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更新日:2011年10月17日

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平成23年度施政方針(平成23年3月定例市議会)

 平成23年3月定例市議会の開会にあたり、平成23年度の施政方針と所信の一端を申し上げ、議員各位並びに市民の皆様のご支援とご協力をお願い申し上げる次第であります。
 はじめに、昨年12月の市長選挙におきましては、市民の皆様の審判を仰ぎ、再度市政のかじ取り役という重要な職責を担うことができましたことは、ひとえに議員各位と市民の皆様のご支援、ご協力の賜物であると心より感謝を申し上げる次第であります。
 私は、これまでの4年間において、クリーンな市政と開かれた市政を確立するため、入札制度改革を進める中、山積する諸課題、とりわけ空港の諸問題への取組み、福祉や教育の充実など、市民サービスの向上のため、渾身の力を振り絞って努めてまいりました。
 ここに、2期目の市長として、初心に返り、市のさらなる発展と市民の皆様の幸せのため、「成田から日本を元気にしよう」という気概を持って、地域の発展スパイラル、循環型成長を引き起こし、成田市の未来のために豊かさを実感できるまちづくりを目指して、一意専心、山積する主要事業や諸課題に立ち向かっていくことをお約束いたします。
 また、市民のニーズや生活上の課題を的確に把握し、それらを市政に反映させるため、引き続き徹底的な現場主義を貫き、行政サービスの向上に努めてまいりたいと考えております。
 さて、我が国の経済は、平成21年前半をピークとする世界同時不況の中、中国をはじめとする新興国の需要拡大と、自動車や家電購入支援などの内需刺激策の効果によって、ようやく景気が底を打ち、緩やかな回復基調を示したものの、円高や支援策縮小の反動、落ち込んだままの雇用情勢などから、内需は依然として低迷を続けており、経済の先行きは、世界景気の持ち直しを待ちつつ、本年後半におけるプラス成長を期待するという状況であります。
 このような社会状況の中にあっても、なお一層、市民生活の安全、安心を確保することに努めるとともに、明日の市民の幸せを見据え、今やらなければならない施策や事業を着実に進めていくことが必要であると考えております。
 本市の財政状況は、健全化判断比率などの財政指標におきましても健全性を保っておりますが、依存財源が削減される傾向にある上に、経済情勢の影響を受けて、個人市民税における減収が見込まれ、法人市民税の増収見込みを相殺する状況であります。
 一方、歳出面では、扶助費などの義務的経費が引き続き増加する中で、少子・高齢化対策、地域医療対策、地域経済対策、成田空港関連事業、施設の老朽化への対応をはじめとする、早急に取り組まなければならない課題が山積していることに加え、駅前再開発事業や新清掃工場整備事業などの都市基盤の整備や学校適正配置事業など、多額の財政負担を伴う大規模な主要事業を着実に進めていかなければならないことから、本市の財政を取り巻く状況は、将来にわたってまで楽観できるものではないと認識しております。
 このような状況の中で、平成23年度の予算編成においては、「総合5か年計画2011」の初年度にあたり、市民サービスの充実を第一に、名実ともに「豊かさを実感できるまちづくり」を目指して、より一層の経費節減に努めることはもとより、これまで積み立ててきた各種基金の活用も図りつつ、効率的かつ効果的な予算編成に努めたところであります。
 平成23年度一般会計では、対前年度比9.8パーセント増の628億円、水道事業会計を含む特別会計を加えた全体では、8.1パーセント増の865億円余の予算を編成したものであります。
 以下、総合計画の6つの大綱に沿って、平成23年度の主な施策の概要につきまして申し上げます。
  • 挨拶をする市長の様子

