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更新日:2016年4月19日

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平成28年施政方針(平成28年3月定例市議会)

 平成28年3月定例市議会の開会に当たり、平成28年度の施政方針と所信の一端を申し上げ、議員各位、並びに市民の皆さまのご支援とご協力をお願い申し上げる次第であります。

 私は平成19年1月の市長就任以来、次世代に誇れる空の港まち、生涯を完結できるまちづくりに向けて、常に全力投球で市政運営に取り組んでまいりました。

 3期目のスタートとなった昨年を振り返ってみますと、「新たな挑戦」をキーワードに市政運営に取り組んできたところであり、成田市が新たなステージに入った1年だったと感じております。
 まず、4月に、成田空港にLCC専用の第3旅客ターミナルがオープンしたのを皮切りに、6月には圏央道と東関道が大栄ジャンクションで結ばれたことにより、本市と北関東方面とのアクセスも飛躍的に向上し、成田空港そして圏央道の利用者が順調に増加しています。7月には市川海老蔵丈を成田市御案内人に任命するとともに、JR成田駅前にオープンした文化芸術センター内のスカイタウンホールでのこけら落とし公演では延年の舞を披露していただきました。今後も様々なジャンルの催しや展覧会などを開催し、本市の新たな文化芸術の発信拠点となるよう取り組んでまいります。
 そしてなんと言っても本市にとって大きな出来事といえば、第3滑走路をはじめとする成田空港の機能強化について四者協議会がスタートしたこと、1979年以来認められてこなかった医学部の新設がこの成田の地に認められたことであります。これら二つの事業は人口減少社会、そして世界でいまだ経験したことのない超高齢化社会を迎える中で、本市が持続的に発展していくうえで欠かすことのできない、是非とも実現しなければならない事業であると確信するものであります。
 少子高齢化社会に備え、地域の活力を見い出していくため、大学を核として若者を呼び込み、地域に活力を与え、大学との連携により生涯を通じて学ぶことのできるまちづくりや子育て世代、高齢者が安心して生活できる地域医療体制の充実は急務であります。そして、空港の機能強化は、当然、騒音地域にお住いの皆様に十分な配慮をしながら旺盛な航空需要に応えていくためにも、アジアの空港間競争に成田空港が勝ち残るためにも必要であります。
 また、これらの事業は、地域経済の発展、雇用の拡大、医療福祉の充実、社会的文化的効果等、計り知れない様々な恩恵を本市にもたらすものであり、最大の地方創生であると考えております。本年は、まさにこれらをスピード感をもって着実に前進、進展させていかなければならず、何卒、議員各位のご理解をお願いするものであります。
 さて、平成28年度は次期総合計画の初年度であります。
 その基本構想においては、私(わたくし)の市政運営の基本でもあります「住んでよし 働いてよし 訪れてよしの生涯を完結できる空の港まち なりた」を「将来都市像」に据えました。そして、その実現にあたっての「まちづくりの基本姿勢」として、「若者や子育て世代に魅力のあるまちづくり」「医療・福祉の充実したまちづくり」「空港と共に発展するまちづくり」という3つの基本姿勢を掲げ、未来を見据えた、「次世代に誇れるまちづくり」を推進していくこととしており、未来志向の思いを込めまして、「成田市総合計画『NARITAみらいプラン』」という、親しみやすい名称といたしました。
 今後も、「NARITAみらいプラン」を基本として、市民ニーズを的確に捉えつつ、未来を見据えた施策(しさく)を実践していく中で、本市の魅力を高め、市民の皆様に引き続き住み続けたいと思っていただけるまちづくりを着実に進めます。
 市民一人ひとりが成田の輝かしい未来を感じられるよう、市政の各分野で山積する諸課題に真正面から取り組んでいく覚悟であります。
 さて、我が国の経済は、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を柱とする経済財政政策の推進により、企業収益が拡大し賃金上昇や雇用拡大につながり、個人消費を中心に内需が主導する形で回復し、1990年代のバブル経済の崩壊以来、およそ四半世紀ぶりとなる良好な経済状況がみられるようになりました。こうした状況もあり、平成27年度の国・地方の基礎的財政収支の赤字幅を対GDP比で半減させるという目標も達成される見通しとなるなど、国の財政状況も健全化が進みつつあります。一方、本市の財政についても、歳入では、雇用・所得環境の改善が続くなかで、緩やかな景気回復に向かうことが期待されることから、市民税、固定資産税など市税は堅調な推移が見込まれます。
 歳出面では、扶助費、公債費といった義務的経費や、道路、橋りょう、学校などの公共施設の維持・更新経費の増大が見込まれるほか、医学部の開学、少子高齢化対策、空港と周辺地域の継続的な発展と騒音対策の充実、スポーツツーリズムの推進など、本市が取り組むべき課題が山積していることから、無駄のない行政サービスと、最小のコストで最大の効果を上げることを基本方針とする行政経営を行う必要があります。
 こうしたことから、新年度の予算編成においては、平成28年度を初年度とする「NARITAみらいプラン」の方向性に沿った事業を中心に、選択と集中による、限られた財源を効率的かつ効果的に配分することとします。
 より一層の経費節減に努めることはもとより、経済活力の創出及び地方創生につながる施策(しさく)を積極的に進めることで、これまで構築してきた健全な財政基盤を維持しながら、本市が将来にわたり持続的に発展を続けていくことを主眼に置き、一般会計では、対前年度比1.3パーセント増の619億円、水道事業会計を含む特別会計を加えた全体では1.6パーセント増の912億円余(よ)の予算を編成したところであります。
 以下、「NARITAみらいプラン」の基本構想に掲げた6つの基本方向に沿って、新年度の主な基本施策の概要について申し上げます。
  • 施政方針演説をする小泉市長
  • 整備されたJR成田駅前の様子

