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更新日:2014年4月11日

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平成26年度施政方針(平成26年3月定例市議会)

 平成26年3月定例市議会の開会にあたり、平成26年度の施政方針と所信の一端を申し上げ、議員各位、並びに市民の皆さまのご支援とご協力をお願い申し上げる次第であります。
 この度は、職員が生活に困窮している方々に支給しております生活保護費を着服するとともに、偽造した診断書で病気休暇を取得し不正に給与を受給するという悪質な事件を引き起こし、市民の皆さまに混乱をもたらし、市政への信頼を損なったことは極めて遺憾であり、不正が見抜けなかった組織体制や公金管理に対する認識の甘さを痛感しているところであります。
 今後、この原因を追究するとともに、二度とこのような事態が発生しないよう再発防止策を講じ、公金管理体制を強化し、これまで以上に服務規律の徹底について強く指導し、一日も早い市政への信頼回復に向けて全庁をあげて取り組んでまいります。
 さて、私は平成19年1月の市長選挙において市長に就任し、本年は2期目の最後の年を迎えました。2期目の総仕上げの年として、引き続き市民のニーズを的確に捉えた施策を実践する中で、温かみと優しい思いやりをもった『住んで良し、働いて良し、訪れて良し』の次世代に誇れる空の港まち、生涯を完結できるまちづくりに、全力をあげて取り組む所存であります。
 また、本年は成田市が昭和29年に誕生してから60周年という大きな節目を迎え、私としても新たな成田市のスタートの年にしていきたいと思います。
 そのような中、今年の成田山新勝寺の三が日の参詣客は、過去最高の305万人に達し、市制施行60周年の幕開けとして縁起の良い年となりました。市制60周年事業においては、今後も地域伝統芸能、スポーツ、文化などの面において各種の記念事業を展開し、市民の皆さまとともに祝ってまいります。
 また、2020年夏季オリンピック・パラリンピックの東京開催が昨年秋に決定しましたが、市としてもこれを千載一遇のチャンスと捉え、成田の観光資源と魅力を最大限国内外に発信していくとともに、スポーツ・ツーリズムをはじめとする通年型の観光地づくりを推進させ、市内への観光誘致と経済振興に結び付けてまいります。さらに、成田空港と都心とを結ぶ交通網の整備についても、このオリンピック開催という追い風に乗って、「首都圏中央連絡自動車道」や「北千葉道路」の早期完成などを、国や関係団体に強く働きかけ、成田空港のポテンシャルの向上につなげてまいります。
 一方、各国のオリンピック選手団や観戦者も降り立つ成田空港におきましては、昨年3月末に航空会社が自由に空港を選べるオープンスカイが適用され、それと同時にカーフューの弾力的運用がスタートするなど、成田空港の利便性の向上が図られたところであります。本年3月末からは羽田空港の国際線枠が拡充され、これまで成田空港の強みとしてきたヨーロッパ線などの一部が羽田空港に移ってしまうことに危機感を抱きますが、成田空港においても来年3月の完成を目標にLCC専用ターミナルの工事が進められています。また、国では首都圏空港の更なる機能強化について検討が重ねられており、本市としても騒音地域の環境に配慮しつつ、成田空港の待つ利便性、機能性、優位性を充実させ、アジアのハブ空港としての更なる発展を、引き続き成田国際空港株式会社とともに目指してまいります。
