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更新日:2015年4月6日

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平成27年度施政方針(平成27年3月定例市議会)

 平成27年3月定例市議会の開会にあたり、平成27年度の施政方針と所信の一端を申し上げ、議員各位、並びに市民の皆さまのご支援とご協力をお願い申し上げる次第であります。
 昨年末の市長選挙におきましては、27年ぶりとなる無投票当選で、3度市政を担わせていただくことになりました。選挙での審判も重いわけでありますが、無投票による有権者の皆様からの委任も、選挙での審判同様に重く受け止めており、身が引き締まる思いであります。
 平成19年1月の初当選では、『住んで良し、働いて良し、訪れて良し』をスローガンとした「まちづくり11指針」を公約に掲げ、平成22年12月の2期目では『豊かさを実感できるまちづくり』を公約に掲げました。
 この間、公約に掲げた事業は「成田市総合5か年計画」などに位置づけ、着実に実行に移し、ほぼ達成することができました。今後は、3期目の重責を自覚し、「新たな挑戦」をキーワードに、市民の皆さまが豊かさと温かみを実感できるよう、全力で市政運営に取り組んでまいります。
 昨年は、「市制施行60周年」という節目を迎え、成田空港内での初めて開催した成人式を皮切りに、年間を通じて様々な記念行事やイベントを開催し、市民の皆さまをはじめ、関係者の方々にご協力いただきましたことに、改めて御礼申し上げます。
 「市制施行60周年記念式典」では、地元高校生による司会進行と、全国でトップレベルの成績を修めた市内各高校の部活動の演技の披露、そして若者によるドリームセッションが来場者を魅了するなど、次代を担う若い力の可能性と今後の成田の希望を、多くの方々に感じていただけたことと思います。
 また、「地域伝統芸能全国大会」においては、高円宮妃殿下 久子さまのご臨席を仰ぎ、2日間で約20万人の来場者と、BS放送の全国放送など、本市のPRと経済効果に大きく寄与したところであります。全国から出演していただいた方々からも、「また成田に来てみたい」など、有難い言葉を頂き、開催して良かったと実感したところであります。
 また、「全国高等学校総合体育大会 柔道・少林寺拳法競技」では、地元高校生による運営ボランティアをはじめ、開会式では歓迎のあいさつを立派に務めていただきました。特筆すべきは、少林寺拳法競技の組演武・団体の部で地元高校が優勝を飾り、「市制施行60周年」に華を添えていただきました。
 さらに、サンボの世界選手権を本市で開催できたことは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、スポーツツーリズムを推進する本市にとりまして、大変貴重な経験をさせていただいたところであります。
 そのような中、本市は「国際医療学園都市構想」と「エアポート都市構想」を国に提案し、昨年5月に国家戦略特別区域いわゆる国家戦略特区の指定を受けました。国家戦略特区はアベノミクスの成長戦略で目玉政策と位置付けられており、農業や医療などの「岩盤」と言われた規制に風穴を開け、日本の成長をけん引する拠点づくりであります。
 私は、成田空港の開港が成田市発展の第一ステージとするならば、国家戦略特区構想の実現は、成田市の更なる発展の第二ステージであると受け止めております。本市は、東京都、神奈川県とともに「東京圏国家戦略特別区域」として指定されたものですが、全国でわずか6カ所のみの指定であることを考えると、本市の「まちづくり」を推進する上で大きなアドバンテージを手に入れたものと言えます。国家戦略特区は先にも述べたとおり、「岩盤」と言われるような規制に対して大胆な改革を行い、わが国の経済成長の起爆剤となることを目的としています。特区の最大の特徴は地域限定での規制緩和であり、したがって、本市においては、民間企業などに対して、他の地域では実現できないような事業の実施を喚起することが可能になったということであります。
 私は、この国家戦略特区においてのみ認められる規制緩和を活用した事業の実施により、本市のみならず成田空港周辺地域全体を活性化させ、それを千葉県、さらにはわが国全体の経済成長に波及させていくことが、本市に課せられた使命であると重く受け止めているところであります。
 既に、国際医療福祉大学においては、平成28年4月の開学をめざし、看護学部、保健医療学部のキャンパス建設工事が進められています。更に今後、本市での医学部新設が認められれば、その医学部を核として国際的にも活躍することができる医師の養成をはじめ、今後予想される人口減少、少子高齢化社会に対応する質の高い医療・福祉を提供する体制が整います。また、附属病院など関連施設の併設により、新たな雇用の創出や居住人口、滞留人口の増加が見込めるとともに、医療関連など新たな産業の集積や企業誘致の可能性も広がります。
 一方、日本一の国際航空ネットワークを有する成田空港を活用して、従前から本市産業の柱の一つである航空・観光産業の国際競争力を高めるとともに、新たな事業の創出を実現するため、国際物流拠点の整備、訪日外国人の来訪促進、農産物輸出拠点化などにかかる規制改革を引き続き国に働きかけ、国際都市にふさわしいまちづくりを、スピード感を持って精力的に取り組んでまいります。
 さて、我が国の経済は、急速な高齢化を背景とする社会保障費の増加、リーマンショック後の経済危機への対応、名目経済成長率の低迷等などもあり、公的債務負担はGDPの約2倍まで累積するなど、依然として厳しい状況にあります。
 こうした状況の中、国は、強い経済の実現による税収の増加、聖域なき徹底的な歳出削減を一層加速させることにより、経済再生が財政健全化を促し、財政健全化の進展が経済再生の進展に寄与するという、経済の好循環の拡大を実現するとしており、一連の施策を着実に進展させることで、景気回復が一層力強くなると期待しているところであります。
 一方、本市の財政は、歳入では、健全財政を維持するための自主財源の確保はできているものの、歳出では、扶助費、公債費などの義務的経費や道路、橋りょう、学校などの公共施設の維持・更新による経費の増大が見込まれております。
 これらの施策を展開していくためには、貴重な財源の効果的な配分に留意しつつ、これまで構築してきた健全な財政基盤を引き続き将来につなげていくことが必要であります。
 このような視点から、新年度の予算編成においては「総合5か年計画2011」の仕上げの年として、計画事業を着実に推進するとともに、次期総合計画の策定も見据え、自主財源の確保による健全な財政と、地域活力の創出につながる施策を積極的に進め、本市が将来にわたり持続的に発展を続けていくことを主眼に置き、一般会計では、対前年度0.7パーセント減の611億円、水道事業会計を含む特別会計を加えた全体では、3.2パーセント増の897億円余の予算を編成したところであります。
 以下、総合計画の6つの大綱に沿って、新年度の主な施策の概要について申し上げます。
  • 施政方針演説をする小泉市長
  • 公津の杜駅周辺の航空写真

