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更新日:2013年4月2日

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平成25年度施政方針(平成25年3月定例市議会)

 平成25年3月定例市議会の開会にあたり、平成25年度の施政方針と所信の一端を申し上げ、議員各位並びに市民の皆さまのご支援とご協力をお願い申し上げる次第であります。
 
 まず、はじめに、一昨年の東日本大震災において、今なお、避難生活を送られている方々をはじめ、被災された皆様に、お見舞いを申し上げます。
 また、本年1月、アルジェリアでのテロ事件に引き続き、グアム島での無差別殺傷事件におきまして、日本人の方々が相次いで事件に巻き込まれ犠牲になられました。お亡くなりになられた皆様のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。
 さらに、グアム島での事件と同じ日に、北朝鮮において、3度目の核実験が行われました。このことは、国際社会の平和と安全を著しく損なうものであり、断じて容認できるものではありません。唯一の被爆国として、そして平和都市を宣言する本市としましても、この核実験に対して、強く抗議するものであります。
 
 さて、私は、平成19年1月、市民の皆さまからの温かいご支援と負託をいただき、市長に就任させていただいてから、本年で早や2期目の折り返し地点を過ぎることとなりました。1期目の4年間は、クリーンで開かれた市政の実現を最重点課題として取り組み、2期目は、東日本大震災という未曽有の大震災を目の当たりにして、「成田から日本を元気にしよう!」という気概をもって、本市の発展と、市民の皆さんが豊かさを実感できるまちづくりの実現に取り組んできたところであります。
 私は、公約として掲げた「住んで良し、働いて良し、訪れて良し」のまちづくりを進める中、一人でも多くの方々と直接お会いして、様々な世代の市民ニーズの把握に努めるとともに、それらを活かした平成23年3月に策定した「成田市総合5か年計画2011」においても、公約実現に向けた各種事業を盛り込むなど、着実な事業の進展に努めてきたところであります。
 新年度にあたりまして、山積する諸課題に、果敢に、真正面から取り組んでいく覚悟であります。
 
 さて、我が国の経済は、バブル崩壊から続く景気の低迷、長期化するデフレ経済、少子高齢化に伴う労働力人口の減少、円高による国際競争力の低下と国際収支の悪化など、困難な課題に直面しております。
 また、国の財政は、歳入歳出の不均衡による財政赤字が恒常的に継続しており、本年度末には国と地方の長期債務残高が940兆円、GDP比は196パーセントに達することが見込まれるなど、財政運営は非常に厳しい局面にあると認識しております。
 国においては、昨年暮れの総選挙により、自民党政権が誕生し、安倍内閣は経済再生を打ち出し、日本銀行による2パーセントの物価上昇を目標に盛り込むなど、デフレ経済からの脱却を目指し、「大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略」という「三本の矢」を柱に、積極的な経済再生に向け始動しており、今後の経済状況の回復に大きな期待をしているところであります。
 一方、本市の財政状況は、健全化判断比率などの財政指標においても、健全性を維持しておりますが、歳入では、自主財源の根幹となる税収の安定的な確保は出来ているものの、大幅な増加は期待できない状況にあります。今後、5年間では消費税の増税が見込まれる一方、合併特例による地方交付税は段階的に削減されてまいります。
 また、歳出におきましては、扶助費、公債費などの義務的経費の増大、そして公共施設の維持管理費が、経常収支を悪化させることが懸念されるところであります。
 しかし、このような状況にあっても、将来を見据えたまちづくり、空港対策、少子高齢化対策、地域医療対策、地域経済対策などの諸課題に、今後も積極的に取り組んでいかなければなりません。
 平成25年度の予算編成にあたっては、本市の未来を見据え、「住んで良し、働いて良し、訪れて良し」の次世代に誇れる空の港まち、生涯を完結できるまちづくりを目指し、特に、市民サービスの利便性向上、子育て支援の充実、地域医療対策、地域経済の活性化などを重点的に、一層の経費節減を図りながら、これまでに積み立ててきた各種基金の活用も図りつつ、「成田市総合5か年計画2011」を着実に推進するため、効率的・効果的な予算編成に努めたところであります。
 一般会計では、対前年度比 8.6パーセント減の560億円、水道事業会計を含む特別会計を加えた全体では、4パーセント減の817億円の予算を編成したものであります。
 これらは、成田富里いずみ清掃工場、公津の杜コミュニティセンター、公津の杜中学校などの大規模な建設事業が終了したことにより、前年度より減額となったものでありますが、市民サービスに必要不可欠な課題に対応した予算を編成したものであります。
 以下、総合計画の6つの大綱に沿って、平成25年度の主な施策の概要について申し上げます。
  • 施政方針演説をする小泉市長の様子

