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更新日:2017年3月31日

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平成29年施政方針(平成29年3月定例市議会)

 平成29年3月定例市議会の開会に当たり、平成29年度の施政方針と所信の一端を申し上げ、議員各位、並びに市民の皆さまのご支援とご協力をお願い申し上げる次第であります。

 私は平成19年1月の市長就任以来、次世代に誇れる空の港まち、生涯を完結できるまちづくりに向けて、常に全力投球で市政運営に取り組んでまいりました。

 今年は就任から11年目となり、3期目の折り返し地点を迎えましたが、昨年は、本市の未来を決定づける大きな転機となった年であったと感じております。
 一つ目は就任以来の公約でもあり、念願でもありました高等教育機関の開学が昨年4月に実現しました。国際医療福祉大学成田看護学部、成田保健医療学部が開学し、地域医療体制の充実に向け動き始めました。
 また、8月には、国家戦略特区による医学部設置が文部科学省より正式に認められ、わが国の医学部としては、東日本大震災復興の特例を除くと38年ぶり、首都圏では実に43年ぶりのことで、日本の歴史にも刻まれる大きな一歩であったと思います。
 二つ目は、卸売市場の再整備であります。開設以来43年が経過し、老朽化と耐震強度に問題のある現市場の建て替えに際し、近代的な時代にあった市場にするとともに農林水産物の輸出拠点機能を有する市場として再出発すべく、取り組むこととなりました。輸出拠点機能には、成田空港、東関道、圏央道などの充実した交通ネットワークの利点を最大限活用できる立地と必要十分な面積との観点から、8月に千葉県花植木センター跡地を候補地とし、移転再整備に向け大きく舵を切りました。
 三つ目は、成田空港の機能強化であります。9月末には、成田空港の四者協議会が開催され、成田国際空港株式会社より第3滑走路の建設、B滑走路の延伸、夜間飛行制限の緩和など、空港のさらなる機能強化策が提案されました。
 成田空港のさらなる機能強化は、国際競争力の強化や空港利用者の利便性向上につながるだけでなく、空港周辺地域への新たな企業進出などが期待でき、地域経済の発展にも大きな効果をもたらすものであります。
 しかしながら、その一方で空港の機能強化に伴う発着回数の増加、夜間の飛行騒音、航空機からの落下物など、騒音地域に住む皆さまの生活環境への影響が懸念され、騒音地域の説明会において、厳しいご意見をいただいております。私は常々、空港のさらなる機能強化と環境対策、地域振興策は一体的に取り組まなければならないと訴えてまいりました。そのためにも、今後も騒音地域の皆さまと真摯に向き合って丁寧な話し合いを重ね、合意形成を図ってまいりたいと考えております。
 成田空港とともに発展してきた本市にとりまして、これらの施策は、空港があるまちだからこそ取り組める最大の地方創生であり、空港を擁する本市の強みや特性を最大限に引き出していくことこそが、成田市発展につながるものと考えます。
 そのためにも、各施策にスピード感をもって取り組むとともに、観光、スポーツ、文化を一体的に所掌するシティプロモーション部を新設し、成田の魅力を積極的に発信することに全力で取り組んでまいります。
 新年度にあたり、成田の輝かしい未来の実現に向けて、市政の各分野で山積する諸課題に、果敢に取り組んでまいる覚悟であります。

