされており、引き続き、騒音地域にお住いの皆さまの生活環境の保全に取り組んでまいります。
  次に、都市計画についてでありますが、地域にとって望ましい公共交通網のマスタープランとなる「地域公共交通網形成計画」の策定に向け、引き続き取り組んでまいります。
  次に、都市基盤整備についてでありますが、成田空港の更なる機能強化や国際医療福祉大学成田病院を核とした医療関連産業の集積など、新たな開発需要や人口増加に適切に対応していくため、吉倉地区周辺において、都市機能や住環境の整備が図られるよう、新たなまちづくりの 実現に向けて、引き続き、地域の皆さまとの合意形成に努めてまいります。
  次に、道路整備についてでありますが、成田空港周辺における新たなまちづくりを見据え、圏央道や北千葉道路の整備をはじめ、県道成田小見川鹿島港線の4車線化について、国、県に対して、引き続き早期完成に向けた要望活動を行うと共に、これらの広域道路ネットワークと連携した計画的な道路整備に努めてまいります。
  次に、市道関連事業についてでありますが、「舗装修繕計画」や「橋梁長寿命化修繕計画」など、各種修繕計画に基づき計画的な修繕を行ってまいります。また、道路照明について、引き続き、消費電力の少ないLED照明へ更新してまいります。
  次に、建築行為の許認可等を行う特定行政庁への移行についてでありますが、本年4月1日から、用途・規模を問わず、全ての建築物等についての事務処理を行い、建築相談や苦情処理などにおいて地域に即した対応をすることにより、地域に密着したきめ細かい建築行政の運営を推進してまいります。
  • 航空図

活力ある産業を育て、にぎわいや活気を生み出すまちをつくる

 5つ目は、『活力ある産業を育て、にぎわいや活気を生み出すまちをつくる』についてであります。
まず、観光立市の推進についてでありますが、訪日外国人旅行者数が3千万人を超え、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、さらなる増加が見込まれております。
 本市では、これを絶好の契機と捉え、トランジット&ステイプログラム事業の充実や都市ボランティアによる観光案内を行うなど、訪日外国人旅行者の「来成」を促進します。
 また、海老蔵丈の「市川團十郎 白猿」襲名に合わせ、「成田市御案内人市川海老蔵プロジェクト」を通じた観光客誘致や「成田太鼓祭」、「成田祇園祭」、「成田伝統芸能まつり」、「成田弦まつり」といった成田の観光資源を活用した本市の魅力発信に取り組んでまいります。
 さらに、表参道の銀行跡地についてでありますが、日本遺産に認定されている江戸情緒の残る門前町にふさわしい施設の整備に向け、基本構想を策定してまいります。
 また、共生社会ホストタウンの取り組みとして、本市独自の補助制度により、市内ホテルや旅館などのバリアフリー化を積極的に推進するなど、引き続き国の内外から訪れる観光客の受け入れ環境の整備を図ってまいります。
 次に、商工業の振興についてでありますが、新年度は、中小企業の経営の安定強化や商工業の振興を目指す、新たな「成田市商工業振興計画」を策定し、本市の経済活性化に取り組んでまいります。
 また、中小企業の若手人材の確保と定着に向けた合同企業説明会や、魅力ある職場づくりの実現に向けたセミナーを開催するとともに、女性や中高年等の就職を支援する就業相談や就職支援セミナーなどを国や県と連携し実施してまいります。
 次に、農業行政についてでありますが、農業従事者の高齢化や後継者不足が進む中で、持続可能な力強い農業を実現していくために、地域農業のあり方を定めた計画である「人・農地プラン」の策定を積極的に推進し、地域農業の問題を集落で解決できるような組織の育成を図るとともに、農地中間管理機構を活用して、農地の集積と規模拡大を促進していくほか、安定生産や品質向上を図るための機械・施設の導入に対する補助や、新規就農者の就農を支援するなど、安定した農業経営に向けた取り組みを行ってまいります。
 また、農道や農業用排水路の計画的な整備を進めるとともに、多面的機能支払交付金による地域の共同活動に係る支援や、施設の老朽化対策や大規模地震に備えた耐震対策などに着手した「成田用水施設改築事業」をはじめとする土地改良事業や、排水施設の維持管理事業等に係る経費の助成を行うなど、引き続き、農業基盤整備と農地保全に取り組んでまいります。
 さらに、米の需給と価格の安定のため、需要に応じた主食用米の生産を進めるとともに、主食用米以外の麦、大豆の生産など、水田のフル活用を推進し、生産性の高い自立した水田農業の実現を図ってまいります。
 加えて、農産物の安全性を確保し、より良い農業経営の実現に向けてGAPに取り組むことの重要性や、認証制度の周知と理解を図り、卸売市場を活用した販路拡大を促進するとともに、農産物のブランド化、6次産業化に向けた取り組みに対しましても、積極的に支援してまいります。
  • 表参道の様子

市民サービスを充実させ、持続可能な自治体運営を行う

 6つ目は、『市民サービスを充実させ、持続可能な自治体運営を行う』についてであります。
昨年4月に改正された「入国管理法」施行等により、外国人住民の更なる増加が見込まれる中、多文化共生社会に向けて、本年秋には、日常生活上の相談や情報伝達について多言語で対応する、総合相談窓口を開設し、外国人住民の方々の生活支援をするとともに、多文化共生指針を策定してまいります。
 次に、広報活動についてでありますが、進化する情報化社会の中で、市政の動きや市民生活に密着した情報をいち早く提供する広報活動の重要性は、ますます高まっております。「広報なりた」をはじめ、市ホームページ、フェイスブックやインスタグラムなど、様々な媒体を活用し、利用者のニーズに合わせた情報提供に努めてまいります。
 また、全市普及を目指しております、ケーブルテレビにつきましては、騒音地域での幹線整備が完了することから、今後は、ケーブルテレビ未視聴地域の施設整備に取り組んでまいります。
 次に、窓口サービス業務の充実についてでありますが、近年のキャッシュレス決済の普及を踏まえて、住民票や課税証明書などの各種証明書発行に係る手数料や急病診療所における診療費の納付につきまして、各種電子マネーやクレジットカードでの支払いを可能とし、市民の利便性向上を図ってまいります。
 
 以上、市政に臨む私の所信の一端と、新年度の主要施策の概要を申し上げました。
 
 昨年は日本で初めてラグビーワールドカップが開催され、悲願の決勝トーナメント進出を果たした日本チームの勇敢な闘いぶりは、日本中に夢と希望を与えてくれました。
 本年も「平和の祭典」であるオリンピック・パラリンピックに出場するトップアスリート達の様々な活躍により、日本中に大きな感動、また、夢や希望を与えてくれるものと確信しております。
 本市出身のオリンピック代表選手の有力候補として、体操の橋本大輝さんや女子ボクシングの並木月海さん等のアスリートの名前が挙がっております。私も、これら選手に負けないよう、我がふるさと成田が、夢や希望に満ち溢れた輝かしい未来となるよう「住んでよし 働いてよし 訪れてよし」の次世代に誇れる空の港まち、生涯を完結できるまちづくりに向け、たゆまぬ努力と情熱により市民の皆さまのニーズや課題を的確にとらえ、既存の枠にとらわれない柔軟な発想で、将来を見据えた施策に果敢に取り組んでまいります。

 結びに、議員各位並びに市民の皆さまのご支援とご協力を重ねてお願い申し上げまして、令和2年度の施政方針といたします。
  • 市役所外観
このページに関するお問い合わせ先

企画政策部 企画政策課

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