世界との交流拠点として市民が誇れる都市をつくる

 1番目は、『世界との交流拠点として市民が誇れる都市をつくる』についてであります。
 
 「成田国際空港」は、本年5月で開港35周年を迎えます。この間、多くの皆さまのご理解とご努力に支えられながら、着実な成長を遂げてまいりました。
 平成23年度の運用実績では、東日本大震災と福島第一原子力発電所事故などの影響を大きく受け、航空機の発着回数は約18万7千回、旅客数は約2,885万人、貨物量は約193万トンと、それぞれ平成22年度の実績を下回りましたが、本年度は、東日本大震災などの影響から徐々に回復するとともに、円高基調が追い風となり、成田空港を拠点にした本邦LCC2社の就航や、冬期スケジュールからの新規就航・増便などにより、航空機の発着回数は21万4千回に達する見込みであります。
 また、本年3月の夏期スケジュールからは、誘導路や駐機場の整備が完了することから、空港容量が27万回に拡大され、引き続き所要の整備が進められることで、空港容量30万回に向けた空港機能の強化が進められているところであります。
 このような中、さまざまな国と首都圏空港を含めたオープンスカイが進められ、成田空港においても、空港容量27万回の実現にあわせて実施されることとなります。成田空港のバランスのとれた豊富な国際航空ネットワークは、東アジアにおける国際拠点空港としての大きな強みとなっており、この位置付けは、さらに重要度を増してくるものと考えております。
 これら航空ネットワークの拡充は、国際競争力の強化や空港利用者の利便性の向上につながるだけでなく、空港周辺地域の活性化や雇用の場の拡大など、地域経済の発展にも大きな効果をもたらすものと期待をしております。
 このようなことから、本市といたしましても、成田空港が、より魅力のある空港となるよう、千葉県が設置を進めている「(仮称)成田空港活用協議会」をはじめ、空港周辺市町と一体となり、成田空港のさらなる発展のため協力してまいりたいと考えております。
 しかしながら、成田空港の発展のためには、騒音地域にお住まいの皆さまのご理解が大前提でありますので、騒音・環境対策につきましては、今後も引き続き、国・県・空港会社などの関係機関と連携を密にし、生活環境の改善に資するための各種補助事業を実施していくとともに、民家防音工事の施工内容の充実や、防音工事の恒久化事業に取り組んでまいります。
 次に、「まちづくり政策の推進」についてでありますが、類を見ない速度で進展する超高齢化社会、そして50年後には8千万人台となろうと予測される人口減少の中で、少子化が大きな社会問題になることは必至であります。そのような行く末に、まさに将来を見据えたまちづくりが求められております。本市においても、今一度、将来のまちづくり構想を見直していく必要があると、強く認識するところであります。そのようなことから、本市の優位性・問題点を洗い出し、持続可能なまちづくりについて、様々な角度から方向性を検討してまいります。
