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更新日:2018年4月4日

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平成30年施政方針(平成30年3月定例市議会)

 平成30年3月定例市議会の開会に当たり、平成30年度の施政方針と所信の一端を申し上げ、議員各位、並びに市民の皆さまのご支援とご協力をお願い申し上げる次第であります。
 
 私()は平成19年1月の市長就任以来、次世代に誇れる空の港まち、生涯を完結できるまちづくりに向けて、常に全力投球で市政運営に取り組んでまいりました。
 今年は就任から12年目となり、3期目の総仕上げの年となります。引き続き市民ニーズを的確に捉えた施策()を実践し、未来を見据えた次世代に誇れるまちづくりを進めてまいります。
 昨年を振り返ってみますと、医学部としては38年ぶりに国際医療福祉大学医学部が4月に開学し、9月には、附属病院である「国際医療福祉大学成田病院」の建設工事が2020年の開院を目指して着工されました。642の病床と39の診療科を備えた病院が開院されることにより、市民の皆さまが安心して先進的かつ高度な医療を身近に受診できるようになることは、超高齢社会に対応した安心なまちづくりが実現できるものと確信しております。
 空港関係では、成田空港の航空旅客数が10億人を達成し、また、昨年の航空旅客数は4,068万7千人と最高値を更新しています。本市にとりましても、成田空港はまちづくりの中核となる大きな財産でありますことから、より一層の観光客誘致と、成田空港のさらなる機能強化策を推進していく必要があると感じております。その一方で機能強化に伴う環境対策や地域振興策は一体的に取り組まなければならないとの考えから、騒音地域にお住まいの皆さまの意見を伺いながら進めてまいりました。
 次に、卸売市場の移転再整備事業では、空港隣接地に移転用地を購入し、基本設計、実施設計に着手したところであります。成田空港、東関道・圏央道など充実した交通ネットワークを最大限に活用し、農水産物の効率的な輸出を可能とする日本初のワンストップ輸出拠点機能を有する新生()成田()市場()として、2020年の開場に向けスタートしたところであります。
 そして、11月には「ゆるキャラグランプリ2017」で「うなりくん」が念願であったグランプリを獲得し、ゆるキャラの頂点に立つことができました。「うなりくん」を応援してくださった皆さまには改めまして深く感謝申し上げます。今後も成田市特別観光大使として本市の魅力を大いにPRしてまいります。 
 このように、昨年は本市の将来にとっても節目となるような事業がスタートするとともに、本市のイメージアップにつながる様々な出来事がありました。
 民間のシンクタンクが行った千葉県内の将来人口予測では、人口減少が続く中、2045年まで人口増加が期待できるのは本市だけという予測が出ています。
 本市が今後も持続的に発展していくために、新たに12年間にわたる都市計画マスタープラン及び立地適正化計画を策定し、将来のまちづくりに向けての構想を立案したところであり、新たな都市基盤整備を検討していかなければならないと考えております。
 本年は明治維新からちょうど150年となります。近代国家として国をつくりあげてきた先人たちに思いをはせ、本市発展のため、そして、成田の輝かしい未来の実現に向けて、市政の各分野で山積()する諸課題に、果敢に取り組んでまいる覚悟であります。
 