世界との交流拠点として市民が誇れる都市をつくる

 1番目は、『世界との交流拠点として市民が誇れる都市をつくる』についてであります。

 先程も申し上げましたように、私は、国家戦略特区の指定は、本市のさらなる発展に向けたまちづくり第二ステージの幕開けであると考えております。
 国家戦略特区における事業は、区域会議の議論を経て区域計画を策定することにより実施に移されることとなりますが、本市提案の医学部新設につきましては、すでに区域会議の議題に上がり、成田市分科会にて関係省庁とともに諸条件の整備についての議論を進めているところであります。医学部の新設は、先程申し上げたように、本市のまちづくりに様々な効果をもたらすこととなりますので、まずは最優先課題として取り組んでまいります。
 また、これと並行して、成田空港の強みを活かした事業についても、規制緩和に向け関係省庁との協議を続けており、成田国際空港を背景に卸売市場を活用した農産物輸出拠点の整備や、航空・観光産業への外国人 人材活用に向けた規制緩和については、一定の手ごたえを感じているところであります。
 国家戦略特区につきましては、平成27年度までが集中取り組み期間とされておりますので、新年度は企画政策部に「国家戦略特区推進課」を設置し、二つの構想の実現に向け、実効性のある規制緩和策の提案や、関係省庁との協議に全力を挙げて取り組んでまいります。
 次に、成田空港は、昨年3月から航空の自由化を推進するオープンスカイが適用され、締結国の航空会社が「スピーディー」かつ「フレキシブル」に路線展開をすることが可能となりました。また、本年3月には、空港容量が27万回から30万回へと拡大され、ノンストップゲート化の実現や、4月にはLCC専用ターミナルである第3旅客ターミナルの供用が予定されております。空港容量の拡大に伴い、今後も段階的に年間発着回数が増加していくことから、騒音地域にお住いの皆様からご理解をいただけるよう、引き続き、各種補助事業の実施のほか、騒音・環境対策、地域共生策などに十分配慮しながら、生活環境を改善するための事業に取り組んでまいります。
 次に、まちづくり政策の推進についてでありますが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催も見据え、昨年からオリンピック出場チームの合宿や、大会キャンプ地誘致に向けてのプロモーション活動の調査などに取り組んでまいりました。特に、本年8月に北京で開催される「世界陸上競技選手権大会」の直前合宿地として、千葉県、佐倉市、順天堂大学とともに誘致活動に取り組んだ結果、アメリカ陸上チームの合宿誘致に成功いたしました。本年も、昨年行ってきた調査などをもとに、積極的に合宿や各種大会誘致に向けた活動などに取り組んでまいります。
 次に、少子・高齢化の進展、環境負荷の軽減など、都市の抱える各種課題や社会情勢の変化に対応するため、成田のまちづくりの方向性を定める「都市計画マスタープラン」の見直しを進めてまいります。
 また、景観計画では、「未来へつなぐ 自然と歴史と世界が交流する 成田の景観づくり」を推進するため、景観形成重点地区の指定を検討してまいります。
 さらに、JR成田駅東口の再開発事業につきましては、駅前広場の整備を進めるとともに、京成成田駅東口のバリアフリー化を進め、すべての人にやさしい駅前空間の創出と、国際空港都市成田の顔にふさわしい安全で快適な駅前整備を進めてまいります。