安全・安心でうるおいのある生活環境をつくる

 1番目は、『安全・安心でうるおいのある生活環境をつくる』についてであります。

 昨年は、全国各地で台風や豪雨が頻発した一年でした。「平成27年9月の関東・東北豪雨」では、関東と東北で記録的な大雨となり、茨城県常総市において、鬼怒川の堤防が決壊するなど、甚大な被害が発生いたしました。
 このような自然災害から、被害を最小限にとどめるためには、地域防災力の強化が必要不可欠であります。東日本大震災や大雨による土砂災害などの教訓を生かすとともに、指定避難所機能の充実強化等を図るための地域防災計画の見直しに向け、防災アセスメント調査を実施いたします。 また、台風等による崖崩れから、市民の生命及び財産を守るため、急傾斜地崩壊対策事業及び崖地整備費補助事業による崖地対策を推進してまいります。さらに、大規模な災害等への対応を踏まえ、老朽化した三里塚消防署庁舎の建て替えを行い、市南部地域における防災拠点としての機能強化を図るとともに、大栄消防署下総分署の水槽付消防ポンプ自動車を更新整備し、消防体制の充実強化を図ります。そして、救急体制においては、高規格救急車を更新整備するとともに、応急手当技術の普及促進を図り、救命率の向上に努めてまいります。
 次に、地域の防災体制につきましては、高齢者や障がい者など災害時に支援を要する方々を対象とした「避難行動要支援者名簿」を作成し、区や自治会、民生委員などの避難支援等関係者に情報を提供するなど、災害時の支援体制の整備に努めてまいります。また、地域の安全対策では、青色回転灯を装着した防犯パトロール車に「動く防犯カメラ」としてドライブレコーダーを設置するなど、第3次成田市防犯まちづくり推進計画に基づき、各種施策を推進してまいります。
 次に、全国的な問題となっている空き家対策につきましては、昨年全面施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、空き家全般に関する施策を総合的かつ計画的に推進してまいります。
 また、生活道路で幅員が4メートル未満の、いわゆる狭あい道路における安全の確保や災害時の避難の妨げなどを解消するため、新年度より、建築基準法の規定に基づき後退した用地を道路として整備する「狭あい道路拡幅整備事業」を実施してまいります。
 次に、成田空港を擁する本市としては、空港周辺地域における生活環境の保全に努め、騒音地域においても安心して暮らせるよう航空機の騒音対策を実施してまいります。
 次に、環境政策についてでありますが、地球温暖化防止対策として、住宅用太陽光発電システム設置への補助などを継続することにより、CO2の削減に取り組むとともに、地域エネルギー会社への出資を行い、エネルギーの地産地消を進めてまいります。
 次に、新清掃工場関連付帯施設の整備についてでありますが、成田富里いずみ清掃工場から発生する余熱を有効に利用する温浴施設や多目的広場などの整備を進めてまいります。
 次に、環境保全対策についてでありますが、不法投棄防止対策として、各地域の不法投棄監視員による監視活動とともに、環境保全指導員・環境保全巡視員などによるパトロールを行ってまいります。さらに、不法投棄が多発している場所には監視カメラを設置するなど、今後とも不法投棄防止に努めてまいります。
 次に、生活排水による公共用水域の水質汚濁防止対策についてでありますが、合併処理浄化槽の設置費補助金制度や維持管理費補助金制度により、適正な整備と維持管理の促進に努めてまいります。
  • 地域での防災訓練の様子