世界との交流拠点として市民が誇れる都市をつくる

 1番目は、『世界との交流拠点として市民が誇れる都市をつくる』についてであります。

 成田空港は、社会経済情勢の変化に影響を受けながらも、着実に成長を遂げており、平成21年度の実績で申し上げますと、その運用状況は、航空機発着回数が約19万回、利用者数が約3,300万人、貨物量は約196万トンであり、現在、世界の95都市と結ばれる、わが国を代表する国際基幹空港として、その役割を担い続けており、本市も空港を核として飛躍的な発展をしてまいりましたが、羽田空港の24時間国際ハブ空港化をめぐり、成田空港を取り巻く情勢は、大変厳しい局面を迎えることになりました。
 昨年の10月には、羽田空港の4本目の滑走路の供用が開始され、アメリカやヨーロッパの主要都市への国際定期便が就航するなど、羽田空港の24時間国際空港化がスタートいたしました。
 一昨年、当時の前原・国土交通大臣による「羽田空港の24時間国際ハブ空港化」発言以来、羽田の国際化への世論の期待が高まる中で、「遠い、不便」と言われ続けてきた成田空港については、将来への不安、危機感が高まっておりました。
 これを打開するため、成田空港の機能の拡充や、新たに成田空港と地域の魅力を引き出すことを目指し、空港と地域が一丸となって取り組み、「成田ブランド」を構築することが喫緊の課題となりました。まさに、「危機を転じて成長に向けて取り組む」ことが、羽田の国際化に対する最良の対抗策であると考えました。
 そのような中で、成田空港の容量拡大につきましては、昨年の10月13日に、国、千葉県、空港周辺9市町と空港会社で構成する「成田空港に関する四者協議会」におきまして、現在の22万回を30万回まで拡大することについて合意がされました。
 ここに至るまでには、私も騒音地域の住民説明会に何度も足を運び、地域住民の皆様と話し合いを続けてまいりました。説明会の中では、騒音地域に今後も住み続けなければならない方々が、30万回になることによる生活環境の変化や将来についての不安を強く感じていることを、改めて認識したところであります。
 しかしながら、羽田空港の本格的な国際化が間近に迫り、成田空港が将来の国際航空需要に的確に対応しなければ、国際基幹空港としての地位が危うくなるという危機感を抱き、本市の発展に必要不可欠な成田空港のさらなる発展によります、将来世代の生活水準の向上や雇用の確保のために、時期を失することなく、30万回への容量拡大について合意することを決断した次第であります。
 騒音地域の住民の多くの皆様には、空港の容量拡大の必要性などにつきましては、基本的にはご理解をいただけたものと思っておりますが、発着回数が大幅に拡大することによる生活環境の悪化を懸念する厳しいご意見や、移転対象区域の拡大など、様々なご意見やご要望をいただきました。
 このようなことから、市といたしましては、騒音地域の住民の皆様と、騒音対策や地域振興策について協議をしていくために、新たに立ち上げました「成田空港騒音対策検討委員会」において、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 今後も、引き続き航空機騒音の影響を受けることとなる空港周辺地域につきましては、騒音や環境対策、地域共生策などに十分配慮し、成田空港を国際基幹空港として発展させていくとともに、周辺地域の一層の活性化を図ってまいりたいと考えております。
 また、平成21年度から2カ年で実施いたしました、空港立地を活かした周辺地域調査事業における重点地区の土地利用方針の具体化に取り組んでまいります。
 さらに、成田空港の利用を促し、地域の経済活動や雇用の成長を図るため、外部マーケットからみた空港と地域の魅力を創出し、空港と地域が一体となった「成田ブランド」を構築するとともに、併せて戦略的情報発信に向けた取り組みを行ってまいります。
 次に、首都圏北部や県西地域と成田空港とのアクセス強化や沿線地域相互の交流と連携を図るため、北千葉道路の整備を促進するとともに、首都圏の道路交通の円滑化と沿線地域の活性化を図るため、首都圏中央連絡自動車道の整備を促進してまいります。
 また、都市基盤の骨格をなす都市計画道路の整備につきましては、大蕪新宮線と湯川線の完成により、成田ニュータウンにおける駅への交通の利便性の向上を図ってまいりましたが、さらなる交通機能の強化を図るため、赤坂台方線、大袋線、ニュータウン中央線につきましても、引き続き整備を進めてまいります。
 観光立市を推進する本市の魅力をさらに向上させ、生活空間の質的な向上を求める市民ニーズにも応えるため、景観法に基づく景観計画の策定や景観条例の制定を目指し、計画の原案を策定してまいります。
 次に、JR成田駅東口の再開発事業につきましては、平成22年度から本格的に事業に着手したところであり、平成25年度の完成を目指して、着実に事業を進めてまいります。
 また、都市公園や緑地は、市民生活にうるおいを与える緑豊かな都市形成に欠かすことのできない都市景観であることから、市民が憩い、いつでも安心して利用できるように、良好な管理に努めてまいります。
 平成18年度より整備を進めてまいりました(仮称)下総親水広場整備事業につきましては、本年4月に下総利根宝船公園としてオープンするとともに、三里塚記念公園につきましても、防空壕と貴賓館が歴史的、かつ、文化的にも大変貴重な施設であることから、観光資源としての活用を図り、一般公開を進めてまいります。
 次に、コミュニティバスにつきましては、交通の不便な地域と市街地の公共施設を行き来するための、市民の重要な交通手段であることから、一部路線の変更を加えながら、引き続き7路線で運行を行ってまいります。
 今後も、コミュニティバス等交通会議におきまして、各地域の利用者のご意見やご要望を反映させながら、できる限り地域の需要に応じた運行を行うことで、交通の利便性の向上に努めてまいります。
  • 成田空港の空港写真