 さて、我が国の経済は、5年間のアベノミクスの取り組みにより、企業収益や雇用が大きく改善し、名目GDPは過去最高の水準に達しましたが、賃金の上昇が緩やかであることから、個人消費は、やや力強さに欠ける状況であり、政府は、働き方改革と技術革新による生産性の向上への取り組みを進めながら、投資の増加や雇用、所得環境などのさらなる改善を図ることで、経済の好循環の拡大につなげようとしております。
 本市の財政は、空港関連税収を背景として、全国有数の財政力を有し、各種財政指標からも判断されるように財政の健全性が維持されているものの、人口減少社会、超高齢社会の到来などにより、扶助費をはじめとする義務的経費の増大、公共施設の長寿命化・老朽化対策等、より一層の効率的な財政運営が求められているところであります。
 そのような中、新年度の予算編成においては、本市の持続的な発展を見据え、成田市総合計画「NARITAみらいプラン」で掲げた「若者や子育て世代に魅力のあるまちづくり」、「医療・福祉の充実したまちづくり」、「空港と共に発展するまちづくり」という3つの方向性に基づく施策()を着実に推進していくため、行政改革推進計画の確実な実践により、一層の経費節減を図るとともに、限られた財源を効率的かつ効果的に配分し、一般会計では、対前年度比3パーセント減の590億円、水道事業会計を含む特別会計を加えた全体では2.6パーセント減の約899億円の予算を編成したところであります。
 
 それでは、新年度の本市における主要な施策()の概要について申し上げます。
 まず、成田空港の機能強化についてでありますが、国、千葉県、空港会社から機能強化に係る見直し案や新たな提案が示された昨年6月の四者協議会以降、空港周辺市町()では、2巡目となる住民説明会を約100回開催し、延べ約3,000 人の方に参加をいただきました。説明会では、騒特法による移転対象区域の集落分断の解消が図られ評価する声がある一方、引き続き夜間飛行制限の緩和に関する意見、また、2本の滑走路に挟まれた地域からは内窓などの追加防音工事の対象区域の拡大に関する要望などもいただいたことから、空港周辺9市町()で、本年1月末に「夜間飛行制限緩和案の改善」、「夜間飛行制限緩和に伴う騒音対策の拡充」、「騒防法・騒特法による区域設定への対応」、「移転用地確保への協力」、「具体的な地域振興策の推進」、「周辺対策交付金の充実」を求める6項目の再要望書を取りまとめ、国、県、空港会社へ提出し、2月19日に、その回答をいただいたところであります。
 今後も、成田空港のさらなる機能強化については、一人でも多くの騒音地域の皆さまの理解が得られるよう、空港周辺市町()と連携しながら、関係機関との協議を進めてまいります。
 次に、卸売市場()の移転再整備事業についてでありますが、従来の市場()機能に加え、衛生管理の整った加工施設や日本初のワンストップ輸出拠点機能を有する高機能物流拠点施設を新たに整備し、さらに情報発信拠点として、空港滑走路に隣接する特色を生かし、消費拡大に結び付くインバウンド需要の獲得と新たな観光拠点としての役割を目指した集客施設棟を民設にて整備するなど、新たな付加価値を備え、将来を見据えた卸売()市場()として、2020年の開場に向け推進してまいります。
 次に、昨年38年ぶりに実現した医学部の開学、そして附属病院の開院は周辺市町()からも大いに期待されているところであります。医学部校舎については2期棟の建設工事が完了し、3月末までには備品等の設置も終わり、平成30年度は1,000人を超える学生が成田で学ぶことになります。学生たちには市内福祉施設でのボランティア活動等、保健医療、介護福祉分野において様々な貢献をいただいております。民間のシンクタンクの推計では、本市が推計した経済効果の1.6倍の1,679億円の効果があると試算しておりますが、大学の開設は経済効果だけでなく様々な効果が見込まれており、本市と大学との連携に積極的に取り組むとともに、附属病院の開院に向けて協力をしてまいります。
 次に、スポーツの振興についてでありますが、昨年7月には、北総地区初となる「スケートボードパーク」が大谷津運動公園内にオープンしました。さらに、平成30年度には、本市のスポーツ拠点施設である中台運動公園の体育館及び水泳プールの改修を行うとともに、大谷津運動公園野球場の再開に向けた施設整備を行うなど、スポーツ環境の整備を推進してまいります。
 また、本年8月には、世界女子ソフトボール選手権大会が本市をはじめ千葉県内各地を会場に開催されるほか、2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックにおける、キャンプ受け入れに向けた態勢を整えるなど、引き続きスポーツツーリズムの推進に取り組むとともに、各種大会、教室の開催を通じて市民の皆さまのスポーツ、レクリエーション活動の推進に努めてまいります。
  • 施政方針演説をする小泉市長

