- 大雨警報
大雨による重大な土砂災害や浸水害が発生するおそれがあると予想される場合
- 大雨注意報
大雨による土砂災害や浸水害が発生するおそれがあると予想される場合
雨の強さと降り方(単位:ミリメートル/時)
10ミリメートル/秒以上から20ミリメートル/時未満「やや強い雨」ザーザーと降る。
雨の音で話し声が良く聞き取れない。
20ミリメートル/秒以上から30ミリメートル/秒未満「強い雨」どしゃ降り。
ワイパーを速くしても見づらい。
30ミリメートル/秒以上から50ミリメートル/秒未満「激しい雨」バケツをひっくり返したような激しい雨。
道路が川のようになる。
50ミリメートル/秒以上から80ミリメートル/秒未満「非常に激しい雨」滝のように降り、あたりが水しぶきで白くなる。
傘は全く役に立たなくなる。
80ミリメートル/秒以上「猛烈な雨」息苦しくなるような圧迫感があり、恐怖を感じる雨。
線状降水帯とは
次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50から300キロメートル程度、幅20から50キロメートル程度の強い降水を伴う雨域。
記録的短時間大雨情報とは
数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨を、観測(地上の雨量計による観測)したり、解析(気象レーダーと地上の雨量計を組み合わせた分析:解析雨量)したりしたときに発表されます。
この情報が発表されたときは、土砂災害や浸水害、中小河川の洪水災害の発生につながるような猛烈な雨が降っていることを意味しており、特に崖や川の近くなど、危険な場所にいる人(土砂災害(特別)警戒区域や浸水想定区域など、災害が想定される区域にいる人)は、避難情報を確認し、発令されている避難情報に従い、直ちに適切な避難行動をとってください。
周りの状況を確認し、避難場所への避難がかえって危険な場合は、少しでも崖や沢から離れた建物や、少しでも浸水しにくい高い場所に移動するなど、身の安全を確保してください。
避難情報が発令されていなくても、今後、急激に状況が悪化するおそれもあります。
危険を感じた場合には、自ら安全な場所へ移動する判断をしてください。
台風
日本には毎年多数の台風が接近あるいは上陸し、大きな被害をもたらすことがあります。
台風の接近が予想される際は、台風情報に十分注意し、被害のないように備えることが必要です。
- 台風の大きさと強さの目安(風速15メートル/秒以上の半径)
大型(大きい)500キロメートル以上から800キロメートル未満
超大型(非常に大きい)800キロメートル以上
- 強さ:最大風速(メートル/秒)
強い:33メートル/秒以上から44メートル/秒未満
非常に強い:44メートル/秒以上から54メートル/秒未満
猛烈な:54メートル/秒以上
風の強さと吹き方(平均風速:メートル/秒)
- 「やや強い風」10メートル/秒以上から15メートル/秒未満
風に向かって歩きにくくなる。傘がさせない。
- 「強い風」15メートル/秒以上から20メートル/秒未満
風に向かって歩けなくなり、転倒する人も出る。高所での作業はきわめて危険。
- 「非常に強い風」20メートル/秒以上から30メートル/秒未満
何かにつかまっていないと立っていられない。飛来物によって負傷するおそれがある。
- 「猛烈な風」30メートル/秒以上
屋外での行動はきわめて危険。多くの樹木が倒れる。電柱や街灯で倒れるものがある。
ブロック壁で倒壊するものがある。
水害時の心得
- 安全な避難経路の確認
避難する場合の避難所までの経路(避難経路)は、あらかじめ自分たちで決めておき、安全に通行できるかを確認しましょう。
- 被害の軽減
扉の下の隙間から汚水が入ってくるので、土のうや板などで前面を囲み、タオルで隙間をふさぎましょう。
また、ポリタンクなど軽い物は事前に屋内に移しましょう。
自宅内のトイレや風呂場、洗濯機の排水口に水のう(ビニール袋に水を入れたもの)を置くと逆流を防げます。
- 避難の前に確認と呼びかけを