 空港周辺地域の活性化については、平成23年に「成田国際空港周辺土地利用ビジョン」を策定し、空港と地域の目指すべき姿、空港周辺地域における土地利用のあり方を定めました。これを受け、本年度に策定いたします「市街化調整区域の土地利用方針」により、空港周辺土地利用ビジョンの実現を目指してまいります。
 次に、「JR成田駅東口の再開発事業」につきましては、国際空港都市・成田の顔にふさわしい安全で快適な駅前整備に向け、引き続き事業の推進を図っていくとともに、駅前から成田山新勝寺に通じる「表参道の整備事業」につきましても、地元街づくり協議会と連携を図り、地区の特性を活かしながら、来訪者が安全に通行し、楽しんでいただける街並みづくりを、引き続き進めてまいります。
 次に、「道路整備」についてでありますが、都心から放射状に延びる主要幹線道路を連結する「首都圏中央連絡自動車道」につきましては、千葉県とともに昨年10月に設置した「用地取得促進プロジェクトチーム」により、国の用地取得を支援し、未整備区間の早期完成を図ってまいります。また、首都圏北部や県西地域と成田空港を結ぶ「北千葉道路」につきましても、首都圏における成田空港へのアクセス強化や、沿線地域相互の連携が図れることから、首都圏中央連絡自動車道と併せて整備促進をしてまいります。
 次に、観光立市を推進する本市の魅力をさらに向上させ、生活空間の質的な向上と良好な景観形成を図るため、「景観計画」を策定するとともに、平成26年度に景観条例の制定を目指してまいります。
 また、空港周辺と市街地を花で結び、観光客や市民の皆さまに憩いの場を提供する「花の回廊整備事業」につきましては、平成23年度から取香川の整備に着手しており、新年度は真々田橋から小菅橋までの区間について、遊歩道の整備を進めてまいります。
 次に、「成田ブランドの推進」につきましては、今まで、ロケ地誘致や豊かな地元農産物を利用した「成田ソラあんぱん」のPRと販売を通じて、空港や門前町といった成田の魅力を発信してまいりました。新年度は、これまでの活動で蓄積した知識や経験を土台に、次のステージに上る時期にあります。今月「成田空港成長戦略会議」の最終的な取りまとめが示されましたので、この方向性に基づき、地元経済界を含む官民連携体制を強化するとともに、「運気上昇のまち 成田」をキャッチフレーズに、市全体の多様な資源に磨きをかけ、さらなるブランド力の向上と、国内外への発信に努めてまいります。
  • 開港35周年を迎える成田空港の様子
  • 公津の杜地区周辺の様子