安全・安心でうるおいのある生活環境をつくる

 続きまして、「NARITAみらいプラン」に掲げた6つの基本方向に沿って、主な基本施策()の概要について申し上げます。
 
 1番目は、『安全・安心でうるおいのある生活環境をつくる』についてであります。
 まず、防災対策についてでありますが、東日本大震災以降、熊本地震などの大規模地震や、集中豪雨による浸水害や土砂災害など、全国各地で様々な災害が発生していることから、これらの災害の教訓を踏まえ、本年度修正しました「成田市地域防災計画」に基づき、様々な減災対策を総合的に推進し、災害に強いまちづくりを進めてまいります。
 また、災害時には、市民に対して災害情報等を迅速に伝達することが重要となりますことから、情報伝達に要する時間の短縮が可能となるJアラートの新型受信機を導入し、さらなる情報伝達体制の整備に努めてまいります。
 次に、消防体制についてでありますが、市南部地域における防災拠点の機能強化を図るため建て替えを進めておりました三里塚消防署庁舎の運用を本年6月に開始するほか、高度救助隊発足に向け救助工作車及び高度救助用資機材を更新整備し、消防力の充実強化を図ってまいります。また、救急体制では、高度な救命処置を適確に行うためビデオ喉頭鏡()を救急車へ配備するとともに、救命講習の一層の普及促進に努め、消防団につきましては、引き続き団員の確保、機能強化に努めてまいります。
 次に、住宅関係事業についてでありますが、本年度策定する「成田市空家()対策計画」に基づき、市内に存在する空き家に関する情報を提供する「空き家バンク」を創設し、空き家の利活用を促進するとともに、住生活環境の保全に努めてまいります。
 次に、市道関連事業についてでありますが、通行者などの安全を確保するため、「舗装修繕計画」に基づき修繕工事を計画的に実施するとともに、標識などの道路施設の修繕についても、点検結果に基づく計画を策定し、良好な道路環境の保全に努めてまいります。
 次に、環境対策についてでありますが、平成30年度は「成田市環境基本計画」「成田市一般廃棄物処理基本計画」「成田市環境保全率先実行計画」の3つの計画の初年度となりますことから、これらの計画に基づく各種施策()を着実に推進してまいります。
  まず、地球温暖化防止対策として、住宅用太陽光発電システム設置への補助などを継続するとともに、家庭における雨水()の生活用水としての再利用を促進し、雨水()の集中的な流出の抑制や水質汚濁の防止を図るため、新たに雨水()貯留施設の設置に対し補助を行います。
 次に、いずみ聖地公園拡張整備についてでありますが、芝生墓地を望む市民の需要に応えるため、普通墓地として整備予定の509基を芝生墓地に変更して整備するとともに、法面崩壊対策工事を実施してまいります。また、新清掃工場関連付帯施設の整備につきましては、早期完成に向けて取り組んでまいります。
 次に、ごみ減量化対策についてでありますが、清掃工場の適切な運転管理を図るためにも本市にとってごみの減量化は喫緊の課題であります。ごみ分別区分の周知やリサイクル運動団体の育成、加入促進、さらには、30()10()運動の推進など、地道な努力を重ねるほか、新たな一般廃棄物処理基本計画に基づき、さらなるごみの減量化及び再資源化に取り組んでまいります。また、「災害廃棄物処理計画」を策定し、非常災害時にも対応できる廃棄物処理体制の整備を図ってまいります。
 次に、八富成田斎場についてでありますが、斎場施設の機能低下を防止し適正な管理を図るため、長寿命化計画を策定してまいります。また、更新時期を迎えた火葬炉の交換工事を進めるほか、お通夜の際に宿泊される方の利便性の向上を図るため、斎場内にシャワー室を設置してまいります。
 次に、水道事業についてでありますが、水道施設の強靭化()を図るため、管路耐震化工事を積極的に進めるとともに、基幹配水場()である並木町配水場の耐震性能を向上させるため、配水池()の更新に着手いたします。また、国際医療福祉大学成田病院地区への配水管等の整備を進めてまいります。
 次に、公共下水道事業についてでありますが、飯仲、宗吾地区及び畑ケ田地区の汚水整備を実施するとともに、近年の局所的豪雨により道路冠水被害が発生している寺台、土屋地区及び大清水地区の雨水()整備を実施してまいります。
 