避難する時は、電気のブレーカーを落とし、ガスの元栓を閉め、床下の通気口などをふさぎ、戸締りを確認しましょう。
危機が迫った時には、防災行政無線や広報車などから避難の呼びかけをすることがあります。呼びかけがあった場合には速やかに近所に声を掛けながら避難しましょう。
- 地下から素早く地上へ避難する
地下空間へは水が勢いよく流れ込み、水圧でドアが開かなくなる場合もあるため、できるだけ早く地上へ避難しましょう。
- 川や用水路に近づかない
降雨が続き不安に思っても、川や用水路、田畑の用水を見に行ってはいけません。
やむを得ない場合は2人以上で行動しましょう。
河川の様子の確認は、自治体などのライブカメラ情報を活用しましょう。また、避難の途中も増水した川の近くを通るのは避けましょう。
- 避難所までの移動
風雨が激しくなる前に早めに避難しましょう。
避難することが危険な場合は、自宅または頑丈な高い建物の上階へ避難しましょう。(垂直避難)
車による避難は、渋滞に巻き込まれたり、水没する危険性があります。
特に線路などの下をくぐるアンダーパスや地下道は、洪水の際、真っ先に浸水するので、場所を把握し、迂回路を想定しておきましょう。
- 歩ける深さは約50センチメートル
洪水の場合、歩ける深さは約50センチメートルまで。水の流れが速い場合、50センチメートル以下でも危険。
危ないと判断したら、無理をせず高い場所で救助を待ちましょう。
- 危険なところには近寄らない
切れた電線のそばなど、危険な場所に近寄らないようにしましょう。
また、氾濫水には汚水が混ざっているので、さわらないように気をつけましょう。
- 動きやすい格好で
動きやすい服装で、軍手をはめ、ヘルメットがある場合はかぶり、はき物は水に浸かっても歩きやすいものを選びましょう。
レインコートは上下が分かれているタイプで目立つ色の物がよいでしょう。
- 水面下は危険です。
2人以上で避難を
浸水した場所を歩く時は、長い棒を杖がわりにして、マンホールや側溝がないか水面下の安全を確認し、2人以上での行動を心がけましょう。
浸水の深さについて
10.0メートル以上(4階床上浸水)
5.0メートルから10.0メートル未満(3階床上浸水から4階軒下浸水)
3.0メートルから5.0メートル未満(2階床上浸水から2階軒下浸水)
0.5メートルから3.0メートル未満(1階床上浸水から1階軒下浸水)
0.5メートル未満(1階床下浸水)
「外水氾濫」と「内水氾濫」
雨量の増加によってもたらされる氾濫には、川から水があふれたり堤防が決壊して起こる「外水氾濫」と、市街地の排水が間に合わず、地下水路などからあふれ出す「内水氾濫」の2タイプがあります。
- 外水氾濫
大雨の水が川に集まり、川の水かさが増し堤防を超える、あるいは堤防を決壊させて川の水が外にあふれておきる洪水。
氾濫が起きると一気に水かさが増しますので、最大の注意が必要。
- 内水氾濫
その場所に降った雨水や、周りから流れ込んできた水がはけきれず溜まって起きる洪水。
的確なタイミングで警報や避難指示等を出すのが難しいため、注意が必要。
河川の氾濫と避難情報
- 氾濫注意情報(洪水注意報) 氾濫注意水位(レベル2水位)水防団出動
- 氾濫警戒情報(洪水警報) 避難判断水位(レベル3水位)高齢者等避難
- 氾濫危険情報 氾濫危険水位(レベル4水位)避難指示
- 氾濫発生情報(氾濫が発生した場合)緊急安全確保
竜巻による災害
竜巻とはこのような現象です
- 竜巻は、発達した積乱雲に伴う強い上昇気流によって発生する激しい渦巻きです。
- ろうと状や柱状の雲を伴っています。
- 台風、寒冷前線、低気圧などに伴って発生します。
- 短時間で狭い範囲に集中して甚大な被害をもたらします。
被害は、数分から数十分で長さ数キロメートルから数十キロメートル・幅数十メートルから数百メートルの狭い範囲に集中します。
- 移動スピードが非常に速い場合があります。
過去に発生した竜巻の中には、時速約90キロメートル(秒速25メートル)で移動したものもあります。
竜巻の発生時に、よく現れる特徴
- 真っ黒い雲が近づき、周囲が急に暗くなる。