  • 空港容量が30万回に増えた成田空港の航空写真

市民がいきいき働く、活力ある産業を育てる

 2番目は、『市民がいきいき働く、活力ある産業を育てる』についてであります。

 観光立市の推進についてでありますが、本市の立地条件を活かし、海外の旅行会社などへ直接プロモーション活動を行うなど、訪日外国人旅行者の来成促進に努めるほか、国内線就航地に対しても成田のシティーセールスを強化し、さらなる観光客の誘致に積極的に取り組んでまいります。これに併せて、新たな観光客層の開拓を図るため、引き続きドラマ・映画などのロケ誘致を行うなど「観光のまち成田」の魅力を発信し、成田ブランドの更なるブランド力の向上に努め、国内外から訪れる観光客の皆様に、これまで以上に「訪れて良し」と満足していただける観光行政を実施してまいります。
 また、年間約40万人が訪れる「成田市さくらの山」に、観光情報の発信や物産販売を行う「空の駅 さくら館」が3月26日に開館することから、新たな観光拠点施設として回遊性の創出と、さらなる観光客の誘客を図ってまいります。
 次に、商工業の振興につきましては、国によるデフレからの早期脱却と経済再生の実現に向けた取り組みにより、国内の景気は回復基調にあり、企業収益や雇用情勢にも改善が見られるところであります。また、成田空港や多くの空港関連企業を抱える本市は、様々なビジネスチャンスに恵まれていることから、創業を希望する人が多く、創業者を支援することが地域経済の発展に大変重要となっております。こうした中、本市では、成田商工会議所と連携して創業者を対象としたセミナーの開催や、中小企業資金融資制度による創業支援資金の貸し付けなどにより、創業者の事業展開を継続的に支援してまいります。
 また、成田空港の機能拡充や圏央道の延伸により、本市の企業立地の優位性が高まり、工場・物流機能の需要は拡大すると予想されることから、企業誘致の奨励措置の対象区域を空港周辺、インターチェンジ周辺などの市内全域に広げ企業誘致を推進し、地元雇用の創出を図ってまいります。
 次に、農業行政につきましては、TPP環太平洋戦略的経済連携協定への対応や米価の下落など、農業を取り巻く環境は非常に厳しい状況にありますが、昨年度スタートした農地中間管理機構を活用するとともに、今後とも農地利用集積円滑化団体と連携して、農地の集積と規模拡大を促進してまいります。また生産性向上のための機械・施設の導入に対する支援、新規就農者や担い手の育成・確保、農道や農業用排水路の計画的な整備など、引き続き農業経営基盤の強化に努めてまいります。
 また、地元農家の方々が中心となって運営している農産物直売所につきましては、新たに「さくらの山」の直売所も開設されることから、引き続き支援とPRに努め、生産者の顔が見える農産物販売により地産地消を推進し、体験農業を通じた都市と農村との交流や、農観連携による観光需要の開拓などについても、積極的に進めてまいります。
 次に、卸売市場についてでありますが、本年度実施した、『卸売市場を活用した農林水産物の輸出拠点化モデル』に必要な輸出拠点機能を有する卸売市場の規模の検討、及び市の財政負担の詳細な把握・分析を踏まえ、市場再整備について改めて成田市公設地方卸売市場運営審議会に諮問する予定であります。新年度は、審議会の答申を踏まえ、早期に市としての意思決定を行い、市場再整備に向けて取り組んでまいります。
  • 3月にオープンした空の駅さくら館の外観写真