 また、高齢化社会が進展する中、本年中に団塊の世代の方が65歳以上の前期高齢者に到達し、今後、これまでに経験したことのない超高齢化社会に突入してまいります。市としても高齢者の健康・生きがいづくり、福祉サービスなどの充実はもとより、今後、社会を支えていく子どもたちが健やかに成長できるよう、子育て支援の充実を積極的に取り組んでまいります。
 また、高等教育機関の誘致においては、昨年12月定例市議会において、大学用地の取得、用地の無償貸与にかかる議案をご可決いただきましたことから、今後は産官学の連携、あるいは地域との連携を基本に大学側と協議を進め、本市の教育・経済振興、さらには新たなまちづくりの創出に努めてまいります。
 新年度にあたり、市政の各分野で山積する諸課題に対しましては、駿馬のごとく、ひるむことなく様々な障害を乗り越え、果敢にそして迅速に突き進み、本市の更なる飛躍と発展のために全力を尽くしてまいる所存であります。
 さて、我が国の経済は、政府が推進する「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起する成長戦略」の「三本の矢」による一体的な取り組みの効果もあり、実質GDPがプラス成長を継続しているなど、着実に上向いております。中小企業や小規模事業者、地域経済を見ると、景気回復の実感が十分浸透している状況にはありませんが、企業収益の増加から設備投資が持ち直しつつあり、雇用と所得の環境が改善していくなかで、景気回復の動きが確かなものとなることが見込まれており、さらに、夏季オリンピック・パラリンピックの東京開催が決定されたことから、その波及効果によって景気回復が一層力強くなると期待しているところであります。
 一方、本市の財政は、歳入では、自主財源の根幹となる税収の安定的な確保はできているものの、現在のままでは大幅な増収は期待できないと同時に、今後、特例による交付税の減少等が予定され、さらに、歳出では、扶助費及び公債費などの義務的経費の増大、インフラ施設を含む公共施設の維持管理費の増大が予想されるところであります。 また、少子・高齢化対策、地域医療対策、地域経済対策などのほか、都市基盤などの整備にも取り組まなければなりません。これら施策の展開は、多くの財源を必要とするところでありますので、貴重な財源の効果的な配分に留意しつつ、これまで構築してきた健全な財政基盤を、将来につなげていくことが必要であります。
 このようなことから、新年度の予算編成においては、本市の未来を見据え、地域経済の活性化、地域活力の創出につながる施策を積極的に進めることで、自主財源の確保につなげるという好循環を実現し、本市の魅力をさらに向上させることを主眼に置いたところであります。
 一般会計では、対前年度比9.8パーセント増の615億円、水道事業会計を含む特別会計を加えた全体では、6.5パーセント増の870億円余の予算を編成したものであります。
 以下、総合計画の6つの大綱に沿って、新年度の主な施策の概要について申し上げます。
  • 施政方針演説をする市長の様子
  • 発着回数20万回を超えた成田空港の航空写真