  • 上空から見たJR成田駅西口周辺

健康で笑顔あふれ、共に支え合う社会をつくる

 2番目は、『健康で笑顔あふれ、共に支え合う社会をつくる』についてであります。

 保育園の待機児童対策が全国的な課題となっている中、国では「子育て安心プラン」により、平成30年度から3年をかけて待機児童解消に必要な約22万人分、さらに2023年までに女性就業率80パーセントに対応した約10万人分の保育の受け皿を整備することを目標に取り組んでおります。
 本市におきましても、子育て世代が安心して子どもを産み育てられる環境整備の推進が必要不可欠であり、「成田市子ども・子育て支援事業計画」に基づき各種事業に取り組むとともに、次期計画の策定に向けたニーズ量調査などを進めてまいります。
 昨年は、認可保育園2園、そして幼児教育と保育の二つの機能を兼ね備えた本市初となる認定こども園2園が新設されたほか、小規模保育事業所2箇所の新設や家庭的保育事業の新たな実施などにより、保育の受け皿の拡大を図り、7月1日には国の基準に基づく待機児童「ゼロ」を達成いたしました。しかしながら、待機児童には含まれない入所待ち児童がおりますことから、保育を必要とするすべての児童に保育サービスを提供できるよう取り組んでまいります。
 さらに、保育士不足への対応といたしましても、私立保育園に対する保育士給与の上乗せ補助の拡充や、保育士の業務負担を軽減し離職防止に向けた保育補助者の雇用に対する支援、地域型保育事業所の安定した運営に対する支援など、保育環境の充実を図ってまいります。
 次に、公立保育園の大規模改修工事についてでありますが、現在、玉造保育園の改修工事を進めており、完了後には40名の定員増を図るとともに、新たに一時保育を実施してまいります。また、改修工事の際に代替保育園として運営しております赤坂保育園につきましては、増加する保育需要に対応するため、ニュータウン内の保育園改修工事が終了した後も、当面の間、存続することとし、保育室及び衛生設備の一部改修を行ってまいります。
 次に、児童ホームについてでありますが、本年4月には、豊住小学校内に豊住児童ホームを開設いたします。さらに、橋賀台児童ホームの建設工事を進め、児童ホームの定員の拡充や環境の向上を図り、放課後における留守家庭児童の健全育成を支援してまいります。
 次に、病児・病後児保育施設についてでありますが、既存の2施設に加え、本年4月の成田ニュータウン内における新たな病児保育施設の開設に向けて取り組んでおり、安心して子育てができる環境の整備を進めてまいります。
 次に、母子保健についてでありますが、妊娠期から子育て期にわたる切れ目ない支援を行う「子育て世代包括支援センター」を、本年4月に保健福祉館内に設置し、母子健康手帳交付の際に、すべての妊婦に対し保健師等による面談を行うなど、子育てしやすい環境づくりに努めてまいります。
 次に、高齢者福祉についてでありますが、在宅の独居高齢者の新たな見守り支援として、郵便局の「みまもりでんわサービス」を導入いたします。また、高齢者の外出を支援するためのオンデマンド交通実証実験につきましては、運行台数をこれまでの6台から1台増車し、7台とすることで利便性の向上に努めてまいります。
 超高齢社会を迎えた今、在宅医療と介護サービスの両方を必要とする高齢者の増加が見込まれております。高齢者がいつまでも住み慣れた地域で自分らしく、いきいきと暮らし続けることができるよう、在宅医療と介護サービスを一体的に提供できる体制を構築するため、本年4月に「在宅医療、介護連携支援センター」を設置します。また、高齢者の総合相談窓口である「地域包括支援センター」につきましては、地域包括ケア体制構築の基盤となる日常生活圏域の再編成を行い、同センターの増設と機能強化を図ってまいります。
 さらに、認知症の初期段階の方が速やかに適切な医療、介護等が受けられるよう「認知症初期集中支援チーム」を設置し、認知症の方と家族介護者の支援を進めてまいります。
 次に、障がい者福祉についてでありますが、障がいのある方の就労支援として、市役所内に設置している「チャレンジドオフィスなりた」での雇用枠を拡大するとともに、支援経験者の配置により支援の質の向上を図り、民間企業等への一般就労に向けて取り組んでまいります。
 次に、地域医療対策についてでありますが、成田赤十字病院が行う医療機器の整備につきましては、地域の中核病院として市民に提供する医療の質を高め、疾病の早期発見、早期治療に有効であることから、その経費の一部を負担することで、安全で安心な地域医療の確保に努めてまいります。
 次に、骨髄移植ドナー支援についてでありますが、骨髄等を提供したドナーと国内の事業所においてそのドナーを雇用する事業者に対して、助成金を交付することにより、骨髄等を提供しやすい環境を整備し、骨髄等の移植の推進とドナー候補者の登録の推進を図ってまいります。
 次に、国民健康保険制度についてでありますが、本年4月から、今までの市町村単位での運営から県単位への広域化が図られ、医療保険制度をより持続可能なものとするための改革が行われます。本市としては、県の示す標準保険料と市の保険税に大きなかい()がありますが、市民の負担増に配慮し、保険税率は据え置きとするとともに、より一層の医療費の適正化、保健事業の充実に取り組んでまいります。
 