市民一人ひとりの健康で生きがいを持った生活をささえる

 3番目は、『市民一人ひとりの健康で生きがいを持った生活をささえる』についてであります。

 核家族化の進展や就業形態の多様化、地域コミュニティの希薄化などにより、子育てに関する不安感や孤立感を抱いている家庭が多くなってきています。こうした中、仕事をしながらも安心して子どもを産み、健やかに育てることができるよう子育て支援策のより一層の充実が急務となっております。
 保育園につきましては、大規模改修により定員の拡大と保育環境の向上を図っているところであり、新年度は「中台保育園」の工事に着手します。また、0歳から2歳の乳幼児の保育需要に対応するため、「小規模保育事業施設」及び「事業所内保育施設」の新規設立を促進するとともに、きめ細やかな運営支援により、待機児童の解消を目指してまいります。
 次に、児童ホームについてでありますが、本年4月には、新たに「八生児童ホーム」及び「公津児童ホーム」を開設し、全ての小学校で児童ホームを利用できる環境を整えるとともに、慢性的に待機児童が生じていた「成田児童ホーム」に隣接して「成田第二児童ホーム」を開設いたします。
 さらに、「公津の杜児童ホーム」、「吾妻児童ホーム」及び「三里塚児童ホーム」の増築工事により定員の拡大を図るとともに、放課後における留守家庭児童の健全育成の充実を図ってまいります。
 また、子育てに関する行政情報をはじめ、民間のサービスや地域情報など、必要な情報をいつでも身近に取得することができ、子育て家庭を応援する「子育てポータルサイト」を創設いたします。
 次に、介護保険事業につきましては、「新しい介護予防・日常生活支援総合事業」の開始に向け、その整備に取り組んでまいります。また、高齢者が住み慣れた地域で自立した生活が継続できるよう、地域包括支援センター職員の増員を図り、高齢者の介護や生活支援などに努めてまいります。
 次に、災害発生時の高齢者、障がい者などの防災施策として、災害発生時の避難に特に支援を要する方を対象とした「避難行動要支援者名簿」を作成し、民生委員、自治会長、消防団、警察などの避難支援関係者に情報を提供することにより、災害時の避難支援、安否確認などに役立ててまいります。
 次に、新たに施行される「生活困窮者自立支援法」に基づき、これまで十分ではなかった、生活保護受給者以外の生活困窮者の自立を支援するため、自立相談支援事業と住宅確保給付金の支給を行うほか、就労準備支援事業、家計相談支援事業、学習支援事業を実施してまいります。
 次に、「市民一人ひとりが健康で、地域社会の中で心豊かに過ごせるまちづくり」と「親と子が健やかに暮らせる社会づくり」を総合的かつ効果的に推進するため、市民、行政、企業及び関係機関などが一体となって取り組むための健康増進に関する行動計画を策定してまいります。
 次に、近年、不妊や不育症に悩み、治療を受けるご夫婦が増加している状況にあります。不妊や不育症の治療は、身体的負担がかかるうえに、治療費が高額になるなどの経済的な理由から、十分な治療を途中で諦めざるを得ない方もおられることから、不妊・不育症の治療費の一部を助成することで、経済的負担の軽減を図ってまいります。