健康で笑顔あふれ、共に支え合う社会をつくる

 2番目は、『健康で笑顔あふれ、共に支え合う社会をつくる』についてであります。

 今日では、ライフスタイルや価値観の多様化、社会経済情勢の変化などに伴い、少子化が進行しております。また、地域コミュニティの希薄化などにより、子育てへの不安感や孤立感を抱いている子育て家庭も多くなってきております。 こうした中、仕事をしながらも安心して子どもを産み育てられるとともに、子どもが健やかに成長できるよう、社会全体で子育てを支えていくことが重要です。
 本市ではこれらのことを踏まえ、昨年3月に策定した「子ども・子育て支援事業計画」に基づき、各種事業に取り組んでいるところであります。 新年度につきましては、公立保育園の大規模改修により定員拡大と保育環境の向上を図るため、「吾妻保育園」の工事に着手いたします。また、本市初となる株式会社による認可保育園の新設に加え、幼児教育と保育の二つの機能を兼ね備えた「認定こども園」2園の新設に対して補助金を交付するとともに、きめ細やかな運営支援により、待機児童の解消を目指してまいります。
 次に、保育園等を利用するすべての子どもの健やかな成長を支援するため、低所得により生計が困難な家庭の保護者が支払うべき日用品、文房具などの購入に要する費用または行事への参加に要する費用などの一部を補助してまいります。
 次に、児童ホームについてでありますが、本年4月には、「三里塚第二児童ホーム」及び「吾妻第三児童ホーム」を開設いたします。さらに、「久住児童ホーム」の増築工事及び「本城児童ホーム」増設のための実施設計を行い、定員の拡大を図るとともに、放課後における留守家庭児童の健全育成の充実を図ってまいります。
 次に、超高齢化社会を目前にしている今、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせる地域づくりの推進と要支援者のニーズに合った介護予防・生活支援サービスの構築を早期に進めるため、本年10月に「新しい介護予防・日常生活支援総合事業」を前倒しして実施いたします。また、在宅医療と介護サービスの両方を必要とする高齢者の増加が見込まれております。重度の要介護状態になっても、本人が希望する暮らしを続けることができるよう、在宅医療・介護連携推進事業を進めてまいります。
 次に、障がいのある人も同様に住みなれた地域で安心して暮らせるように、日中の活動の場の確保やグループホームなど住まいの場の確保に努め、障がい福祉サービスの充実に努めてまいります。なお、市役所内に設置した「チャレンジドオフィスなりた」における事業を拡充し、民間企業への一般就労に向けて取り組んでまいります。
 次に、現在策定を進めております「成田市健康増進計画」につきましては、健康意識調査、市民ワークショップの結果などを踏まえ、本市の健康づくりの目標や具体的な施策を定めてまいります。
  • 保育の様子