世界との交流拠点として市民が誇れる都市をつくる

 1番目は、『世界との交流拠点として市民が誇れる都市をつくる』についてであります。
 
 成田空港は、社会経済情勢の変化に影響を受けながらも、多くの皆様のご理解とご努力に支えられながら、着実に成長を続けており、平成24年度の運用実績では、航空機の年間発着回数が約21万2,000回と、開港以来、初めて20万回を超え、旅客数は約3,343万人、貨物量は約192万トンと、我が国を代表する国際拠点空港としての役割を担ってきております。
 昨年3月には、空港容量が25万回から27万回へ拡大し、これを機にオープンスカイが適用され、航空会社が自由に空港を選ぶ時代に入りました。このような時代の変化に対応するため、やむを得ない理由による遅延に限って23時台の離着陸を可能とするカーフューの弾力的運用も実施されております。また、LCC元年と呼ばれた一昨年から国内線の新規就航や増便が進められ、現在は、国内16都市17路線に就航し、国際線と国内線との乗り継ぎの利便性が向上してきております。このような取り組みもあって、昨年は、円高の是正、入国ビザの緩和、訪日プロモーションの効果などにより、台湾、韓国、香港や東南アジアなど外国人旅客が増加し、我が国の念願であった、年間訪日外国人旅行者数1千万人の突破に大いに貢献したところであります。
 また、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まり、これから訪日外国人旅行者は確実に増加することが見込まれます。これを空港を擁する本市の大きなチャンスと捉え、観光施策やスポーツ・ツーリズムの推進に取り組んでまいります。
 現在、成田空港では、選ばれる空港づくりのため、空港容量30万回に向けた施設整備や、LCC専用ターミナルの整備などが進められており、国際線・国内線ネットワークの更なる拡充は、国際競争力の強化や空港利用者の利便性の向上につながるだけでなく、空港周辺地域の活性化や雇用の場の拡大など、地域経済の発展にも大きな効果をもたらすものと期待をしております。
 しかしながら、成田空港の発展のためには、騒音地域にお住いの皆様のご理解が不可欠であります。空港容量の拡大に伴い、今後も段階的に年間発着回数が増加していくことから、引き続き、民家防音工事の施工内容の充実や各種騒音対策事業の恒久化など、騒音、環境対策、地域共生策などに十分配慮しながら、生活環境を改善するための事業に取り組んでまいります。
 次に、空港周辺地域の活性化についてでありますが、空港と地域の目指すべき姿、空港周辺地域における土地利用のあり方を示した「成田国際空港周辺土地利用ビジョン」の実現のため、昨年度定めた「市街化調整区域の土地利用方針及び地区計画運用基準」において、空港周辺の産業系土地利用を計画的に誘導するルールを設けました。今後、空港立地を活かした展開が期待される事業者が進出できるよう、市としての具体的な取り組みを検討・推進してまいります。さらに、本市への医療産業の集積を図るため、医療機器産業の核となる機関を本市内に構築することの可能性について、産官協働で調査を実施してまいります。
 また、首都圏中央連絡自動車道のインターチェンジが計画される、下総・大栄地区において、非線引き区域の秩序ある土地利用の誘導を目指し、新たに土地利用方針を検討してまいります。
 次に、まちづくり政策の推進についてでありますが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催も見据え、成田空港を中心とする充実した交通ネットワークと、多くの客室数を有する宿泊環境を十分に活用した「スポーツ・ツーリズム」を通じたまちづくりを推進するとともに、オリンピック出場チームの合宿や大会キャンプ地誘致に向けてのプロモーション活動などにも取り組んでまいります。
 次に、JR成田駅東口の再開発事業についてでありますが、引き続き事業を推進するとともに、京成成田駅東口に、下り用エスカレーターの増設や、歩行者デッキと駅前広場を結ぶエレベーターの設置を行うことによりバリアフリー化を進め、すべての人にやさしい駅前空間の創出と、国際空港都市成田の顔にふさわしい安全で快適な駅前整備を進めてまいります。
 次に、本市の多様な景観資源の価値を高め、市民が誇りと愛着を持てる良好な景観形成を図るため、成田市景観計画及び成田市景観条例を、4月1日から施行いたします。計画の基本目標である「未来へつなぐ 自然と世界が交流する 成田の景観づくり」の実現に向け、積極的な運用を図ってまいります。
 次に、市民生活にうるおいを与える緑豊かな都市形成に欠かすことのできない都市公園や緑地についてでありますが、施設のバリアフリー化や安全性を確保するための計画的な改修を行うとともに、大栄地区南部に位置するグリーンウォーターパークにつきましては、1.3ヘクタールの拡張整備に着手いたします。
 次に、成田ブランドの推進についてでありますが、今後も引き続きロケ誘致や成田ソラあんぱんの普及促進、訪日外国人観光客の誘客についての取り組みを進めるとともに、「運気上昇のまち 成田」をキャッチフレーズに、特に、首都圏住民・LCCなど国内線利用者・訪日外国人旅行者をターゲットとしたPRイベントやうなりくんとメディアを活用した戦略的な情報発信を行い、更なるブランド力の向上に努めてまいります。
  • 着々と建設工事が進むJR成田駅東口に建設している再開発ビルの航空写真
  • 全編市内で撮影された映画「ハロー!純一」が全国公開、記念撮影をする様子