市民がいきいき働く、活力ある産業を育てる

 2番目は、『市民がいきいき働く、活力ある産業を育てる』について申し上げます。

 観光は、地域の活力や文化を内外に発信する有力な手段であり、地域経済に刺激を与え、各種産業の活性化や市民生活の豊かさの向上につながります。
 本市は、日本の空の玄関である成田空港を擁する一方、成田山新勝寺や宗吾霊堂などをはじめとする歴史と伝統のある寺社や豊かな自然など、多くの観光資源に恵まれております。
 そのようなことから、国際観光都市にふさわしい景観を形成し、観光名所へと発展を図るため、取香川と根木名川流域から市街地までの間に、桜などの植栽や遊歩道の整備を行う花の回廊整備事業を引き続き進めてまいります。
 また、さらなる観光PRを図り、本市がより親しまれるよう、観光キャラクター「うなりくん」のテーマソングを新たに作成するなど、「うなりくん」を積極的に活用した観光キャンペーン活動を行ってまいります。
 さらに、今後増加することが予想される中国人観光客をはじめとする外国人観光客の受け入れや、テレビや映画などのロケ地の誘致を強化し、テレビやラジオをはじめとする各種メディアやインターネットを活用して、おもてなしの心あふれる観光のまち成田のイメージを広く市内外に発信し、観光客はもとより、すべての皆様に「訪れてよし」と満足していただけるよう、おもてなしの観光行政を進めてまいります。
 次に、商工業の振興につきましては、依然として厳しい経済状況が続いている中、地域経済の発展による雇用の創出は、市民の安定した生活にとって欠かせないことから、国の緊急雇用創出事業を活用し、市において臨時職員を雇用するとともに、民間企業に失業者の雇用と研修を委託し、緊急的な雇用の創出と人材育成を図ってまいります。
 また、中小企業の資金調達が円滑にできるよう、中小企業資金融資制度の運用を迅速に行うとともに、利用者の負担軽減を図るため、利子の一部を助成することにより、市内の中小企業を支援してまいります。
 さらに、市内の商工業の総合的な振興を図るため、商工業団体に対して助成を行うとともに、雇用につながる企業誘致の推進に努めてまいります。
 次に、農業行政についてでありますが、農業従事者の高齢化、担い手の減少、農産物価格の低迷に加えて、TPPへの対応など、農業を取り巻く環境は、依然として厳しい状況にあります。
 そのような中にあって、国においては、食と農林漁業の再生推進本部などの設置により、持続可能な力強い農業を育てるため、農業改革のあり方などについて検討を開始し、本年6月を目途に基本方針を策定することとしております。
 また、水田農業を対象として、事業の効果や円滑な事業運営を検証するために、モデル事業を実施しております戸別所得補償制度につきましては、平成23年度から本格的に制度を運用し、米だけではなく、麦や大豆などの畑作物も含めて、実施してまいります。
 このような新しい国の施策を踏まえながら、担い手の育成確保など、農業経営の基盤強化に努めてまいります。
 また、食育を視野に入れた地産地消の促進、ブランド産品の育成や消費者ニーズに対応した付加価値の高い農業の振興を図るとともに、農業の普及宣伝を積極的に行い、都市と農村の交流を進めてまいります。
 さらに、食の安全と安心を確保し、市民一人ひとりが健やかで、心豊かな人間性を育む食育を推進するため、平成23年度からスタートする食育推進計画に基づき、保健、保育、教育など様々な立場の関係者と連携、協力を図り、本市の特性を活かした取り組みを推進してまいります。