市民がいきいき働く、活力ある産業を育てる

 2番目は、『市民がいきいき働く、活力ある産業を育てる』について申し上げます。

 まず「観光立市の推進」についてでありますが、本市の観光キャラクター「うなりくん」をはじめ、本年度に制作・発表した「うなりくん」のテーマソングと踊りを活用し、成田の観光PRを強化してまいります。
 特に、昨年開催された「ゆるキャラグランプリ2012」では、全国から865体のゆるキャラが参加した中で、「うなりくん」は第16位、千葉県内ではトップの約9万票を獲得することができ、投票いただいた方々に感謝しております。
 しかし、私としましては、成田が全国から、さらには世界から注目されるためにも、ぜひ「うなりくん」を日本一のキャラクターに育て上げたいと考えており、今年こそは用意周到に計画を立て、官民一体となって日本一を目指してまいります。
 次に、年間40万人が訪れる「さくらの山」においては、観光情報発信や物産販売を行う観光物産館の建築工事に着手し、さらなる観光客の誘致に取り組んでまいります。
 次に、成田空港を舞台とした連続テレビドラマ「あぽやん 走る国際空港」が現在放映されておりますが、今後も引き続きドラマ・映画などの「ロケ地誘致」を強化するとともに、新たな観光客層の開拓を図るため、ロケ地を活用したツアーの企画も国内旅行会社へ働きかけてまいります。
 さらに、本市を訪れた旅行者の方々に対するおもてなしとして、お客様の満足度を高め、少しでも滞在時間を増やすことを目的として、現在地の観光情報をリアルタイムで提供するための公衆無線LANサービス、「Wi-Fi」のアクセスポイントを、表参道などに整備してまいります。
 また、東日本大震災の影響により減少した外国人観光客を呼び戻すため、海外の有力な旅行業者などに直接プロモーション活動を行うなど、積極的に成田の魅力を海外にも発信してまいります。
 そして、被災地の復興支援のため、引き続き、市民の皆さまとともに力を合わせ「東北復興支援成田市民号」を実施していくとともに、新年度は市職員2名を被災地である「浪江町及び南相馬市」にそれぞれ1年間派遣し、現地での復興も支援してまいります。
 次に、市内の中小企業の経営状況は、昨今の長引く景気の低迷や、東日本大震災・福島第一原子力発電所の事故の影響などにより、依然として厳しい状況が続いているため、より一層の地域経済活性化対策が求められております。
 この起爆剤として、成田市商店会連合会が発行する「プレミアム付商品券」を支援し、消費者の消費需要を喚起するとともに、市内小売業などの販売促進と、地域商業の活性化を図ってまいります。
 また、「中小企業への支援策」としましては、中小企業資金融資制度を拡充して、市内で新たに事業を興すための創業資金や、経営改善に向けた事業転換資金、環境に配慮した環境経営資金などに対し、事業者への融資や利子補給を進めてまいります。
 また、「雇用対策」でありますが、依然として厳しい雇用情勢の中、市としても緊急的に雇用機会の創出と、地域の雇用改善を進めていくため、引き続き企業誘致奨励措置により、本市の地域特性を活かした企業立地を促進し、雇用創出と地域経済の活性化を図ってまいります。
 そして、市内の商工業や中小企業の経営の安定強化と、さらなる発展を目的に、商工業団体などの意見を取りまとめ、本市の商工業の振興策や目指す方向などを定める「成田市商工業振興計画」を策定し、本市の経済活性化に取り組んでまいります。
 次に、「農業行政」についてでありますが、農業従事者の高齢化、担い手の減少、農産物価格の低迷、そして、福島第一原子力発電所の事故に伴う農作物への放射性物質の影響に加えて、TPP環太平洋戦略的経済連携協定への対応など、農業を取り巻く環境は非常に厳しい状況にあります。
 今後も国の施策やその動向を見極めながら、これからの地域農業のあり方を農家の方々と話し合い、担い手へ農地を集積し規模拡大を促進していくとともに、新規就農者への支援、担い手の育成確保や、農道、農業用排水路などの計画的な整備など、引き続き農業経営基盤の強化に努めてまいります。
 また、全国でも有数の生産量を誇る「さつまいも」をはじめとした、成田産農産物のブランド化の支援や、地元農家の方々が中心となり、農業振興を目的とした農産物等直売施設の整備に助成してまいります。これにより、生産者の顔が見える農業を促進し、消費者の方々との信頼関係をより強いものとして地産地消を推進し、消費者ニーズに対応した付加価値の高い農業生産を支援するとともに、体験農業を通じた都市と農村との交流などについても、積極的に進めてまいります。
 なお、数年来増加しております獣類、特にイノシシによる農作物被害につきましては、捕獲用機材をさらに整備するなど、捕獲体制を強化して被害の削減に努めてまいります。
 次に、「卸売市場」についてでありますが、流通機構の変化や食品流通の多様化などに伴い、市場を取り巻く状況も依然として厳しい状況にある中で、既存の市場施設は建築後38年を経過し老朽化していることから、将来的な卸売市場の整備方針を、市場関係者の方々と協議してまいります。
  • 年間40万人が訪れるさくらの山の様子