  • 子供の笑顔

地域文化を生かし、未来を担う心豊かな人材を育む

 3番目は、『地域文化を生かし、未来を担う心豊かな人材を育む』についてであります。

 子どもを取り巻く環境は、少子化の進行やグローバル化、高度情報化等の進展により、社会状況及び教育環境が大きく変化し、社会性や規範意識の低下、家庭及び地域の教育力をめぐる問題など、様々な課題が生じております。
 教育は地域づくりの()であり、地域づくりは人づくりの認識のもと、学校教育に関する施策()を総合的に推進するための「輝くみらいNARITA教育プラン」に基づき、子どもたち個々の能力を伸ばし、将来に夢と希望を持ち、自分の進むべき道を切り()く力を育む教育を推進してまいります。一方で、多忙を極める教職員の負担軽減を図るべく、部活動のあり方を含め、働き方改革について検討を進めるとともに、学校支援を充実してまいりたいと考えております。
 そのような中、本市が全国に先駆けて取り組んできた児童生徒の英語教育は、2020年から全国でも小学校3年生から始まります。今後も、これまで培った本市英語教育のノウハウを十分に生かし、英語によるコミュニケーション能力の育成をさらに推進してまいります。
 また、教育センターにおいては、特別支援教育のさらなる充実を図るため、就学相談を行う学校適応専門指導員や学校に対して特別支援教育に関する指導、助言を行う巡回指導員の配置に加え、巡回看護師を増員し、児童生徒の状況に応じた支援に努めてまいります。
 次に、よりよい学校教育環境づくりについてでありますが、児童生徒の就学に対する各種支援を行い、義務教育の円滑な実施を図るとともに、学校の抱える様々な問題に対し、各分野の専門家からなるチームでの相談体制により、解決に向けた支援を行ってまいります。
 また、学校、家庭、地域が一体となって、地域ぐるみで子どもを育む体制づくりにつきましては、地域住民が学校支援ボランティアとして参画する「学校支援地域本部事業」の取り組みを順次拡大し、引き続き地域とともに歩む学校づくりを進めてまいります。
 次に、学校施設整備についてでありますが、2021年の開校を目標に、大栄地区5校の統合小学校と中学校を一体型校舎として建設するため、引き続きグラウンドの整備や校舎建設地の造成工事などを行ってまいります。また、児童数の増加に対応するため、本城小学校の増築工事を実施してまいります。さらに、橋賀台小学校の大規模改造工事を実施するとともに、引き続き中学校のトイレ洋式化を積極的に進めてまいります。
 次に、学校給食施設についてでありますが、温かい給食の提供やアレルギー対応を可能とするため、親子方式による共同調理場の整備を進めているところであり、新たに美郷台小学校の敷地内に共同調理場の整備を進めてまいります。
 次に、生涯学習の推進についてでありますが、「明治大学・成田社会人大学」、「生涯大学院」、「高等学校等開放講座」などを開催し、市民の皆さまが生涯にわたり生きがいをもって主体的に学べるよう、支援してまいります。また、「放課後子ども教室」、「成田わくわくひろば」、「家庭教育学級」などを実施し、学校、家庭、地域が一体となって青少年の健全育成に努めてまいります。
 次に、公民館についてでありますが、大栄公民館において、建物北側の外壁改修工事を実施するとともに、各公民館のトイレ洋式化工事を引き続き実施し、施設環境の整備を進めてまいります。