市民一人ひとりの健康で生きがいを持った生活を支える

 3番目は、『市民一人ひとりの健康で生きがいを持った生活を支える』につきまして申し上げます。

 はじめに、子育て支援についてでありますが、都市化や核家族化の進行、地域社会における地縁的なつながりの希薄化などにより、子育て家庭を取り巻く環境が大きく変化する中で、仕事をしながら、安心して、子どもを産み、育てることができる地域社会を実現していくことが重要であると考えております。
 そこで、これまで小学校6年生までのお子さんを対象に行っておりました医療費の助成を中学校3年生まで拡大し、子育て家庭の経済的負担の軽減を図ってまいります。
 次に、保育園の整備についてでありますが、保育施設の快適な環境の整備とその充実を図るため、開設後30年を超えるニュータウン地区内の各保育園につきまして、順次、大規模改修を行うための代替施設となる仮設園舎の整備を進めてまいります。
 また、児童ホームの整備につきましては、本年4月より中台児童ホームを中台小学校の校舎内に移設するとともに、向台小学校の敷地内に建設中の向台児童ホームと向台第2児童ホームをオープンいたします。さらに、はなのき台地区の人口の増加に伴い、児童が急増する吾妻小学校の敷地内に、児童ホームの整備を進め、放課後における留守家庭児童の健全育成の充実を図ってまいります。
 次に、高齢者福祉につきましては、第5期介護保険事業計画の策定を行い、高齢者が住み慣れた地域で自立した生活が継続できるよう、包括的、かつ、継続的な支援を行うとともに、地域の身近な相談窓口として、地域包括支援センターの整備を進めてまいります。
 また、公共交通機関を利用することが困難な高齢者が、通院や買い物などのために利用することができる新たな交通手段として、乗合型の移送サービスの導入に向けて、東京大学が開発したオンデマンド交通システムを利用した実証実験を行ってまいります。
 次に、障がい者福祉につきましては、障がいのある方が自立した日常生活を営むことができるよう、必要な障がい福祉サービスなどを身近な地域において計画的に提供するため、「第3期障がい福祉計画」を策定いたします。
 また、こども発達支援センターにおける療育内容を充実させるため、訓練室などの増築に向けて設計を行うとともに、障がい者の雇用の機会を拡大するため、公共施設において、就労のためのモデル事業を実施してまいります。
 次に、昨年4月から県内の市町村に先駆けて開始いたしました、子宮頸がん予防ワクチンとヒブワクチンの予防接種費用の一部助成につきましては、本年1月より全額助成に拡充するとともに、新たに小児用肺炎球菌ワクチンにつきましても、全額助成の対象に加え、市民の生命を守るとともに、家計の負担の軽減を図ってまいります。
 また、新たに、65歳以上の高齢者を対象に、肺炎球菌ワクチンの予防接種費用の一部を助成することで、高齢者の死亡原因につながりやすい肺炎を予防し、高齢者の健康で、元気な暮らしを支援してまいります。
 さらに、健康増進法に基づき実施しております特定健康診査と一般健康診査の検査項目に、新たに貧血と腎機能の検査を追加し、検診の充実に努めてまいります。
 次に、深夜、早朝における初期救急医療体制の確保につきましては、市で経費を負担し、引き続き成田赤十字病院に対応していただくことで、現在の救急医療体制を維持するとともに、急病診療所の内科と小児科につきましては、ゴールデンウィーク、お盆や年末年始における、午前10時から午後5時までの時間帯での診療を開始し、年間を通じて無休で対応できることになり、救急医療体制の拡充を図り、市民の健康を支えてまいります。
  • 親子と記念撮影をするうなりくんの様子