市民一人ひとりの健康で生きがいを持った生活をささえる

 3番目は、『市民一人ひとりの健康で生きがいを持った生活をささえる』について申し上げます。

 平成22年に行われた国勢調査結果によりますと、我が国の人口は約1億2千万人とほぼ横ばいである一方、15歳未満の人口は、平成17年と比較しますと4.1パーセントも減少するなど、確実に少子化が進んでいる状況であります。また、国の人口動態統計によりますと、平成23年の出生率は1.39で、出生数は前年より約2万人も減少したとの数値が出ております。
 一方、本市におきましては、毎年約1,300人が出生しており、15歳未満の人口比は、国の統計値13.2パーセントを上回る、14パーセントを維持していることから、仕事をしながらも安心して子どもを産み、健やかに育てることができる、子育て支援策のより一層の充実が必要となっております。
 このため、「保育園」につきましては、老朽化が著しい成田ニュータウン内の公立保育園の大規模改修工事を、橋賀台保育園より順次実施していくとともに、改修工事期間中の園児の受入れ先として、本年4月に開園する赤坂保育園において、ゼロ歳児から2歳児の定員の増員を図り、待機児童の解消に努めてまいります。
 また、本年7月に開館予定の「公津の杜 複合施設」内においては、市内で3か所目となる子育て支援センターを開設し、子育てをされている親子の出会いの場を提供し、仲間づくりを支援してまいります。
 次に、「児童ホーム」についてでありますが、昨年から工事を進めてまいりました新山第1・第2児童ホームでは定員をそれぞれ40名にして、待機児童の解消に努めてまいります。また、下総小学校及び遠山小学校内にも、平成26年度の開設に向けて児童ホームの整備を進めていくなど、引き続き放課後における留守家庭児童の健全育成の充実を図ってまいります。
 次に、「高齢者福祉」についてでありますが、平成22年の国勢調査において、我が国の総人口に占める65歳以上の人口は、約2,925万人と、平成17年と比べ13.9パーセント増え、総人口に占める割合は23パーセントで、世界で最も高い水準となっております。また、65歳以上の方が1人で暮らす単独世帯は、男性が10人に1人、女性が5人に1人となっております。
 本市においても、高齢化が加速すると見込まれることから、引き続き高齢者の社会参加の促進や、生きがい・健康づくりを促進するため、老人クラブ活動やシルバー人材センターの活動などを、支援してまいります。
 また、高齢者のサークル活動や、老人クラブ活動の拠点となっております、現在の老人福祉センターは、供用開始から40年を経過し、老朽化や狭隘化が著しいことから、新たに成田ニュータウン内のボンベルタ百貨店別館の2階部分に移転させ、高齢者をはじめ幅広い方々が利用できる施設を、平成26年度に開館してまいります。
 そして、70歳以上の高齢者の方の移動手段として、実証実験を進めている、乗合型タクシーによる移送サービス「オンデマンド交通」につきましては、市内全域に拡大して、実証実験を継続してまいります。
 次に、障がい者福祉についてでありますが、保健福祉館脇の「こども発達支援センター」の訓練室などが本年5月に完成しますことから、専門的で効果的な療育を実践し、障がいのあるお子さんの発達を支援してまいります。また、私立保育園における障がいのある児童の受入れを促進するため、新たに補助制度を拡充して、障がい児保育の充実を図ってまいります。
 次に、今日の「地域医療」を取り巻く状況でありますが、医師や看護師不足は、その深刻度を増す一方であることから、医科系大学の誘致に引き続き取り組んでまいります。そして、新たな事業として市内における看護師などの確保と、地域医療体制の充実を図ることを目的に、看護学校などを卒業した後に、市内の病院に看護師などとして勤務いただける看護学生を対象として、「看護師等修学資金貸付事業」を開始するとともに、市内の看護学校に対しても「看護学校運営費補助金」を創設して、看護師養成にかかる経費の一部を助成してまいります。
 さらに、成田赤十字病院における深夜・早朝の初期救急医療対策につきましては、引き続き、その経費を負担するとともに、医療機器の整備についても助成してまいります。
  • 市内で3カ所目となる子育て支援センターの写真