 次に、図書館についてでありますが、約100万冊の豊富な蔵書と公津の杜分館及び14箇所の公民館図書室等からなるサービス網により、市民の読書活動を支援するとともに、図書館システムを更新し、利便性の向上を図ってまいります。
 次に、文化芸術の振興についてでありますが、開館から3年目を迎える文化芸術センターでは、引き続き本市の特性を生かした魅力ある鑑賞事業を開催してまいります。また、観光や産業、国際交流などとの連携を視野に入れた「文化芸術推進基本計画」を策定し、文化芸術振興施策()を総合的かつ計画的に推進するとともに、文化芸術を活用した成田の魅力発信に積極的に努めてまいります。
  • 外国人英語講師と英語で談笑

空港の機能を最大限に生かし、魅力的な活気あふれる都市をつくる

 4番目は、『空港の機能を最大限に生かし、魅力的な活気あふれる都市をつくる』についてであります。

 成田空港の平成29年の運用実績は、航空機の年間発着回数が約25万2千回、旅客数約4,068万7千人、貨物量約226万トンであり、乗り入れ都市については、海外110都市113路線、国内線では、18都市19路線と結ばれております。
 現在、国においては、訪日外国人旅客数を2020年に4,000万人、2030年には6,000万人にする目標を掲げるなど、観光を我が国の基幹産業と位置付けた成長戦略を打ち出し、受け入れ環境の整備を積極的に推進しております。
 本市においては、本年、成田空港開港40周年を迎え、また、2020年には、東京オリンピック・パラリンピック開催のほか、国際医療福祉大学成田病院の開院、さらには空港や圏央道の交通網を生かした、農水産物の輸出拠点機能を有する新生()成田()市場()の開場が予定されており、国際都市、観光都市の二面を有する本市が、国際的な医療拠点、日本の食文化の情報発信地としてさらなる飛躍を遂げるものと考えております。
 このような中、成田空港の機能強化や医療関連産業の集積など、新たな開発需要や人口増加に適切に対応していくための都市機能や住環境の整備、大学病院と連携した新たな都市基盤整備に向けて基本調査を実施してまいります。
 次に、都市計画についてでありますが、まちづくりと連携した持続可能な地域公共交通ネットワークの形成を図るため、「地域公共交通網形成計画」の策定に取り組みます。
 次に、公園整備についてでありますが、公園施設のバリアフリー化や安全性を確保するための計画的な改修を行うとともに、本年7月には、ウイング土屋地先の広沼()街区()公園において、人と犬とがともに安らげる場として、ドッグランの供用を開始いたします。
 次に、道路整備についてでありますが、成田空港をはじめ、国際医療福祉大学成田病院や卸売()市場()の整備効果を最大限に生かすべく、国、県に対し圏央道や県道成田小見川鹿島港線の4車線化の早期完成などを要望するとともに、西三里塚大清水線をはじめとする市内幹線道路の計画的な整備に努めてまいります。また、都市計画道路のニュータウン中央線につきましては、成田北高校前交差点から県道成田安食線バイパスまでの延長900メートルの区間について、平成17年度から事業を進めてまいりましたが、平成30年度中には開通できる見通しとなりました。引き続き整備を推進してまいります。
 また、道路照明につきましては、防犯灯と併せ、低消費電力のLED照明に更新することにより、低炭素化及び水銀などの有害資材を用いない環境に配慮した設備とするため、事前調査を実施してまいります。
 