市民がいきいき働く、活力ある産業を育てる

 2番目は、『市民がいきいき働く、活力ある産業を育てる』についてであります。

 観光立市の推進についてでありますが、観光は地域の活力や文化を内外に発信する有力な手段であり、地域経済に刺激を与え、各種産業の活性化や市民生活の豊かさの向上につながります。
 本市は、日本の空の玄関である成田空港を擁する一方、成田山新勝寺や宗吾霊堂などをはじめとする歴史と伝統のある寺社や豊かな自然など、様々な観光資源に恵まれ、最近では数多くのテレビ番組で成田が取り上げられるなど、通年型の観光地として成長していることを実感しております。
 このような立地条件を活かして、訪日外国人旅行者の来成促進はもちろんのこと、国内就航地に対しても成田のシティーセールスを強化し、さらなる観光客の誘致に積極的に取り組むとともに、新たな観光客層の開拓を図るため、引き続きドラマ・映画などのロケ誘致を行い、ロケ地を活用したツアーの企画も国内旅行会社へ働きかけるなど、「観光のまち成田」の魅力を発信し、国内外から訪れる観光客の皆様にこれまで以上に「訪れて良し」と満足していただける観光行政を実施してまいります。
 また、年間40万人が訪れる「さくらの山」においては、観光情報や物産販売を行う観光物産館を建設し、回遊性の創出と誘客を図ってまいります。
 次に、商工業の振興についてでありますが、国内の景気がアベノミクス効果により回復基調にあり、企業の生産活動も上向いてきている中、本市の地域経済を支える中小企業の振興のため、中小企業資金融資制度の拡充による資金調達の円滑化と、融資の負担軽減を図る利子補給を行い、市内中小企業の経営安定化を支援してまいります。
 さらに、成田空港の機能拡充や圏央道、北千葉道路などの交通インフラが整備されることにより、本市の企業立地の優位性が高まり、工業・物流機能の需要が大きくなることが期待されます。今後、空港やその周辺地域に本市の地域特性を活かした企業誘致を推進し、雇用の創出を図ってまいります。
 また、本年度策定いたします「成田市商工業振興計画」に基づき、成田商工会議所・成田市東商工会などの経済団体と連携して商工業の振興施策を展開し、地域経済の活性化を図ってまいります。
 次に、農業行政につきましては、TPP環太平洋戦略的経済連携協定への対応や、昭和45年以来続いた減反政策の廃止など、農業を取り巻く環境は非常に厳しい状況にありますが、新たに県に設置される農地の中間的な受け皿を活用して、農地を集積し規模拡大を促進していくとともに、新規就農者への支援、担い手の確保・育成や、農道・農業用排水路などの計画的な整備など、引き続き農業経営基盤の強化に努めてまいります。
 また、昨年、地元農家の方々が中心となり、農業振興を目的とした「北須賀直売所まこも」・「直売所しもふさ」がオープンしましたので、生産者の顔が見える農産物販売により消費者の方々との信頼関係を深めることで地産地消を推進し、体験農業を通じた都市と農村との交流などについても、積極的に進めてまいります。
 さらに、全国でも有数の生産量を誇るさつまいもをはじめとした成田産農産物のブランド化や消費者ニーズに対応した付加価値の高い農業生産、そのための6次産業化に向けた取り組みについても、支援してまいります。
 また、数年来増加しております、イノシシなどによる農作物被害につきましては、電気柵の設置を行い、捕獲体制を強化し、被害の削減に努めてまいります。
 次に、卸売市場についてでありますが、市場を取り巻く環境の変化や施設の耐震化、老朽化への対応が求められていることから、今後の市場のあり方や再整備に係る諸条件などについてまとめた「卸売市場基本方針策定に係る調査」の結果を踏まえ、成田市公設地方卸売市場運営審議会に対して諮問を行い、市場施設の再整備についての答申をいただいたところであります。新年度は、市の費用負担などについてさらに詳細な把握・分析を進め、市場再整備に向けた基本方針及び基本計画の策定に取り組んでまいります。
  • 田植えのシーズンを迎える田んぼの様子