市民が地域文化を愛し、次代を担う心豊かな人材を育む

 4番目は、『市民が地域文化を愛し、次代を担う心豊かな人材を育む』についてであります。

 今日、子どもの教育を取り巻く環境は、少子化の進展や社会構造の変化に伴い、構造的ともいえる様々な問題を抱えるようになっております。
 このような中、教育委員会制度の見直しが行われ、新年度から教育委員会の責任体制の明確化が図られるとともに、新たに首長と教育委員会が教育政策について協議を行う総合教育会議の設置など、首長の教育行政に対する役割もより明確になります。
 新たな制度を活かし、教育委員会と一層の連携を図りながら、学校、家庭、地域が一体となった教育を進めることにより、未来を担う子どもたちが豊かな人間性を育むためのより良い教育行政の推進に努めてまいります。
 まず、学校教育についてでありますが、本市では、全国に先駆けて全小中学校に外国人英語講師を配置し、児童生徒の「実践的コミュニケーション能力の育成」を目指すなど、英語科教育において先進的な取り組みをしてまいりました。また、教育環境の向上においては、学校適正配置の実施や小中学校の普通教室へのエアコン導入など、次代を担う子どもたちのために、特に力を入れてきたものと自負しているところであります。
 また、小中連携教育については、児童生徒の成長を義務教育9年間でとらえ、小学校と中学校のつながりを意識した、きめ細かで系統的・継続的な一貫性のある指導が求められております。本市におきましては、小中一貫教育校として開校した「下総みどり学園」の教育活動の成果を踏まえ、より一層中学校区の特色を生かした小中連携教育の推進に取り組んでまいります。
 次に、学校支援ボランティアについてでありますが、現在、学校教育が多様な課題を抱える中で、地域が様々な形で学校を支援していくことが求められており、学校・家庭・地域が一体となって、地域ぐるみで子どもを育てることが重要であることから、地域住民が学校支援ボランティアとして、学校の教育活動をサポートする体制として「学校支援地域本部事業」を新たに展開し、地域とともに歩む学校づくりを進めてまいります。
 次に、学校施設整備についてでありますが、学校適正配置における大栄地区統合小学校は、中学校との一体型校舎として建設するため、新年度は実施設計に着手いたします。また、「吾妻小学校」「新山小学校」「吾妻中学校」三校の大規模改造工事を実施し、教育環境の変化に対応した施設の整備を図ってまいります。さらに、引き続き小学校のトイレを洋式へ改修する工事を実施するとともに、体育館の天井などの耐震工事を実施してまいります。
 次に、学校給食施設整備につきましては、「公津の杜小学校」における共同調理場の建築工事に取り組むとともに、「美郷台小学校」においても共同調理場の実施設計を行ってまいります。
 次に、本年度より策定作業に着手いたしました、学校教育に関する施策を総合的に推進するための「成田市学校教育振興基本計画」でありますが、本年度に実施した調査結果を踏まえ、有識者や学校関係者からなる策定委員会をはじめ、ワークショップやフォーラム、パブリックコメントなどを通じて、多くの市民の皆様の声を反映しながら策定してまいります。
 次に、高等教育の推進についてでありますが、現在、平成28年4月の開学を目指して、国際医療福祉大学の校舎建設工事が進められております。本年度に引き続き校舎建設工事について補助を行うとともに、開学後は「生涯を通じて学ぶことができるまちづくり」について新たな展開ができるよう、協働事業や地域貢献について大学と協議を進めてまいります。
 次に、生涯学習の推進についてでありますが、JR成田駅東口再開発ビル内に、「スカイタウンホール」及び「スカイタウンギャラリー」を開館し、文化芸術活動の振興と賑わいの場づくりを進めてまいります。
 次に、スポーツ施設の整備についてでありますが、中台運動公園体育館の柔道場や剣道場などに、新たに空調設備を設置し、快適なスポーツ環境を整えるほか、スポーツの振興では、世界の国々や地域から少年少女が参加し、野球教室や交流試合などを行う「世界少年野球大会」を開催します。また、ラグビーフェスティバルなどのスポーツイベントを積極的に誘致するとともに、健康づくりの機会を増やすため、スポーツフェスティバルなどを通じて、市民のスポーツ・レクリエーション活動の推進に努めてまいります。
 次に、公民館についてでありますが、市民の学習拠点として施設環境の整備を進めるため、新年度は大栄公民館大規模改修工事を行うための実施設計を行います。さらにトイレの洋式化など、利用者に安心安全に使っていただける施設づくりに努めていくとともに、地域の絆づくりを推進してまいります。
  • 1年生から9年生で行った体育祭の様子
  • 世界少年野球大会開催の協力を求める王貞治さんの様子