地域文化を生かし、未来を担う心豊かな人材を育む

 3番目は、『地域文化を生かし、未来を担う心豊かな人材を育む』についてであります。

 子どもを取り巻く環境は、少子化の進展や社会構造の変化に伴い、構造的ともいえる様々な問題を抱え、学力の向上をはじめ、道徳教育の充実、いじめや不登校の防止、教員の資質向上、幼児教育の充実や家庭教育への支援など、教育課題が山積しております。 こうしたことから、学校教育に関する施策を総合的に推進するための「成田市学校教育振興基本計画」において、子どもたち個々の能力を伸ばし、将来に夢と希望を持って自分の進むべき道を切り拓く力を育むための教育を推進してまいります。
 学校における指導内容の充実につきましては、本市が全国に先駆けて取り組んできた児童・生徒の英語による「コミュニケーション能力の育成」は、今後ますますその重要性が増すものと考えており、全小中学校に外国人英語講師を配置するなど、英語による発信力の向上に努めてまいります。
 また、情報教育の充実を図るために、平成28年度より順次、小学校の普通教室へのLAN整備を行うとともに、タブレット端末等のICT機器の整備を進めてまいります。
 小中連携教育では、児童・生徒の成長を義務教育9年間でとらえ、小学校と中学校のつながりを意識した、きめ細かで系統的・継続的な一貫性のある指導が求められており、本市では、小中一貫教育校「下総みどり学園」の教育活動の成果を踏まえ、特色を生かした小中連携教育を推進してまいります。 なお、「下総みどり学園」につきましては、学校教育法の改正により、小学校、中学校に加えて新たな学校種として創設された「義務教育学校」として、平成29年度に位置づける準備を進めてまいります。
 個性を生かす教育推進事業においては、これまで子どもたちの基礎・基本の徹底と個性・能力に応じた教育を推進するために、少人数学習推進教員、健康推進教員を配置してまいりました。 新年度は、少人数学習推進教員を学校サポート教員と名称変更し、児童生徒一人ひとりのニーズや個性に応じた教育の一層の充実に努めてまいります。
 次に、学校・家庭・地域が一体となった教育体制についてでありますが、昨年から実施している地域住民が学校支援ボランティアとして参画する「学校支援地域本部事業」の取り組みを検証し、地域とともに歩む学校づくりを進めてまいります。
 次に、学校施設整備についてでありますが、大栄地区5校の統合小学校と中学校を一体型校舎として建設するため、引き続き実施設計を進めるとともに、生徒数の急激な増加に対応するため久住中学校の増築工事の基本・実施設計を行ってまいります。 また、「新山小学校」及び「吾妻中学校」の大規模改造工事を実施し、教育環境の変化に対応した施設の整備を図ってまいります。さらに、小学校のトイレを洋式へ改修する工事を新年度末までの完了に向けて実施してまいります。
 次に、学校給食についてでありますが、本年4月から提供する給食について、給食費の改定をさせていただきますが、今後も美味しく、栄養豊かでバランスのとれた安全・安心な給食の提供に努めてまいります。また、学校給食施設整備につきましては、引き続き親子方式による共同調理場の整備に取り組んでまいります。
 次に、幼児教育の充実についてでありますが、大栄幼稚園の遊戯室の天井等(とう)落下防止対策工事を実施し、園舎の安全性を高め環境の改善を図ってまいります。
 次に、生涯学習の推進についてでありますが、本年に開設20周年を迎える「明治大学・成田社会人大学」のさらなる充実に努めてまいります。また、青少年の健全育成を推進するため「放課後子ども教室」の増室を図ります。
 次に、生涯スポーツの振興についてでありますが、中台運動公園の陸上競技場観覧席の改修や体育館のアリーナに空調設備を設置するための実施設計など、各種スポーツ施設の整備・充実に努めるほか、成田スポーツフェスティバルなどをとおして、市民スポーツ・レクリエーション活動の推進に努めてまいります。
 次に、公民館についてでありますが、大栄公民館の大規模改修工事を行うなど、学習拠点として施設環境を整備してまいります。 なお、昨年、新たに設置した私と教育委員会が教育政策についての協議を行う「総合教育会議」において、「成田市教育大綱」を定め、本市の教育、学術及び文化の振興を総合的に推進してまいります。