市民一人ひとりの健康で生きがいを持った生活をささえる

 3番目は、『市民一人ひとりの健康で生きがいを持った生活をささえる』についてであります。

 今日の子育てを取り巻く環境は、核家族化の進展や就業形態の多様化など、子育てをめぐる家庭や地域の状況が変化しております。
 このようななか、仕事をしながらも安心して子どもを産み、健やかに育てることができる子育て支援策のより一層の充実が急務となっております。
 このため、保育園につきましては、老朽化が著しい成田ニュータウン内の公立保育園の大規模改修工事を引き続き実施し、新年度においては、「新山保育園」の改修工事を実施するとともに、「橋賀台保育園」において、0歳児から3歳児の定員を増加するなど、保育環境の整備を図ってまいります。
 また、満3歳未満児の保育需要に対応するため、平成27年度から始まる子ども・子育て支援新制度に先行し、建物の改修に要する費用の一部を補助するなど新たに民間が行う小規模保育事業所の設置に取り組み、待機児童の解消を目指してまいります。
 次に、児童ホームについてでありますが、「公津の杜児童ホーム」の増築工事を実施するとともに、未設置校となっていた小学校の対応として、新たに「遠山児童ホーム」及び統合新設する「下総児童ホーム」を本年4月から開所するなど、放課後における留守家庭児童の健全育成の充実を図ってまいります。また、土曜日や夏休みなど、朝の預かり開始時間を早め、利用者のニーズに合った対応にも努めてまいります。
 次に、ライフスタイルの多様化が進むなか、子育ての不安や孤立感を和らげ、虐待の未然防止を図る施策として、新たに、子どものしつけがうまくいかずに悩んでいる親に対して、「どならない子育て練習講座」を開設いたします。
 次に、高齢者福祉についてでありますが、成田市の65歳以上の人口は、平成25年4月1日現在、2万4,292人で、前年と比較すると1,100人以上増加しており、また、65歳以上の単身世帯については、対前年比で170世帯ほど増加しております。今後もさらに高齢化が加速すると見込まれることから、引き続き、高齢者の社会参加の促進や生きがい・健康づくりを促進するため、老人クラブ活動やシルバー人材センターの活動などを支援してまいります。
 また、高齢者のサークル活動や老人クラブ活動の拠点となっております現在の老人福祉センターは、供用開始から40年を経過し、老朽化や狭隘化が著しいことから、新たに成田ニュータウン内のボンベルタ百貨店別館の2階部分に機能を移転させ、仮称ではありますが「いきいきプラザ赤坂」として本年9月の開館を目指してまいります。
 次に、介護保険事業についてでありますが、高齢者が住み慣れた地域で自立した生活が継続できるよう、医療・介護・生活支援などが一体的に提供される「地域包括ケアシステム」の実現に向け、地域の現状や課題の把握、また地域の特性や社会資源の調査を行うなど、成田市の実情にあったシステム構築に向けた取り組みを進めてまいります。
 次に、障がい者福祉についてでありますが、障がいのある方の就労支援体制のさらなる拡充を図るため、就労に必要な技能を習得する場となる「チャレンジド・オフィス」を市役所内に設置いたします。これにより、市職員の障がいのある方への理解促進を図るとともに、市役所における業務経験を生かし、民間企業などへの就労を推進してまいります。
 また、障害者優先調達推進法に基づき、市役所で必要となる物品及び役務などを障害者就労施設などから積極的に調達することにより、障がいのある方の工賃向上を目指してまいります。
 さらに、年々増え続ける障がいについての相談支援に対応するため、現行の障がい者相談センターに、相談支援事業者との連携強化などの機能を追加し、より一層、相談支援体制を充実してまいります。
 次に、今日の医療を取り巻く状況については、医療技術の進歩や、医療提供の場の多様化などにより、安心して暮らせるようになった反面、少子高齢化の進展、医師・看護師不足の問題は、重要課題となっております。
 こうしたなか、病院に看護師などとして勤務しようとする学生に対し、修学資金の貸付けを行い、看護学校などでの就学を容易にし、市内における看護師などの確保及び地域医療環境の充実を図るため、引き続き看護師等修学資金貸付事業に取り組んでまいります。
 次に、地域医療対策についてでありますが、適切な救急医療サービスが受けられる体制が確保できるよう、成田赤十字病院に対して救急医療体制の整備に伴う事業費の負担を行います。これにより、深夜・早朝における初期救急医療体制を維持するとともに、安心した生活を送れるよう医療サービスの充実に努めてまいります。
 また、がん検診の一層の精度向上と受診者の利便性の確保を図るため、新年度より胃がん検診と乳がん検診は、すべて電話予約制を導入することといたします。
  • 「いきいきプラザ赤坂」が開設されるボンベルタ成田店の遠景写真