市民が地域文化を愛し、次代を担う心豊かな人材を育む

 4番目として、『市民が地域文化を愛し、次代を担う心豊かな人材を育む』につきまして申し上げます。

 昨年ノーベル化学賞を受賞したアメリカのパデュー大学の特別教授であります根岸英一先生は、若者たちに繰り返し、夢に向かって努力する大切さを述べております。教育とは、子どもたちの夢の追求を支援することであり、次代を担う子どもたちが、将来その夢を実現し、リーダーとして国際的に貢献できる人材に成長することによって、世界の未来を変えていきます。教育のあり方が、人類の未来を決めると言っても過言ではないことから、引き続き教育につきまして全力をあげて取り組んでまいります。
 まず、学校適正配置についてでありますが、本年4月より中郷小学校を美郷台小学校へ統合するとともに、久住第一小学校と久住第二小学校を統合し、久住小学校として新たな出発をしてまいります。これに伴いまして、久住小学校の増築と大規模改造工事を進めてまいります。また、下総地区の4つの小学校が平成26年4月に統合する運びとなり、統合小学校の建設に向けて、実施設計を行ってまいります。さらに、西中学校の分離新設校として公津の杜中学校の新築工事に着手するとともに、公津の杜小学校の増築工事を進めてまいります。
 また、小中学校施設の耐震化につきましては、向台小学校、橋賀台小学校と大須賀小学校の屋内運動場の補強工事を実施することにより、耐震診断で補強が必要とされた学校施設の工事がすべて完了いたします。
 今後も、子どもたちに必要な体験と学習機会を提供できるよう、議会と地域住民の皆様と十分に協議を行いながら、子どもたちにとってより良い教育環境の実現のため、学校適正配置の推進と施設の整備に努めてまいりたいと考えております。
 また、子どもたちが各小中学校においてしっかりとした学力を身につけ、心豊かに、たくましく成長していけるよう、きめ細かな対応に努めてまいります。
 具体的に申し上げますと、各小中学校に少人数学習推進教員や特別支援教育支援員などを配置し、子どもの個性や能力に応じた教育を推進してまいります。また、比較的規模の大きな学校には、養護教諭とともに子どもたちの心と身体の健康づくりを進めるため、健康推進教員を配置し、さらに複式学級ができるような小規模学校においては、各学年に応じた学習や生活指導の充実を図るため、小規模学校支援教員を配置するなど、学校規模の大小にかかわりなく、いずれの学校におきましても、きめ細かな指導を行うことで、一人ひとりの子どもたちの力が十分に発揮できる教育の実現に努めてまいります。
 次に、本市の特徴的な教育の一つであります国際理解教育についてでありますが、本年4月からは、国内すべての小学校において、高学年の学習内容として新しく外国語活動が加わり、英語の授業が実施されることになりました。
 本市におきましては、10年前より英語活動の研究・開発を進めており、市内全小中学校への外国人英語講師の配置や本市独自のカリキュラムを作成するなど、日本の小学校英語教育をリードする立場となっております。
 今後も、小学校1年生からの英語科学習の充実を図り、子どもたちの実践的なコミュニケーション能力の育成に努めてまいります。
 次に、学校給食についてでありますが、今後も栄養豊かで、バランスのとれた給食を提供するとともに、主食となる米はもとより、生鮮野菜につきましても、地産地消や食育の観点から、極力、成田産を使用し、安全で安心な給食の提供に努めてまいります。
 また、老朽化している給食センター本所と玉造分所に替わる、新たな調理施設の整備につきましては、このたび策定いたしました学校給食施設整備実施計画に基づき、親子方式により整備してまいります。これによりまして、食物アレルギーへのきめ細かな対応や温かい給食の提供が可能となり、栄養指導や地産地消などの食育を推進できる施設となります。
 次に、次代を担う若者が、グローバルな時代に対応した知識を習得できる高等教育の場を身近にするとともに、地域医療の充実を図るための施策も視野に入れ、医科系大学の誘致に関する経済効果などの基礎的調査を実施してまいります。
 次に、市民の生涯を通じた学習意欲に応えることはもちろんのこと、生きがいや自己実現を求める市民の意識や志向が、今後ますます多様化し、かつ、高度化していくことから、平成23年度からスタートする「第2次生涯学習推進計画」に基づき、生涯学習に関する各種事業を展開してまいります。
 まず、高等学校等開放講座や高齢者の学習の場である生涯大学院につきましては、講座の内容のさらなる充実を図り、より専門的な学習の機会を提供しております「明治大学・成田社会人大学」につきましては、15周年の節目を迎えることから、記念講演などを開催してまいります。
 また、児童を対象とした安全・安心な活動拠点を設け、地域住民の参画を得ながら、子どもたちが学習、スポーツ、文化活動を通じて地域住民との交流活動を行う「放課後子ども教室推進事業」の充実を図るとともに、幼児期及び小中学校家庭教育学級を開催してまいります。
 また、市役所本庁舎1階ロビーと議場を会場として、市内の音楽家や音楽団体により演奏を行う「ふれあいコンサート」を開催し、市役所を訪れる皆様に憩いと安らぎの場を提供するとともに、芸術文化の振興を図ってまいります。
 さらに、地域文化の活性化と全国各地の地芝居団体との交流を目的として、「第21回全国地芝居サミット・イン・成田」を開催し、民俗文化財である伊能歌舞伎などの活動を紹介し、本市の地芝居を広く全国にPRしてまいります。
 次に、生涯スポーツの振興についてでありますが、スポーツを愛し、スポーツを通して、健康な心と体を育み、明るく豊かな成田市を築くことを目的とする「スポーツ健康都市宣言」の趣旨を踏まえ、平成23年度からスタートする「第2次生涯スポーツマスタープラン」に基づき、市民のスポーツ・レクリエーション活動の推進と各種スポーツ施設の整備・充実に努めてまいります。
 市民の健康増進とスポーツ活動を促進するため、平成19年度から整備を進めてまいりました久住パークゴルフ場につきましては、本年6月のオープンを予定し、さらに、ニュータウンスポーツ広場につきましては平成24年4月の供用開始を、公津スポーツ広場につきましては平成25年4月の供用開始を目指して、引き続き整備を進めてまいります。
 また、新たに、畑ヶ田地区におきまして、多目的に活用できるスポーツ広場の整備も進めてまいります。
  • 英語科教育の様子