空港の機能を最大限に生かし、魅力的な活気あふれる都市をつくる

 4番目は、『空港の機能を最大限に生かし、魅力的な活気あふれる都市をつくる』についてであります。

 成田空港の平成27年の運用実績は、航空機の年間発着回数が約23万2千回、旅客数約3,733万人、貨物量約204万トンであり、乗り入れ都市については、海外107都市110路線、国内線では、16都市17路線と結ばれております。 成田空港を含めた首都圏空港は、国際競争力の強化など、重要な役割を担っておりますが、2020年前半には就航処理能力が限界に達すると見込まれております。そこで東京オリンピック・パラリンピックの開催とその後を見据えた機能強化について、「首都圏空港機能強化技術検討小委員会」から中間とりまとめが公表されたことを受けて、昨年「成田空港に関する四者協議会」が開かれ、第3滑走路の新設をはじめとした成田空港の機能強化に向けた議論が行われていることから、その取り組みを促進してまいります。
 一方、成田空港の発展のためには、騒音地域にお住いの皆様のご理解が不可欠であります。そこで、昨年末「成田市成田国際空港総合対策本部」を設置したところであり、騒音地域の要望、騒音対策や落下物対策、そして今後の機能強化に伴い新たに発生する課題について、的確な対応を図るよう取り組んでまいります。
 また、国際空港を擁し、充実した交通アクセスと豊富な宿泊施設を有する強みを生かし、2018年の世界女子ソフトボール選手権大会の本市での開催や2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた事前キャンプの誘致を進めるため、出場が見込まれる各国の大使館などへ、プロモーション活動を行ってまいります。
 次に、平成29年4月の開学を目指して、国際医療福祉大学医学部の校舎建設工事が進められております。新年度は、校舎建設工事について千葉県の協力をいただきながら市として必要な補助を行うとともに、附属病院の開設に向け、用地の取得など必要な手続きを進めてまいります。また、地域貢献や協働事業についての方策などについて大学と協議してまいります。
 
 次に、都市計画についてでありますが、都市の抱える各種課題や社会情勢の変化に対応するため、まちづくりの方向性を定める「都市計画マスタープラン」を策定いたします。本市の玄関口であるJR・京成成田駅中央口整備事業については、今年度、JR成田駅東口の再開発事業が完了いたします。今後も国際空港都市成田の顔にふさわしい、安全で快適な駅前整備を進めてまいります。さらに、表参道の整備につきましても、地元の街づくり協議会と連携し、地区の特性を生かしながら、来訪者が安全に通行し、楽しんでいただける街並み景観の形成を進めてまいります。
 次に、都市公園事業についてでありますが、都市公園の整備にあたりましては、幼児から高齢者まで幅広い年齢層に配慮するとともに、多様なニーズへの対応が求められております。こうした中、特に若者に人気のあるスケートボードが、今後スポーツとして広く普及が進むものと考えられますことから、スケートボードパークの整備を進めてまいります。
 次に、道路整備についてでありますが、市内各地区の連携や災害発生時における物資輸送、救援活動などの機能強化を図るため、「成田市幹線道路網整備計画」に基づき、幹線道路の整備を効率的かつ効果的に進めるとともに、都市計画道路の整備として、引き続きニュータウン中央線の整備を推進してまいります。
 次に、河川についてでありますが、新たに大栄地区における河川整備基本方針の策定を進めるとともに、長津川や天昌寺川の整備などを計画的に推進してまいります。
  • 世界的アスリートが市内でキャンプし、練習をしている様子