- 雷鳴が聞こえたり、雷光が見えたりする。
- ひやっとした冷たい風が吹き出す。
- 大粒の雨や「ひょう」が降り出す。
もしも「竜巻が間近に迫ってきたら」すぐに身を守るための行動をとってください。
一番良いのは、頑丈な建物の中に避難することです。
物置、車庫、プレハブ(仮設建築物)等は危険なので避ける。
屋内にいる時は・・・
- 窓や壁から離れる。大きなガラス窓の下や周囲は危険。
- 家の1階の窓のない部屋に移動する。
- 丈夫な机やテーブルの下に入るなど、身を小さくして頭を守る。
竜巻注意情報(気象庁)https://www.jma.go.jp/jp/tatsumaki/
竜巻注意情報は、積乱雲の下で発生する竜巻、ダウンバースト等による激しい突風に対して注意を呼びかける情報で、雷注意報を補足する情報として、各地の気象台等が担当地域を対象に発表します。
有効期間を発表から1時間としていますが、注意すべき状況が続く場合には、竜巻注意情報を再度発表します。
竜巻発生確度ナウキャスト(気象庁ホームページ)とは
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/toppuu/tornado3-1.html
10キロメートル四方の領域ごとに竜巻等の発生しやすさの解析結果を2段階の発生確度で表し、実況と1時間先までの予測を10分ごとに更新し、提供されています。
発生確度2
竜巻などの激しい突風が発生する可能性があり注意が必要である。
予測の適中率は7から14%程度、捕捉率は50から70%程度である。
発生確度2となっている地域に竜巻注意情報が発表される。
発生確度1
竜巻などの激しい突風が発生する可能性がある。
発生確度1以上の地域では、予測の適中率は1から7%程度であり発生確度2に比べて低くなるが、捕捉率は80%程度であり見逃しが少ない。
発生確度1や2となっている地域に比べると可能性は低いですが、発生確度が現れていない地域でも積乱雲が発生している場合には、竜巻などの激しい突風が発生することがありますので、注意が必要です。
雷による災害
雷とはこのような現象です
雷は、大気中で大量の正負の電荷分離が起こり、放電する現象です。
放電する際に発生する音が雷鳴で、光が電光です。
雲と地上の間で発生する放電を対地放電(落雷)といい、雲の中や雲と雲の間などで発生する放電を雲放電といいます。
雷ナウキャスト(気象庁ホームページ)とは
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/toppuu/thunder2-1.html
雷の激しさや雷の可能性を1キロメートル格子単位で解析し、その1時間後(10分から60分先)までの予測を行うもので、10分毎に更新して提供されています。
雷の解析は、雷監視システムによる雷放電の検知及びレーダー観測などを基にして活動度1から4で表されています。
予測については、雷雲の移動方向に移動させるとともに、雷雲の盛衰の傾向も考慮されています。
雷ナウキャストの利用と留意点
雷監視システムは全ての雷を捉えられるわけではありません。
雷鳴が聞こえるなど雷雲が近づく様子があるときは、速やかに安全な場所へ避難してください。
また、活動度の出ていない地域でも、急に雷雲が発達することもありますので、天気の急変には注意する必要があります。
雷から身を守るには
雷鳴が聞こえたらすぐ避難、建物や車の中へ避難
雷ナウキャストの見方
雷の激しさを表すために活動度1から4に分けていますが、活動度2以上では落雷の危険が迫っている状況ですので、活動度2から4では直ちに身の安全確保の行動をとる必要があります。
特に、活動度2は雷が発生していてもまだ活発に感じない状況か、落雷が発生する直前という段階なので気を許しがちとなりますが、この段階で行動をとることが被害を軽減させるのに大切です。
雷の状況
活動度4 激しい雷 落雷が多数発生している。
活動度3 やや激しい雷 落雷がある。
活動度2 雷あり 電光が見えたり雷鳴が聞こえる。 落雷の可能性が高くなっている。