市民が安全、安心、快適に暮らせる生活環境をつくる

 5番目は、『市民が安全、安心、快適に暮らせる生活環境をつくる』につきまして申し上げます。

 近年は、ゲリラ豪雨と呼ばれる局地的な大雨による内水はん濫をはじめ、突風や竜巻などによる被害が、日本各地で発生しております。また、地震につきましても、今後、東海地震や南関東直下型地震などによる大規模災害の発生が懸念されており、このような災害による被害を最小限にとどめるためには、地域防災力の向上が必要不可欠となっております。
 このため、自らの身は自分で守るという「自助」と、自分たちの住んでいる地域は自分たちで守るという「共助」により、地域防災を担う自主防災組織の育成に取り組むとともに、災害時の応急活動が的確に行えるよう地域防災訓練などを支援し、必要な知識と技術の普及に努め、地域防災力の向上と減災体制の強化に努めてまいります。
 次に、消防行政についてでありますが、赤坂消防署・庁舎整備事業につきましては、既存庁舎の解体と新庁舎の建設工事に着手し、工事期間中も市民の安全、安心を確保するため、赤坂消防署の機能を公津分署内に移転し、業務を行ってまいります。
 また、複雑・多様化する消防需要に広域的に対応し、かつ、高度でより専門性の高い指令業務を実現するため、県域一帯の消防救急無線のデジタル化を整備するとともに、千葉県内を2つのブロックに分けて、県下消防本部が指令業務を統一的に運用できるよう、平成25年度より共同指令センターを開設するための工事を進めてまいります。
 次に、市内の建築物の耐震化につきましては、市の施設の耐震補強設計や耐震改修工事を引き続き実施するとともに、木造住宅の耐震相談会を開催し、耐震診断と耐震改修を支援することにより、建築物の耐震化の促進を図り、災害に強いまちづくりの推進に努めてまいります。
 次に、防犯対策につきましては、「防犯まちづくり推進計画」により、市民が安全で安心して生活することができる地域社会を実現するための施策を推進してまいります。
 JR成田駅西口に設置しております駅前番所、そして、その効果を市内全域に拡大するための移動えきばんの運用をはじめとして、児童・生徒の安全を確保するための通学路における防犯広報啓発パトロール、地域防犯推進員による市民と協働したパトロールなどを引き続き実施してまいります。
 また、犯罪抑止重点地区に指定された地域に街頭防犯カメラを設置し、人の目による防犯活動を補完することで、犯罪の抑止効果を高めてまいります。
 次に、環境政策でありますが、地球温暖化防止対策や資源循環型社会の形成など、今日の複雑・多様化した環境問題に積極的に取り組むため、「環境基本計画」や「一般廃棄物処理基本計画」に基づき、市民や事業者の皆様と連携して施策の展開を図ってまいります。
 新清掃工場の整備につきましては、昨年に引き続き、環境にやさしい施設の完成に向けて、工事を進めるとともに、新清掃工場から発生する余熱を有効に利用する温浴施設や多目的広場などの整備も進めてまいります。
 また、いずみ聖地公園拡張整備事業につきましては、さらなる市民の墓地需要の増大に対応するため、第2期拡張工事の実施設計を進めてまいります。
  • 応急対応の様子