活力ある産業を育て、にぎわいや活気を生み出すまちをつくる

 5番目は、『活力ある産業を育て、にぎわいや活気を生み出すまちをつくる』についてであります。

 まず、観光立市の推進についてでありますが、訪日外国人旅行者数が過去最高を更新し、東京オリンピック・パラリンピック開催に向け外国人旅行者の注目が高まる中、「観光振興基本計画」を策定し、計画的に観光振興を進めてまいります。  また、本市の立地条件を生かし、海外の旅行会社などへプロモーション活動を行うなど、訪日外国人旅行者の来成促進に努めるほか、国内線就航先に対しても成田のシティセールスを強化し、さらなる観光客の誘致に積極的に取り組むほか、「成田市御案内人 市川海老蔵プロジェクト」や「成田伝統芸能まつり」といった日本の伝統芸能・文化を活用した本市の魅力発信に努めてまいります。さらに、国際観光都市としてふさわしい施設整備を進め、国内外から訪れる観光客の皆様に、これまで以上に「訪れてよし」と満足していただける観光行政を実施してまいります。
 次に、商工業の振興につきましては、国内の景気は緩やかな回復基調にあり、企業収益や雇用情勢にも改善が見られる中、地域経済の発展と地元の雇用を支える中小企業の経営基盤の安定と強化を支援するため、中小企業資金融資制度により資金調達の円滑化や利子補給による支援を行うとともに、本市における創業を後押しするため、創業を目指す人を対象にしたセミナーの開催や創業時に必要となる資金への支援などを実施いたします。  また、成田空港の機能強化と今後整備される圏央道や北千葉道路など高規格道路はさらに本市の立地優位性を高めるものとなり、周辺地域への企業の進出が見込まれますので、立地優位性を生かした企業誘致を推進し、雇用の創出を図ってまいります。
 次に、農業行政についてでありますが、環太平洋戦略的経済連携協定、いわゆるTPP協定が昨年10月に大筋合意され、協定発効による農業への影響が懸念されているところでありますが、特にコメ、牛(ぎゅう)・豚肉、乳製品などの重要5品目につきまして、国では本年秋を目途に中長期的な視点に立った政策の具体的な内容を詰めるとされておりますので、その動向を注視し、農業者支援に努めてまいります。  また、国の「農林水産業・地域の活力創造プラン」に掲げられております農地中間管理機構の活用などにより、本市モデル地区として推進した長沼地区において、地区内の農地のおよそ6割で集積が図られました。今後とも農地利用集積円滑化団体等と連携して、農地の集積と規模拡大を促進していくほか、生産性向上のための機械・施設の導入に対する支援、新規就農者などの担い手の確保・育成、農道や農業用排水路の計画的な整備など、引き続き、農業経営基盤の強化に努めてまいります。
 加えて、地元農家の方々が中心となって運営している農産物直売所につきましては、引き続き支援とPRに努め、生産者の顔が見える農産物販売により地産地消を推進し、体験農業を通じた都市と農村との交流や、農観連携による観光需要の開拓などについても、積極的に進めてまいります。
 次に、卸売市場についてでありますが、本年度実施した農林水産省「国際農産物等市場構想支援事業」による輸出実証事業での成果及び課題を踏まえ、公設地方卸売市場運営審議会で審議いただきながら、輸出拠点機能を持つ市場再整備の早期実現に向けて引き続き関係機関と連携し取り組んでまいります。
  • ボランティアガイドが新勝寺を案内している様子