 さて、我が国の経済は、安倍政権のもとで、円安や株高、有効求人倍率の上昇、倒産数の減少など、回復傾向にあるものの、未だデフレ脱却には至っておりません。引き続き「経済再生なくして財政健全化なし」を基本として、「未来への投資を実現する経済対策」を取りまとめるなど、成長と財政健全化の取り組みを強化し、名目GDP600兆円経済の実現と平成32年度の財政健全化目標の達成の双方の実現を目指しています。
 本市の財政は、財政力指数をはじめとした各種財政指標からも、全国的に屈指の高い財政力を有し、財政の健全性は引き続き保たれているものの、子育て支援施策の拡充や高齢化の進行に伴い、扶助費など社会保障費の伸びが見込まれるとともに、市勢の発展に伴い整備拡充してきた道路、橋りょう、学校などの公共施設の老朽化が進行し、施設の長寿命化と計画的な更新が求められています。
 新年度の予算編成においては、本市の持続的発展を図るため、成田市総合計画「NARITAみらいプラン」で掲げた「若者や子育て世代に魅力のあるまちづくり」、「医療・福祉の充実したまちづくり」、「空港と共に発展するまちづくり」という3つの方向に基づき、将来を見据えた施策を推進してまいります。
 あわせて、健全財政を維持するため、行政改革推進計画を確実に実践し、行財政の無駄を省くとともに、より一層の経費節減に努め、事務事業の「選択と集中」を基本に、一般会計では、対前年度比1.8パーセント減の608億円、水道事業会計を含む特別会計を加えた全体では1.3パーセント増の約923億円の予算を編成したところであります。
 以下、「NARITAみらいプラン」に掲げた6つの基本方向に沿って、新年度の主な基本施策の概要について申し上げます。
  • 施政方針演説をする小泉市長
  • 成田空港の航空写真

安全・安心でうるおいのある生活環境をつくる

 1番目は、『安全・安心でうるおいのある生活環境をつくる』についてであります。

 昨年4月に発生した熊本地震をはじめ、東日本大震災や過去の大規模災害では、市町村の庁舎が被災し、電気や通信機器の使用不能等により、行政機能に支障をきたした事例が見受けられたところであります。
 このようなことを踏まえ、災害時に市役所自体が被災した場合でも、優先的に実施すべき業務の特定や、執行体制と対応手順等をあらかじめ整えるため、「災害時業務継続計画」を策定し、災害対応能力の向上を図ってまいります。
 また、大規模災害において、同時に被災する可能性が低い、遠隔地の自治体との災害時相互応援体制を推進し、来る3月18日には、LCCで空の隣町となった、北海道函館市及び大阪府泉佐野市と3市による協定を締結してまいります。
 さらに、多様化する災害への対応を踏まえ、老朽化した三里塚消防署庁舎の建替えを行い市南部地域における防災拠点の機能強化を図るとともに、支援車及び水槽付消防ポンプ自動車を整備し、消防力の充実強化を図ります。また、救急体制では、高規格救急自動車を更新整備するとともに、応急手当の普及促進を図り、救命率の向上に努めてまいります。なお、地域防災の要である消防団につきましては、新たに女性消防団員を採用し消防団活動の強化を図ります。
次に、地域の安全対策でありますが、第3次成田市防犯まちづくり推進計画に基づき、犯罪抑止重点地区を中心に防犯カメラの設置をするほか各種防犯パトロールを実施するとともに、犯罪発生状況の情報発信を行うなど犯罪抑止に努めてまいります。
 次に、成田空港を擁する本市としては、空港周辺地域における生活環境の保全に努め、騒音地域においても安心して暮らせるよう航空機の騒音対策を実施してまいります。
 次に、住宅関係施策についてでありますが、建築物の耐震化対策として、木造の戸建て住宅を対象に耐震相談会や耐震診断などの支援を行っておりますが、新たに非木造住宅やマンションなどについても耐震診断等の支援をしてまいります。また、市営住宅につきましては、UR賃貸住宅を借り上げて転貸することにより、老朽化により解体した市営住宅の戸数を補い、住宅に困窮する方の住宅確保に努めてまいります。
 次に、市道関連施策についてでありますが、これまで実施した道路施設の点検調査に基づく修繕計画を策定し、良好な道路環境の保持に努めます。
 次に、環境施策についてでありますが、めまぐるしく変化する昨今の環境動向を踏まえ、新たな環境基本計画を策定し、地球温暖化防止対策を含む環境保全施策を総合的かつ計画的に推進してまいります。
 次に、いずみ聖地公園拡張整備事業につきましては、芝生墓地を望む市民の需要に応えるため、普通墓地として整備予定の509基を芝生墓地に変更して整備を進めてまいります。また、新清掃工場関連付帯施設整備事業につきましては、用地買収などの遅れから完成年度に変更を生じております。関係者の理解を得るべく、鋭意努力し、早期完成に向けて取り組んでまいります。
 次に、ごみ減量化対策につきましては、清掃工場の適切な運転管理を図るためにも喫緊の課題であります。そのためにも、従来からの補助制度を継続実施するとともに、ごみ分別区分の周知やリサイクル運動団体の育成、加入促進、さらには、3010運動の推進など、地道な努力を重ねるとともに、新たな一般廃棄物処理基本計画を策定し、さらなるごみの減量化及び再資源化に取り組んでまいります。
 次に、動物愛護にかかる施策としましては、飼い主のいない猫に対する不妊手術及び去勢手術費補助金制度を新たに創設することにより、飼い主のいない猫の増加を抑制し、市民の良好な生活環境の保全を図るとともに、印旛地域獣医師会と協定を結ぶことにより、災害時のペットの救護についても取り組んでまいります。
 次に、市民生活に欠くことのできない水道事業ですが、厚生労働省より、平成27年度末の全国水道事業の耐震化状況が公表されました。水源から浄水場までの導水管や浄水場から配水場に水を送るための送水管等の基幹管路の本市の耐震化率は80.9パ-セントと高く、千葉県内の水道事業では1位、全国でも4番目と上位にあります。
 今後も、災害に強い水道事業に積極的に取り組んでいくとともに、将来の水需要に対応していくため、新年度は並木町配水場の改修工事に着手してまいります。
 次に、公共下水道事業では、地震対策として根木名川中継ポンプ場の耐震補強工事の実施及び浸水対策として本三里塚地区と土屋、寺台地区の雨水整備工事を実施するとともに、新たに地区計画として都市計画決定された国際医療福祉大学医学部附属病院地区の下水道整備工事を実施してまいります。
  • 災害訓練をする成田市消防団員の様子