市民が地域文化を愛し、次代を担う心豊かな人材を育む

 4番目は、『市民が地域文化を愛し、次代を担う心豊かな人材を育む』について申し上げます。

 まず、「学校適正配置」についてでありますが、次代を担う子どもたちにとって、より良い教育環境を提供できるよう、今後も議会や地域の皆さまと十分協議を行いながら、学校適正配置の推進に努めていく中で、東小学校と遠山小学校との統合や、大栄地区の小学校統合を進めてまいります。
 次に、平成12年度から取り組んでいる個性を生かす「教育推進事業」につきましては、少人数学習推進教員、健康推進教員を引き続いて配置するなど、子どもたちの基礎・基本教育の徹底と、個性・能力に応じた教育を推進し、学力の向上に取り組んでまいります。
 また、これらの補充的・発展的学習の実施を強化し、教育相談・生徒指導面におけるきめ細かな指導体制を強化することによって、児童生徒一人ひとりのニーズや個性に応じた教育の実現にも努めてまいります。
 次に、本市の特徴的な教育の一つでもあります「国際理解教育」につきましては、より一層の英語科教育の充実に努めるとともに、特別支援教育や情報教育の推進に、引き続き努めてまいります。
 また、「平和教育」につきましては、これまで小学生を中心に、平和啓発映画や戦争体験者の講話を通じて、戦争の悲惨さや平和の尊さ、人格の尊重などを啓発してまいりましたが、新たに中学生を被爆地である長崎市に派遣し、平和祈念式典への参加をはじめ、被爆体験者との交流なども実施してまいります。
 次に、公立幼稚園である「大栄幼稚園」については、3歳児保育の開始準備に向けた施設の整備を進めるとともに、子どもたちの発達に合わせた、きめ細やかな対応に努めてまいります。
 次に、「学校施設整備」についてでありますが、下総地区の4つの小学校を統合した下総小学校につきましては、来年4月の開校に向けて引き続き工事を進めていくとともに、児童数の急激な増加が予想される吾妻小学校につきましては、新年度から増築工事に着手してまいります。
 また、下総小学校におきましては、東日本大震災後における国民的な節電意識の高まりや、環境教育の教材の1つとして、太陽光発電設備を設置するとともに、避難所としての観点から、蓄電池も整備してまいります。
 次に、「学校給食」についてでありますが、引き続き使用食材の放射能検査を実施するなど、安心・安全な給食の提供に努めるとともに、給食センターが老朽化している中、温かくてきめ細かな給食が提供できるよう、学校の敷地に共同調理場を整備し、近隣の学校にも給食を配送する「親子方式」を、公津の杜中学校で実施してまいります。今後は、本城小学校や公津の杜小学校においても、順次、進めてまいります。
 次に、「医科系大学の誘致」についてでありますが、文部科学省や厚生労働省では、医学部の新設などについては、社会保障全体の在り方に関する検討や、これまでの定員増の効果の検証などを踏まえたうえで、引き続き検討するとされています。医科系大学の誘致が実現された場合、地域医療への貢献はもとより、国際空港を活かした国際医療への展開、さらには、経済波及効果や社会的効果、文化的効果なども期待できますことから、医科系大学の誘致に向け全力を挙げていくとともに、医療産業の集積についても推進してまいります。
 次に、「生涯学習の推進」ですが、市民の皆さまと連携、協働し、誰もが生涯にわたり生きがいを持ち、その成果をまちづくりに活かせるよう「生涯大学院」、「高等学校等開放講座」、「明治大学・成田社会人大学」、「生涯学習講座」などの充実に努めてまいります。
 また、門前町の歩みや生活文化を後世に伝えていくため、門前町に伝承された様々な事項について聞き取り調査を行う「成田山門前町研究事業」を実施してまいります。
 次に、地域の学習・活動拠点となる「公民館」でありますが、新年度は大栄公民館及び久住公民館の空調改修工事などに着手するとともに、他の公民館につきましても、順次、計画的に改修工事を検討してまいります。
 また、「図書館」につきましては、本年7月に「公津の杜 複合施設」内に、延床面積約1千平方メートル、蔵書冊数8万冊の「公津の杜 分館」を開館し、本館と分館が連携して図書館サービスの拡大と充実を図ってまいります。
 次に「スポーツ施設の整備」につきましては、中台運動公園球技場の夜間照明施設が完成し、本年4月より供用を開始するとともに、公津スポーツ広場につきましても、新年度内の完成を目指し整備を進めてまいります。
  • 親子方式を実施する公津の杜中学校の共同調理場の写真