  • たくさんの旅行客が行き交う成田空港

活力ある産業を育て、にぎわいや活気を生み出すまちをつくる

 5番目は、『活力ある産業を育て、にぎわいや活気を生み出すまちをつくる』についてであります。

 まず、観光立市の推進についてでありますが、訪日外国人旅行者数が過去最高を更新し、今後も、さらなる増加が見込まれます。本市では本年、成田山新勝寺が開基1080年を迎え、「市川海老蔵丈によるお練り」や「市民大提灯行列」など、地域と一体となった記念行事を実施するほか、引き続き「成田市御案内人市川海老蔵プロジェクト」や「成田太鼓祭」、「成田祇園祭」、「成田伝統芸能まつり」、「成田弦まつり」といった日本の伝統芸能や文化を活用した本市の魅力発信に努めてまいります。
 また、「ゆるキャラグランプリ2017」で念願であったグランプリを獲得した「うなりくん」は現在、様々なマスメディアからも引く手あまたの状況であります。今後とも「うなりくん」を最大限に活用した観光PRを行い、観光客の誘致を図り、これまで以上に「訪れてよし」と満足していただける観光行政を実施してまいります。
 本年3月には、本市の魅力をさらに全国に向けて発信するため、全国どこでも利用できる「うなりくんWAON()カード」を発行し、さらなる観光振興と地域経済の活性化を図ってまいります。
 さらに、マイナンバーカードを活用し、クレジットカード会社のポイントや航空会社のマイレージ等を地域経済応援ポイントとして合算して、成田の地域産品等を購入できるサイト「めいぶつチョイス」を立ち上げ、地域の消費拡大と成田ブランドの推進に取り組んでまいります。
 次に、自動車の成田ナンバーの図柄入りプレートについてでありますが、航空機のシルエットと、交付される7市町()を虹色の航跡()で表現し、「飛行機が飛ぶ街」をイメージしたデザインに決まりました。今後、国土交通省による視認性などの審査を経て、本年10月頃から交付が始まる予定であります。
 次に、商工業の振興についてでありますが、若い人材の確保と定着に向け、市内中小企業と学生をマッチングさせるための合同企業説明会や魅力ある職場づくりの実現に向けたセミナーを開催することにより、中小企業の若手人材確保を支援するとともに、求職者の雇用機会の拡大と就業条件の向上を図り、就業、再就業を支援するため、資格取得を目指した各種講習会を開催してまいります。
 また、本市の産業の中核を担う中小企業の活動を支援する中小企業資金融資制度を拡充するとともに、本市の強みである成田空港と東関道や圏央道などの充実した交通網を生かして、雇用や設備投資等の高い付加価値を創出し、地域の事業者に対する経済波及効果を及ぼす地域経済を牽引する事業を推進するため、地域未来投資促進法に基づく基本計画を策定し、本市の地域経済の活性化に取り組んでまいります。
 次に、農業行政についてでありますが、国による米の生産数量目標の配分は平成30年産以降廃止されますが、米の需要量は減少傾向にあることから、需給バランスと価格の安定のため需要に応じた米生産に対する取り組みを支援してまいります。
 また、持続可能な力強い農業を実現するためには、基本となる人と農地の問題を一体的に解決していく必要があることから、地域農業のあり方を定めた計画として「人、農地プラン」の策定を積極的に推進していくとともに、農地中間管理事業の活用や農地利用集積円滑化団体等と連携して、農地の集積と規模拡大を促進していくほか、生産性向上のための機械、施設の導入に対する支援、新規就農者などの担い手の確保と育成、老朽化した排水機場の更新、農道や農業用排水路の計画的な整備など、引き続き、農業経営基盤の強化に努めてまいります。
 加えて、卸売()市場()の輸出拠点化を推進するため、農業者に対し輸出先の需要者から求められるグローバルGAP()などの認証制度の周知と理解促進を図るとともに、農産物のブランド化、6次産業化に向けた取り組みに対しましても、積極的に支援してまいります。
  • ゆるキャラグランプリの優勝を報告
  • ソフトボールの試合の様子