健康で笑顔あふれ、共に支え合う社会をつくる

 2番目は、『健康で笑顔あふれ、共に支え合う社会をつくる』についてであります。

 少子高齢化が進むなか、保育園の待機児童対策が全国的な課題となっており、国では「待機児童解消加速化プラン」により、平成25年度から平成29年度末までの5年間で、新たに50万人分の保育の受け皿を確保することを目標に取り組んでおります。
 本市におきましても、子育て世代が安心して子どもを産み育てられる環境整備の推進が必要不可欠であり、一昨年3月に策定した「子ども子育て支援事業計画」に基づき、各種事業を推進しているところであります。
 本年の4月から6月にかけて、認可保育園2園と本市初となる「認定こども園」2園が新設され、さらに、小規模保育事業所2カ所の新設や家庭的保育事業の実施などにより、あわせて400名以上の児童の受け皿が新たに確保されることから、待機児童の解消に向けて大きく前進するものと期待しております。
 また、同じく全国的な課題となっている保育士不足への対応についてでありますが、保育士の復職支援のため、保育士の子どもの保育園への優先入所を制度化したことに加え、新たに私立保育園の保育士給与の上乗せ補助をする「なりた手当」の創設や宿舎の借り上げ支援、さらには、業務負担軽減に向けた勤務体制の整備など、保育士の確保策や処遇改善を積極的に進め保育士の確保に努めてまいります。
 次に、定員拡充と保育環境の改善のため、継続して実施している公立保育園の大規模改修工事においては、「吾妻保育園」の改修工事が完了した後に、「玉造保育園」の改修工事に着手し、定員増を図ってまいります。
 次に、児童ホームについてでありますが、本年4月には「久住第二児童ホーム」を開設するとともに、本城児童ホームの増設工事や豊住児童ホームの整備、橋賀台児童ホームの実施設計などを行い、放課後における留守家庭児童の健全育成を支援してまいります。
 次に、病児病後児保育施設については、既存の1施設に加え、本年4月に成田病院内において、新たな施設を開設し、さらに、平成29年度中に成田ニュータウン内においても病児保育室の開設に向け取り組み、安心して子育てができる環境の整備に努めてまいります。
 次に、平成28年度に策定した「成田市健康増進計画」は、すべての市民が生涯を通じて心身ともに健康で生活できるための基本となる計画でありますので、各種健康づくり施策を進め市民の健康増進に努めてまいります。
 また、超高齢化社会に向け、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らせるよう「第7期介護保険事業計画」を策定し、新たに公園の遊具を使った健康教室などを開催することにより、高齢者の健康増進や介護予防に取り組める地域づくりを進めてまいります。
 障がい者施策では、障がいのある人も住みなれた地域で安心して暮らせるよう「第5期障がい福祉計画」を策定し、障がいがある人の自立支援のためのサ-ビスを身近な地域で提供するとともに、特に重症心身障がい者及び障がい児の介護負担を軽減するため、短期入所施設への支援体制を整備するなど、在宅サービスの充実を図ってまいります。
  • 病児保育園の建物の外観画像