市民が安全、安心、快適に暮らせる生活環境をつくる

 5番目は、『市民が安全、安心、快適に暮らせる生活環境をつくる』について申し上げます。

 東日本大震災から2年近く経過しましたが、この間、国の地震調査委員会などの発表によりますと、本市にも多くの被害をもたらすことが予想される「首都直下地震」などの発生も想定されております。
 このため、東日本大震災での教訓、今後、想定されている地震なども踏まえ、間もなく見直し作業が完了する「成田市地域防災計画」にもとづき、防災体制の充実や災害に強いまちづくりを進めてまいります。
 具体的には、災害による被害を最小限にとどめるため、様々な減災対策を総合的に推進していくとともに、自らの身は自分で守るという「自助」と、地域でお互いを支え合う「共助」を基本とした、地域での救助活動が非常に重要であることから、活動主体となる自主防災組織の結成を促進してまいります。そして、地域の災害への対応能力を高めるため、地域での防災講演会や、実践に即した訓練などの実施を積極的に支援してまいります。
 また、避難所の対応としましては、地域の避難所となる学校と地域住民、行政との連携を強化し、迅速な避難所の開設と円滑な運営体制を確立していくとともに、安心して避難所生活を送っていただけるよう、女性や高齢者などに配慮した備蓄品の配備、民間企業や遠隔地の自治体と物資の供給・人材派遣などにかかわる協定締結も進めてまいります。
 帰宅困難者対策としましては、今後、鉄道事業者や駅周辺の民間企業など関係者で構成する対策協議会を設立し、情報連絡体制や帰宅困難者の安全確保などの対策に取り組んでまいります。
 次に、「消防行政」についてでありますが、建て替え工事を進めている赤坂消防署につきましては、本年4月より業務を開始してまいります。また、救急・火災における119番通報につきましては、本年4月から千葉市内の「ちば消防共同指令センター」での受信体制と、各消防本部への指令体制が確立され、消防車や救急車の無線管制などの通信指令業務も共同で行っていくこととなります。これにより、県内面積の約8割で発生する災害情報を共有し、相互の応援体制の迅速化が図られることになります。今後も消防力の充実・強化を積極的に進めてまいります。
 次に、「防犯対策」につきましては、犯罪抑止重点地区をはじめ、児童・生徒の安全確保のため、不審者情報が多発している地区や、表参道の公設駐車場において、防犯カメラの新設・増設を行うなど、安全かつ安心して暮らせる地域社会の実現を図ってまいります。
 次に、「環境政策」についてでありますが、地球温暖化防止対策や資源循環型社会の形成など、今日の複雑・多様化した環境問題に積極的に取り組むため、市民の皆さまや事業者の方々との連携を図りながら、環境基本計画などに掲げた、各種施策の展開を図ってまいります。
 まず、地球温暖化防止対策でありますが、太陽光発電は、再生可能エネルギーの中で重要な位置づけとなっておりますことから、今後も住宅用太陽光発電システム設置費への補助を継続し、普及促進に努めてまいります。
 次に、「ごみの分別区分」につきましては、成田富里いずみ清掃工場の稼働に伴い、9分別となりました。引き続き分別区分のポイントなどを、より分かりやすい形でお示しし、周知徹底を図るとともに、新たに増えた「紙、布、衣類」、「ペットボトル」、「プラスチック容器包装」の3区分につきましても、ごみの減量化及び再資源化を推進してまいります。
 また、「福島第一原子力発電所の事故に伴う放射線対策」につきましては、市内各地点の放射線量の測定による継続的な監視と、市民の皆さまへの情報提供、放射線測定器の貸し出しを、引き続き実施してまいります。
 次に、「いずみ聖地公園」につきましては、新たな市民の墓地需要に対応するため、芝生墓地388区画の募集を実施してまいります。
 なお、「成田富里いずみ清掃工場の関連付帯施設の整備」につきましては、清掃工場から発生する余熱を有効利用した温浴施設をはじめ、多目的広場などの整備を進めてまいります。
  • 運用を再開する赤坂消防署の遠景写真