市民サービスを充実させ、持続可能な自治体運営を行う

 6番目は、『市民サービスを充実させ、持続可能な自治体運営を行う』についてであります。

 近年、個人志向の高まりや価値観の多様化により、地域コミュニティの希薄化が懸念される中、市民主導でまちづくりに取り組む地域力の醸成が必要とされております。
 このため、区、自治会、町内会など地域団体の活動を支援するとともに、コミュニティ施設の利用促進を図ってまいります。また、閉校となった旧中郷小学校校舎を新たなコミュニティ拠点施設として整備してまいります。
 次に、広報活動についてでありますが、広報なりた、市ホームページ、SNS()などの様々な媒体を活用し、利用者のニーズに合わせた情報提供に努めるとともに、ケーブルテレビにつきましては、引き続き、騒音地域において、視聴エリア拡大に向けて取り組んでまいります。

 以上、市政に臨む私の所信の一端と、新年度の主要施策()の概要を申し上げました。

 昨年12月5日、羽生()善治()棋聖が若手棋士の台頭が目立つ中、竜王戦で竜王に返り咲き、すでに永世称号資格を得ている6つのタイトルと合わせて前人未到の「永世七冠」の偉業を達成しました。そして、多くの国民に夢と感動を、社会に明るい希望と勇気を与えたことにより、将棋界で初となる国民栄誉賞が授与されました。
 羽生さんは、7月の棋聖戦タイトル獲得後のインタビューにおいて、「非常に強くて勢いのある若者がたくさん出てきたことで、大きな刺激になっており、これからも自分の将棋に新しい感覚を取り入れながらやっていきたい」と語っていました。
 近年、戦術が大きく変わってきた将棋界において、20年以上にわたり常にタイトルを保持し、今回、竜王位を獲得し、「永世七冠」の偉業を達成できたことは、長きにわたる たゆまぬ努力・精進、そして将棋への情熱と常に新しい発想や感覚を取り入れてきた賜物であると思われます。
 市政を預かる私も「住んでよし 働いてよし 訪れてよし」の次世代に誇れる空の港まち、生涯を完結できるまちづくりに向け、たゆまぬ努力と情熱により市民の皆さまのニーズや課題を的確にとらえ、既存の枠にとらわれない柔軟な発想により本市のポテンシャルを最大限に生かし、これからの成田を担う子どもたちが誇りを持てる、未来を見据えた施策()に果敢に取り組んでまいります。

 結びに、議員各位並びに市民の皆さまのご支援とご協力を重ねてお願い申し上げまして、平成30年度の施政方針といたします。
 
このページに関するお問い合わせ先

企画政策部 企画政策課

所在地:〒286-8585 千葉県成田市花崎町760番地(市役所行政棟3階)

電話番号:0476-20-1500

ファクス番号:0476-24-1006

メールアドレス:kikaku@city.narita.chiba.jp