地域文化を生かし、未来を担う心豊かな人材を育む

 3番目は、『地域文化を生かし、未来を担う心豊かな人材を育む』についてであります。

 子どもを取り巻く環境は、少子高齢化の進行やグローバル化、高度情報化等の進展により、社会状況及び教育環境が大きく変化し、社会性や規範意識の低下、家庭及び地域の教育力をめぐる問題など、様々な課題が生じております。
 教育は地域づくりの礎であり、地域づくりは人づくりの認識のもと、学校教育に関する施策を総合的に推進するための「輝くみらいNARITA教育プラン」において、子どもたち個々の能力を伸ばし、将来に夢と希望を持ち、自分の進むべき道を切り拓く力を育む教育を推進してまいります。
 そのようななか、本市が全国に先駆けて取り組んできた児童生徒の英語教育は、様々な調査において、全国に誇れる成果を出しており、今後も、これまで培った本市英語教育のノウハウを十分に活かし、英語によるコミュニケーション能力の育成をさらに推進してまいります。
 また、本市では、教育支援センターを設置し、通所する不登校児童生徒の学校復帰の支援をしてまいりました。今後も、一人ひとりの多様な課題に対して継続して支援を行うために、家庭訪問型の支援を推進してまいります。
 次に、教員の多忙化により、子どもたちと向き合う時間や教員同士が相互に授業展開等を検討する時間の確保が困難になってきているなか、教員の校務負担を軽減するべく、新年度より校務支援システムを導入し、教育の質の向上及び学校運営の改善を図ってまいります。
 また、本年4月には「下総みどり学園」を義務教育学校に移行し、より円滑に小中一貫教育を実施できる環境を整えていくとともに、その教育活動の成果を踏まえ、各中学校区において、きめ細かで系統的、継続的な一貫性のある、小中連携教育を一層推進してまいります。
 次に、学校、家庭、地域が一体となった教育体制についてでありますが、地域住民が学校支援ボランティアとして参画する「学校支援地域本部事業」の取り組みを、新年度から8学校区に拡大し、引き続き地域とともに歩む学校づくりを進めてまいります。
 