市民と行政が協働する効率的な自治体運営を行う

 6番目は、『市民と行政が協働する効率的な自治体運営を行う』についてであります。

 はじめに、市役所は最大のサービス業であることから、利便性の高い市役所を実現するため、毎月第2・第4日曜日に実施しております休日の窓口サービスを、毎週日曜日の実施へと拡充するほか、住所の異動や戸籍の届け出に関連して発生する各種手続きをはじめ、各種証明書の発行などを1カ所で行うことができる総合窓口を設置し、窓口サービスのさらなる充実を図ってまいります。
 次に、自主財源を確保するとともに、市民負担の公平性を確保するため、市税や国民健康保険税のほか、介護保険料、後期高齢者医療保険料、保育料、下水道使用料などの未収債権の徴収を一元的に行う部署を新設し、さらなる収納率の向上を図ってまいります。
 また、すでに実施しております軽自動車税に加え、新たに、その他の市税と国民健康保険税につきましても、自宅のパソコンや金融機関のATMから納付できるよう、納付手段の拡充を図ってまいります。
 次に、市民が主役のまちづくりの実現のため、市民参加による各地区の個性を活かした地域社会づくりを展開し、コミュニティセンターなどの整備を推進しているところであります。その一つとして、市民の自主的な活動と世代を超えた相互交流を促す施設として、コミュニティ機能を核とした、公津の杜複合施設の建設を進めてまいります。
 
 以上、市政に臨む私の所信の一端と、平成23年度の主要施策の概要を申し上げました。
 この春に大学を卒業する予定である学生の約3分の1の若者が、未だに就職が決まっていないという、深刻な雇用情勢が続く中で、本市を取り巻く社会経済状況も、明るい兆しがはっきりと見えないことから、市民の皆様も子育てや将来に対する不安がつのるばかりとなっております。
 テレビ番組などでお馴染みの、脳と心の関係について研究を行っている、脳科学者の茂木健一郎先生は、「逆境に置かれると、脳は自分の欠点さえも長所に変えて、乗り越えようとする。」と述べております。逆境とも言えるような、先行き不安な社会経済状況の中にあってこそ、職員とともに、これまで培ってきた知識や経験を結集し、市民の幸せと若者が希望を持てる明るい未来というゴールを目指し、ひとつひとつ、確実にハードルを乗り越えてまいりたいと考えております。
 平成23年度は、「住んで良し、働いて良し、訪れて良し」の生涯を完結できる空の港町づくりにさらに磨きをかけ、12万6千市民と一体となって、名実ともに豊かさを実感できるまちづくりを目指して、心血注いで市政の運営に取り組んでまいる所存であります。
 議員各位並びに市民の皆様のご支援とご協力を重ねてお願い申し上げまして、平成23年度の施政方針といたします。
  • 窓口サービスの様子
このページに関するお問い合わせ先

企画政策部 秘書課

所在地:〒286-8585 千葉県成田市花崎町760番地(市役所行政棟3階)

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