市民が安全、安心、快適に暮らせる生活環境をつくる

 5番目は、『市民が安全、安心、快適に暮らせる生活環境をつくる』についてであります。

 昨年は、台風による大雨や土砂災害、地震、火山噴火などの様々な自然災害が発生し、全国各地で甚大な被害をもたらしました。また、地震予測においては、昨年12月に政府の地震調査研究推進本部の地震調査委員会から公表された「全国地震動予測地図」によりますと、今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率が、関東地方をはじめ東海・近畿地方など太平洋側において高まっており、その切迫度が増しております。
 このようなことから、自主防災組織の結成及び育成、防災講話による啓発、自主防災組織と連携した地域防災訓練などを積極的に支援し、地域防災力の向上に取り組んでまいります。
 次に、指定避難所につきましては、これまでも市内17箇所に防災井戸を設置してきておりますが、さらに避難所における既存の受水槽を有効に活用できるよう、受水槽に給水栓を設置し飲料水や生活用水の確保に努めてまいります。
 次に、消防力の充実強化を図るため、老朽化が進んだ「三里塚消防署庁舎」の建替えに伴い、昨年の基本設計に続き実施設計を行うとともに、赤坂消防署に配置されております屈折梯子車、並びに、三里塚消防署に配置しております水槽付消防ポンプ自動車を更新いたします。
 次に、地域の安全対策としましては、防犯カメラを設置するなど未然に犯罪を抑止するための施策を推進するとともに、犯罪発生情報や不審者情報については、成田警察署と情報共有し、各種防犯パトロールでの警戒強化に反映させ被害の拡大を防ぐなど、市民の方々が安全で安心して暮らせる地域社会の実現に努めてまいります。
 次に、全国的な問題となっている空き家対策につきましては、昨年公布された「空家等対策の推進に関する特別措置法」が新年度には全面施行されることを受け、保安上危険となる恐れのある空き家などに対し、積極的に対応してまいります。
 次に、道路整備についてでありますが、市民の利便性、安全性の向上を図るため、日常生活で利用する生活道路の整備と、国道、県道や市内各地区の主要施設を連結する幹線道路の計画的な整備を進め、安全・安心の道づくりに努めてまいります。また、都市計画道路の整備については、国道及び県道などの主要な幹線道路と一体となって体系的な道路ネットワークを形成するため、引き続き「赤坂台方線、大袋線、ニュータウン中央線」の整備を推進してまいります。
 次に、環境政策についてでありますが、地球温暖化防止対策として、「住宅用太陽光発電システム設置」への補助を継続するとともに、「住宅用燃料電池コージェネレーションシステム」など、住宅用省エネルギー設備への補助を継続することにより、CO2の削減に取り組んでまいります。
 次に、新清掃工場関連付帯施設の整備についてでありますが、成田富里いずみ清掃工場から発生する余熱を有効に利用する温浴施設や、多目的広場などの整備を進めてまいります。
 また、旧いずみ清掃工場については、成田富里いずみ清掃工場が供用開始したことから、安全に十分配慮しながら施設を解体・撤去し、跡地利用として隣接するリサイクルプラザの機能を補完するとともに、清掃工場で発生するスラグを有効活用するため、必要なストックヤードとして整備を進めてまいります。
 次に、環境保全対策についてでありますが、地下水汚染対策として行ってきた浄水器の補助制度について、新年度より耐用年数が超過した浄水器の更新についても補助を行い、市民が安全で安心して飲用できる地下水の確保に努めてまいります。
 また、生活排水による公共用水域の水質汚濁防止対策についてでありますが、合併処理浄化槽の設置費補助金制度の充実を図るとともに、維持管理費補助金制度の普及を図り、合併浄化槽の整備及び適正な維持管理の促進に努めてまいります。
  • 地域防災力強化のために訓練する様子