 次に、学校施設整備についてでありますが、平成33年度の開校を目標に、大栄地区5校の統合小学校と中学校を一体型校舎として建設するため、グラウンドの整備に着手いたします。また、児童生徒数の増加に対応するため久住中学校の増築工事を実施するほか、本城小学校増築工事の基本、実施設計を行ってまいります。さらに、豊住小学校の大規模改造工事を実施するとともに、市内小中学校のトイレの洋式化率は県内で上位に入っておりますが、小学校に続き中学校の洋式化を積極的に実施してまいります。
 次に、学校給食についてでありますが、今後も地元産の食材を活用し、栄養豊かでバランスのとれた安全安心な給食を提供するとともに、給食レストランを各調理場で開催し、保護者や地域の皆さまに学校給食への理解を深めていただけるよう努めてまいります。
 また、学校給食施設整備につきましては、引き続き親子方式の共同調理場の整備について検討してまいります。
 次に、生涯学習の推進についてでありますが、「明治大学・成田社会人大学」や「生涯大学院」などの充実を図り、市民の皆さまが生涯にわたり生きがいをもって主体的に学べるよう、支援してまいります。また、「成田わくわくひろば」や「家庭教育学級」の開催などにより、学校、家庭、地域が一体となって青少年の健全育成に努めてまいります。
さらに、文化芸術センタースカイタウンホールなどを活用した様々なイベントを始め、「市民文化祭」や市役所のロビーなどを利用した「ふれあいコンサート」の開催など、文化芸術の発展と振興に努めてまいります。
 次に、生涯スポーツの振興についてでありますが、中台運動公園体育館アリーナの空調設備工事に着手し、快適なスポーツ環境の整備に努めるほか、旧豊住中学校の跡地利活用として「豊住ふれあい健康館」をオープンし、市民一人ひとりの健康づくり及び生きがいづくりに対する支援を行うなど、市民のスポーツ・レクリエーション活動の推進に努めてまいります。
 次に、公民館についてでありますが、大栄公民館において、ホールの空調設備や舞台機構等の改修を引き続き行うとともに、各公民館のトイレ洋式化工事などを実施し、施設環境の整備を進めてまいります。
  • 外国人教師と学生が会話をしている様子

空港の機能を最大限に生かし、魅力的な活気あふれる都市をつくる

 4番目は、『空港の機能を最大限に生かし、魅力的な活気あふれる都市をつくる』についてであります。

 成田空港の平成28年の運用実績は、航空機の年間発着回数が約24万3千回、旅客数約3905万人、貨物量約208万トンであり、乗り入れ都市については、海外107都市110路線、国内線では、17都市18路線で結ばれております。
 成田空港の機能強化は、今後も増大すると見込まれる首都圏やアジアの航空需要に応えることが可能となるだけでなく、成田空港への人や物の流れがさらに活発になることで、空港周辺地域への新たな企業の進出が期待でき、地域の活性化や雇用の場の拡大など、地域経済の発展はもとより、観光立国日本のために、是非とも実現すべき課題であると考えております。
 一方、本市も含めて各市町で開催されている成田空港の更なる機能強化に関する住民説明会では、特に夜間飛行制限の緩和について、住民からの厳しいご意見をいただいております。
 本年1月20日の空港圏協議会において、今後とも、各市町において住民説明会を実施し、丁寧な説明を行うとともに、住民の意見や要望を伺い、双方向で意見を交わしながら合意形成を図っていくことの必要性と、各市町の住民説明会の進捗状況を踏まえ、必要に応じて協議会として、関係機関への要望等を実施するなど、今後とも成田空港の機能強化について、住民の皆様のご理解をいただくべく、最大の努力を傾注してまいりたいと考えております。