市民サービスを充実させ、持続可能な自治体運営を行う

 6番目は、『市民サービスを充実させ、持続可能な自治体運営を行う』についてであります。

 本市におきましても、少子高齢化が進行する中で、今後も持続可能なまちづくりを進めていくには、限られた資源を最大限に有効活用した効率的な行政運営が必要であり、多様化、高度化する市民ニーズを市政に的確に反映するためにも、幅広い市民参画が一層重要になってまいります。 そこで、次世代を担う若者や子育て世代などを対象とした市民向けワークショップの開催などにより、さらなる市民参画を促してまいります。また、地方創生への取り組みといたしましても、国が進める「まち・ひと・しごと創生」の取り組みなども踏まえながら「成田市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の一層の推進を図ります。
 次に、市有財産の適切な管理についてでありますが、「公共施設等総合管理計画」を策定し、長期的な視野をもって、更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行うことにより、財政負担の軽減に努めてまいります。近年、進化する情報化社会の中で、市政の動きや市民生活に密着した情報をいち早く提供する広報活動の重要性は、飛躍的に高まっております。「広報なりた」につきましては、より読みやすく、親しまれる紙面づくりに努めてまいります。また、インターネットを活用した市政情報の提供につきましても、スマートフォン用アプリ「i広報紙」やフェイスブックを利用した情報発信を行っており、ホームページにつきましても閲覧し易く、スマートフォンにも対応したリニューアルに取り組んでまいります。また、ケーブルテレビについてでありますが、騒音地域において、エリア拡大に向けた取組みを進めてまいります。
 次に、市民サービス充実の一環として、千葉県から手続きの委託を受け、本年10月から市民課総合窓口においてパスポートの申請の受付及び交付を開始いたします。今後、市民にとって、より身近な窓口での手続きが可能となり、利便性が一層高まるものと考えております。

 以上、市政に臨む私の所信の一端と、新年度の主要施策の概要を申し上げました。

 昨年末、大村智・北里大学特別名誉教授がノーベル医学・生理学賞を受賞されました。 大村さんは、一度は高校教諭の道に進みましたが、生徒が一生懸命勉強しているのをみて、俺もやらねばと思い、当時の東京教育大の聴講生になり、東京理科大の大学院に進み、研究者の道を歩まれました。 そして、長年の地道な作業と苦労の末に、重症化すると失明することもある感染症の特効薬の基となる物質を土壌の微生物の中から発見し、この物質から予防薬を開発し、アフリカなどの多くの人々を失明の脅威から救うことになりました。
 大村さんは、山梨の農家に生まれ、祖母からは「人のためになることをしなさい」と教えられながら育ち、人生の過程で迷った時は、その教えを思い出し決断してきたといいます。ノーベル賞発表を受けての記者会見でも、「人のために少しでも何か役に立つことはないか、微生物の力を借りて何かできないか、それを絶えず考えている。」、また、「土壌採取で歩く時には、いろんなところに可能性を考えて、いつでも財布の中にビニール袋を持っている。」と語り、人のために役立つことはないか、何か解決方法はないかということを絶えず意識し続けてきたといいます。強い信念に基づき、実行しているからこそ、真に役立つ偉大な発見と研究を成し遂げることができたのだと思います。
 市政を預かるわたくしの「市民のために」という強い思いは、分野や置かれた立場の違いはあるとは言え、人のために役立ちたいという大村さんの信念と同じであります。
 今後も、「住んでよし 働いてよし 訪れてよし」の次世代に誇れる空の港まちづくりという、本市の未来を見据えた大きな目標に向かって、粉骨砕身の覚悟で市政運営に取り組んでまいる所存であります。

 議員各位並びに市民の皆様のご支援とご協力を重ねてお願い申し上げ、平成28年度の施政方針といたします。
  • 成田市の未来をみんなで考えて、打ち合わせをしている様子
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