市民と行政が協働する効率的な自治体運営を行う

 6番目は、『市民と行政が協働する効率的な自治体運営を行う』についてであります。

 本市におきましても、少子高齢化の進展が予想される中で、今後も持続可能なまちづくりを進めていくには、今まで以上に、限られた資源を有効に活用した、より効率的な行政運営が求められており、さらには高度化、多様化する市民ニーズを市政に的確に反映するためにも、幅広い市民参画が一層重要となってまいります。
 そこで、今年度から実施しております次期総合計画の策定にあたりましては、基本計画や実施計画の計画期間の短縮化を図り、本市を取り巻く社会情勢に的確かつ柔軟に対応できる計画とし、さらにはできるだけ幅広く様々な市民の声を計画に反映させることを目的に、無作為抽出した市民によるワールドカフェ形式での市民ワークショップを開催し、多くの市民の貴重なご意見をいただいたところであります。新年度も引き続き、経営的な視点に立ったより実践的な計画を目指して、策定に努めてまいります。
 さらには、国の進める「まち・ひと・しごと創生」の取組みの一環として、人口の現状と将来の展望を提示する地方人口ビジョンと、これを踏まえた今後5年間の目標や施策の基本的方向、具体的な施策をまとめた地方版総合戦略を策定し、安定した雇用創出や人口流入、さらには子育て支援などの各施策に取り組んでまいります。
 また、公共施設などの老朽化に対しましては、施設などの全体状況を把握し、長期的な視点をもって、更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行い、財政負担を軽減・平準化するとともに、公共施設などの最適な配置を実現することが必要となっていることから、それら公共施設などの総合的かつ計画的な管理を推進するための「公共施設等総合管理計画」を策定することといたします。
 次に、男女共同参画社会の形成を促進していくため、昨年9月、市民の皆様の自主的な活動の拠点施設となる「男女共同参画センター」を開設いたしました。新年度は、男女共同参画センターのさらなる利用を促進し、これまでの男女共同参画社会形成にかかる理念の啓発を中心とした活動から、理念を実践する団体の育成支援に力を入れてまいります。

 以上、市政に臨む私の所信の一端と、新年度の主要施策の概要を申し上げました。

 今年は、終戦から70年という節目を迎えます。映画でも大ヒットした「永遠のゼロ」のスペシャルドラマが一昨日から放送されています。ゼロ戦搭乗員が家族のために生き残ろうとした壮絶な苦難と運命が描かれたものですが、戦争を体験された方々が年々少なくなってきている中、戦争の悲惨さ・平和の尊さを、次世代に伝え引き継いでいくことが、私たちの責務であると強く感じております。
 しかし、世界では今なおテロや紛争が続いており、多くの尊い命が奪われています。そのために教育が受けられない子供たちは、世界で5700万人にも及ぶと言われております。
 昨年末、史上最年少でノーベル平和賞を受賞したパキスタン出身の「マララ・ユスフザイ」さんは、銃撃された後も「すべての子どもに教育を受ける権利の実現」という信念を持ち続け、受賞演説の中でも「なぜ戦車を造ることは簡単なのに、なぜ学校を建てることは難しいのか」、「一人の子ども、一人の教師、一本のペン、そして一冊の本、それで世界を変えられます。教育こそが、ただ一つの解決策であり、教育こそが第一」との言葉は、多くの人々の心を打ちました。と同時に、当たり前と思われる日々の平穏な暮らしが、いかに有り難いことか、平和の尊さを感じないではいられません。
 そして、常に危険と隣り合わせにいながらも、活動するマララさんの姿は、世界の人々に夢と希望を与え、テロにも屈しないその「信念」は、勇気も与えてくれました。
 わたくしも、市長に初めて就任した際のスローガン『住んで良し、働いて良し、訪れて良し』を基本に、市民の皆さまが豊かさを実感できるまちづくりを創りあげるという信念の下、日々努力してまいる所存であります。

 改めて、議員各位、並びに市民の皆さまのご支援とご協力をお願い申し上げ、平成27年度施政方針とさせていただきます。
  • 時期総合計画の策定に向けて市民が意見を出し合う様子
このページに関するお問い合わせ先

企画政策部 秘書課

所在地:〒286-8585 千葉県成田市花崎町760番地(市役所行政棟3階)

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ファクス番号:0476-24-0062

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