 また、昨年5月に、2020年東京オリンピック・パラリンピックにおけるアメリカ陸上チームの事前キャンプの受け入れを、千葉県をはじめ成田市、佐倉市、印西市、順天堂大学で行うことが決定しております。さらに、2018年に千葉県を舞台として日本で開かれる世界女子ソフトボール選手権大会では、本市が会場地の一つとなります。これらは、国際空港から近距離であり、充実した交通アクセスと豊富な宿泊施設を擁する環境が評価されたものと認識しております。
 また、2019年に開催されるラグビーワールドカップ日本大会の公認チームキャンプ地に立候補するとともに、その直前に行われる事前キャンプの受け入れを目指し、昨年はフィジー及びトンガへの誘致活動を行いました。
 今後は、受け入れに向けた態勢を整えるとともに、引き続き、空港を活用したスポーツツーリズムの推進に努めてまいります。
 次に、本年4月に国際医療福祉大学医学部が開学いたします。引き続き千葉県の協力をいただきながら市として適切な補助を行うとともに、附属病院の開設に向けて、用地の取得や造成など、必要な手続きを進めてまいります。また、地域貢献や協働事業についての方策などについても、引き続き大学と協議してまいります。
 次に、都市計画についてでありますが、都市計画マスタープランで定める理念や目標を共有し、将来都市構造等を実現化するための具体的な計画として、「立地適正化計画」を策定します。
 また、表参道の整備につきましては、昨年4月に認定されました日本遺産の主要な構成要件の街なみであることから、さらなる門前町の特徴を生かした景観形成を図るため、車道を石畳風の舗装に改修してまいります。
 次に、公園事業についてでありますが、都市公園の整備にあたりましては、幼児から高齢者まで幅広い年齢層に配慮するとともに、多様なニーズへの対応が求められております。本年7月には、大谷津運動公園内に、若者に人気のスケートボードパークの供用を開始します。また、近年、少子高齢化や核家族化などの社会情勢を背景に、犬を家族の一員として受け入れる方が増えていることから、人と犬とが共に安らげる場を提供するため、新たにドッグランの整備を進めてまいります。
 次に、道路整備についてでありますが、大学医学部附属病院地区と周辺地域の円滑な連絡を促すため、新たな幹線道路の検討を進めるとともに、既存の県道機能を補完するため、西三里塚大清水線第2工区の整備を進めてまいります。なお、都市計画道路の整備につきましては、国道などの主要な幹線道路とネットワークを形成するため、引き続き、ニュータウン中央線の整備を推進してまいります。
  • アメリカ陸上チームの選手にサインを求める青年たちの様子

活力ある産業を育て、にぎわいや活気を生み出すまちをつくる

 5番目は、『活力ある産業を育て、にぎわいや活気を生み出すまちをつくる』についてであります。

 まず、観光立市の推進についてでありますが、訪日外国人旅行者数が初めて2千万人を超え、東京オリンピック、パラリンピック開催に向け外国人旅行者のさらなる増加が見込まれます。本市では、平成30年の成田山開基1080年祭に向け、地域と一体となったPR活動や記念行事を実施するほか、昨年、千葉県で初めて認定された「日本遺産」をしっかりとPRするとともに、引き続き「成田市御案内人市川海老蔵プロジェクト」や「成田伝統芸能まつり」といった日本の伝統芸能や文化を活用した本市の魅力発信に努めてまいります。さらに、安心して観光ができるよう、新たに多言語での観光や災害情報配信アプリの運用を開始するなど、国際観光都市としてふさわしい環境整備を図り、国内外から訪れる観光客の皆様に、これまで以上に「訪れてよし」と満足していただける観光行政を実施してまいります。
 次に、商工業の振興についてでありますが、中小企業は地域経済の活性化と雇用の創出に大きな役割を果たしており、本市の発展にとっても、中小企業の活躍は重要であります。現在、中小企業資金融資制度による資金調達と負担軽減を図る利子補給により支援を行っておりますが、本年4月から日本政策金融公庫が融資をする「小規模事業者経営改善資金」と「新創業融資制度」に対する利子補給を新たに加えることにより、より一層、中小企業の経営支援をしてまいります。
 また、市内の中小企業において、若い世代の人材確保が容易な状況ではなく、人材不足が懸念されております。生産性の向上や将来の事業継続のためには、若い人材の確保と定着が必要であることから、企業と学生をマッチングさせるための合同説明会や企業向けの人材確保に向けたセミナーの開催により、中小企業の若手人材確保を支援してまいります。
 次に、農業行政についてでありますが、持続可能な力強い農業を実現するためには、基本となる人と農地の問題を一体的に解決していく必要があることから、地域農業のあり方を地域で定める計画として「人、農地プラン」の策定を積極的に推進していくとともに、農地中間管理事業の活用や農地利用集積円滑化団体等と連携して、農地の集積と規模拡大を促進してまいります。
 また、生産性向上のための機械施設の導入に対する支援、新規就農者などの担い手の確保育成、農道や農業用排水路の計画的な整備など、引き続き、農業経営基盤の強化に努めてまいります。
 加えて、地元農家の方々が中心となって運営している農産物直売所につきましても、引き続き支援とPRに努め、生産者の顔が見える農産物販売により地産地消を推進するとともに、体験農業を通じた都市と農村との交流や、農産物のブランド化、6次産業化に向けた取り組みに対しましても、積極的に支援してまいります。
 次に、卸売市場についてでありますが、輸出拠点機能を持つ市場と合わせて、市民の皆さまや空港を利用する国内外のお客さまに、買い物や日本の食を楽しんでいただけるような集客エリアも整備してまいります。新年度は、用地の取得や新生成田市場の基本設計、実施設計を中心に、積極的に事業を進めてまいります
  • 成田伝統芸能まつりでの舞台の様子