市民と行政が協働する効率的な自治体運営を行う

 6番目は、『市民と行政が協働する効率的な自治体運営を行う』について申し上げます。

 人々が暮らしやすい社会を形成する基盤として、日頃から住民同士の交流を促し、その連帯を強めることが、助け合いの精神を育み、豊かな社会の創造につながるものと考えております。
 そのきっかけづくりの1つとして、本年7月より「公津の杜 複合施設」内にコミュニティセンターを開設し、市民の自主的活動の場と、世代を超えた相互交流の機会を提供してまいります。
 次に、多様化する市民ニーズに対応した「行政サービスの提供」についてでありますが、市役所窓口の混雑緩和や利便性の向上を 図るため、総合窓口の開設や毎週日曜日の休日窓口サービスの実施など、利用される方々の立場に立った窓口サービスの向上に努めてまいりました。
 新年度は、住民基本台帳カードを利用して、最寄りのコンビニエンスストアにおいて、住民票や印鑑登録証明書、戸籍謄本などを取得することができる「証明書コンビニ交付事業」を実施し、さらなる利便性の向上を図ってまいります。
 次に、男女共同参画社会の形成を促進していくため、市民の皆さまの自主的な活動や相談所の拠点施設として活用できる、「男女共同参画センター」の整備を進めてまいります。
 次に、市政に対する市民の方々の声を幅広くお聞きし、市民参画による市政の推進を図るため、登録制によるモニターを対象に、市の施策に対するアンケート調査を行い、今後の市政運営の基礎資料として活用する「市政モニター制度」を実施してまいります。
 次に、「市の内部組織」についてでありますが、従来の「スタッフ制」を見直して、指揮命令系統であるラインを強化するとともに、事務の効果的・効率的な処理ができる課内組織として、「係制」を4月から整備してまいります。
 また、本市は、平成26年に「市制施行60周年」という記念すべき年を迎えることとなります。そこで、市民1人ひとりが豊かな自然と、先人の築き上げた歴史・文化・伝統を再認識するとともに、本市の更なる発展と将来に向けた飛躍を誓い、市民の皆さまとともに祝う記念事業を平成26年1月から展開してまいります。
 
 以上、市政に臨む私の所信の一端と、平成25年度の主要施策の概要を申し上げました。

 次世代に誇れる空の港まち『住んでよし、働いてよし、訪れてよし』という将来を見据えた成田のまちづくりのため、平成25年度も、粉骨砕身の覚悟で市政運営に取り組んでまいる所存であります。
 議員各位並びに市民の皆さまのご支援とご協力を重ねてお願い申し上げまして、平成25年度の施政方針といたします。
このページに関するお問い合わせ先

企画政策部 秘書課

所在地:〒286-8585 千葉県成田市花崎町760番地(市役所行政棟3階)

電話番号:0476-20-1502

ファクス番号:0476-24-0062

メールアドレス:hisho@city.narita.chiba.jp