- 屋外にいる人は落雷の危険があるため、建物や車の中へ移動するなど、安全確保に努める。
- 屋内にいる人は外出を控える。
- パソコンなど家電製品の電源を切り、コンセントを抜く。
- 工場の生産ラインなどリスクの大きい場所では、作業の中止や自家発電への切替などの対応をとる。
活動度1 雷可能性あり 現在、雷は発生していないが、今後落雷の可能性がある。
今後の雷ナウキャストや空の状況に注意する。
活動度1から4になっていない地域でも、積乱雲が急速に発達して落雷する場合がある。
土砂災害の種類
突発的に発生し、すさまじい破壊力で一瞬にして多くの生命や財産を奪ってしまう土砂災害は、大きく3種類に分けることができます。
- がけ崩れ
集中豪雨や地震などにより地盤が緩み、抵抗力の低下や浮石の抜け出しが生じて瞬時に斜面が崩れ落ちる現象。
突発的に起こり、崩れ落ちるスピードが速いため、人家の近くで起きると逃げ遅れる人も多く、死者の割合が高い。
- 地すべり
比較的緩やかな斜面において、地中の滑りやすい層(粘土・泥岩などを含む地層)の地盤が地下水の影響などを受けて、ゆっくりと動き出す現象。
一度に広い範囲が動くため、ひとたび発生すると人家、道路、田畑などに大きな被害を及ぼしたり、川をせき止めて洪水等を引き起こす原因になることもある。
- 土石流
渓流に貯まった土砂が、長雨や集中豪雨などによって一気に下流へ押し流される現象。
時速20キロメートルから40キロメートルと自動車なみの速度で流れ、破壊力がとても大きいため、人家や田畑を押し流し大きな被害をもたらす。
土砂災害から身を守るために
土砂災害の危険が迫ったときには、すばやく避難することが大切です。
いつもと違う大雨が降っているときには、避難準備をし、いつでも避難できるようにしてください。
以下のような事象はすでに土砂が流れ出ている可能性がありますので、垂直避難など命を守るための避難を開始してください。
がけ崩れの前兆現象
- がけにひび割れができる。
- 小石がパラパラと落ちてくる。
- がけから水が湧き出る。
- 湧き水が止まる。
- 湧き水が濁る。
- 地鳴りがする。
地すべりの前兆現象
- 地面がひび割れたり陥没したりする。
- がけや斜面から水が噴き出す。
- 井戸や沢の水が濁る。
- 地鳴り・山鳴りがする。
- 建物や樹木が傾く。
- 亀裂や段差が発生する。
土石流の前兆現象
- 山鳴りがする。
- 急に川の水が濁り、流木が混ざり始める。
- 腐った土の匂いがする。
- 雨が降り続いているのに川の水位が下がる。
- 立木がさける音や石がぶつかり合う音が聞こえる。
土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域
土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域は、土砂災害防止法に基づき、都道府県が指定しています。(土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律)
- 土砂災害警戒区域(通称:イエローゾーン)
土砂災害が発生した場合に、住民等の生命または身体に危害が生ずるおそれがあると認められる区域。危険の周知、警戒避難体制の整備が行われます。
- 土砂災害特別警戒区域(通称:レッドゾーン)
土砂災害が発生した場合に、建築物に損壊が生じ住民等の生命または身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる区域。
特定の開発行為に対する許可制、建築物の構造規制等が行われます。
避難行動のポイント
- 上記の土砂災害の前兆現象に注意し、すぐに避難する。
- 土石流やがけ崩れの起こる方向に対して横方向に避難((1)水平避難)する。
- 大雨の中など外へ避難を行うのが危険と感じる時は、自宅2階以上の山の反対側の部屋や堅固な建物の上階へ避難((2)垂直避難)することも考慮する。
- 土砂災害警戒情報が発表された場合は、すぐに避難する。
- 記録的短時間大雨情報が発表された場合は、早めに避難する。