市民サービスを充実させ、持続可能な自治体運営を行う

 6番目は、『市民サービスを充実させ、持続可能な自治体運営を行う』についてであります。

 市民生活を取り巻く環境が多様化、複雑化しているなか、今後も持続可能なまちづくりを進めていくには、市民ニーズの市政への的確な反映と、市民によるまちづくりへの積極的な関与が一層重要になってまいります。そこで、市長への手紙や市政モニター制度をはじめとした市民の意見や情報の把握と、市民向けワークショップなどによる市民参画の機会を拡充してまいります。
 次に、広報活動についてでありますが、広報なりた、市ホームページ、スマートフォンに対応する行政情報など、より閲覧し易く便利になるよう整備してまいります。
 また、ケーブルテレビについてでありますが、全市普及を視野に、まずは騒音地域において、視聴エリア拡大に向けて取組んでまいります。
 次に、市勢の発展に伴い整備拡充してきた公共施設等の管理についてでありますが、平成28年度策定の「公共施設等総合管理計画」に基づき、長期的な視点で、公共施設等の長寿命化及び全体最適化を図りながら、将来の更新等費用の抑制に努めてまいります。

 以上、市政に臨む私の所信の一端と、新年度の主要施策の概要を申し上げました。

 昨年末、大隅 良典 東京工業大学栄誉教授がノーベル生理学医学賞を受賞しました。生理学医学賞の単独受賞は利根川進さん以来29年ぶり、日本のノーベル賞受賞者は3年連続、25人目となります。
 大隅教授はこの28年間、一貫して細胞の「自食作用=オートファジー」の研究に取り組んできました。大隅教授が昭和63年に研究を始めた頃、オートファジーは誰からも注目されず、研究している人はほとんどいなかったそうです。それでも、自分の知的な興味に基づき、生命の基本単位である細胞がいかに動的な存在であるかということに興味を持ち、人がやらないことをやろうという思いから酵母の液胞の研究を始めました。
 今ではオートファジーは、がんやアルツハイマーなどの様々な病気に関係しているのではないかと言われ、多くの研究者がその解明に向け日夜努力しています。
 大隅教授は、「科学サイエンスにはゴールがない。何かが分かったら必ず次に新しい疑問が湧いてくる」と言っています。
まちづくりも、社会の変化とそれに伴う市民ニーズに対応していくなかで、常に新たな課題に取り組むなど、ゴールはありません。
 大隅教授の思いは、成田市政を預かる私にも通ずることだと感じております。
 医学部の開学、輸出拠点機能を持った卸売市場、成田空港の機能強化などの施策は、世界に通ずるまち成田だからこそ取り組めることです。
 私は、本市のポテンシャルを最大限に生かし、これからの成田を担う子どもたちが誇りを持てる、未来を見据えた施策に果敢に取り組んでまいります。

 結びに、議員各位並びに市民の皆さまのご支援とご協力を重ねてお願い申し上げまして、平成29年度の施政方針といたします。
  • 成田市のまちづくりでの建設現場の様子
このページに関するお問い合わせ先

企画政策部 秘書課

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ファクス番号:0476-24-0062

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