市民が地域文化を愛し、次代を担う心豊かな人材を育む

 4番目は、『市民が地域文化を愛し、次代を担う心豊かな人材を育む』についてであります。

 今日の教育を取り巻く状況は、社会環境の変化とともに多様化し、複雑な状況にあり、いじめや不登校などの問題や、家庭や地域の教育力の低下など様々な問題を抱えております。
 こうしたなか、未来を担う子どもたちが新しい時代を生きるために必要な力を身につけるため、より良い教育環境を提供することが求められております。
 まず、本年4月には、北総地区で初となる小中一貫教育校「下総みどり学園」が開校します。同学園で展開される小中一貫教育は、これまで本市が取り組んできた小中連携教育を一層発展させた教育方法であり、児童生徒、教職員が相互理解を深め、途切れることのない連続した学びを実現しようとする教育であります。これにより、児童生徒一人ひとりのニーズや個性に応じた教育の一層の充実を図ってまいります。
 次に、本市の特徴的な教育の一つであります英語科教育につきましては、全国的な先進地域としての誇りを持ち、引き続き全小中学校に外国人英語講師を配置し、児童生徒の「実践的コミュニケーション能力の育成」を目指して取り組んでまいります。
 また、特別支援教育支援員や養護補助員を増員し、特別支援教育の一層の充実に努めてまいります。
 次に、大栄幼稚園についてでありますが、新たに本年4月から3歳児保育を開始し、子どもたちの発達に合わせたきめ細やかな対応に努め、幼児教育の充実を図ってまいります。
 次に、学校施設整備についてでありますが、学校適正配置の推進のため、大栄地区の統合小学校建設の基本設計に着手いたします。
 また、経年により損耗、機能低下した吾妻小学校の大規模改造工事を実施し、教育環境の変化に対応した施設の整備を図ってまいります。
 さらに、生活スタイルの変化に伴い、小中学校のトイレを和式から洋式へ改修する工事を計画的に実施してまいります。
 次に、学校給食についてでありますが、引き続き使用食材の放射能検査を実施するなど安心・安全な給食の提供に努めてまいります。
 また、親子方式の2番目の給食施設として、本城小学校で共同調理場の運用を開始するとともに、公津の杜小学校においては、共同調理場の整備を進めてまいります。
 次に、本市における学校教育行政の指針である「学校教育 長期ビジョン」が平成27年度をもって計画期間が終了となることから、教育に関する施策を総合的に推進するための「成田市学校教育振興基本計画」の策定に着手し、平成27年度末の策定を目指してまいります。
 次に、公津の杜への国際医療福祉大学の誘致についてでありますが、昨年12月定例会において関係議案をご可決いただき、本市と大学との間で、大学用地の使用貸借契約を締結し、本年は、平成28年4月開校を目指して、校舎建設工事の着工が予定されております。この大学の設置には、医療従事者不足の解消はもとより、さまざまな効果を期待しており、新年度は、校舎建設工事について補助を行いたいと考えております。また、最高教育機関である大学が開設されることにより、「生涯を通じて学ぶことができるまちづくり」について新たな展開ができるよう、協働事業や地域貢献について大学と協議を進めてまいります。
 次に、生涯学習の推進についてでありますが、市民の皆さまと連携・協働し、誰もが生涯にわたり生きがいを持ち、その成果をまちづくりに生かせるよう、多彩な生涯学習講座や公民館事業を展開し、地域を支える情報拠点としての図書館サービスの充実を図るとともに、学校・家庭・地域が一体となって青少年を健全に育成していくための各種事業を推進してまいります。
 さらに、「成田国際文化会館」の維持管理のための改修や「(仮称)JR成田駅東口再開発ビル文化施設」の開館準備を進めながら、文化振興の指針となる「文化振興マスタープラン」の策定を進めてまいります。
 次に、生涯スポーツの振興についてでありますが、健康づくりの機会を増やすべく、積極的にスポーツ、レクリエーション活動の推進を図っていくとともに、市民がよりよい環境でスポーツに親しめるようスポーツ施設の大規模改修などを行うほか、「タッチ ラグビー アジア チャンピオン シップ」や「全国高等学校総合体育大会柔道・少林寺拳法競技大会」などを開催することにより、スポーツ人口の増加や競技力の向上など、スポーツ振興に努めてまいります。
 また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴うキャンプ地誘致を優位に進めるため、既存施設の拡張についても検討してまいります。
  • 4月7日に開校を控える「下総みどり学園」の外観写真

市民が安全、安心、快適に暮らせる生活環境をつくる

 5番目は、『市民が安全、安心、快適に暮らせる生活環境をつくる』についてであります。

 昨年は、本市にも観測史上最大クラスの雨量や風速を記録した台風26号の接近・通過に伴う集中豪雨により、土砂災害をはじめとする甚大な被害が発生しました。また、政府の中央防災会議から、東京都心南部を震源とするマグニチュード「7クラス」の首都直下地震の発生確率が、今後30年間に70パーセントと示され、その切迫度が増しております。
 こうした災害から、被害の拡大を防止し、最小限にとどめるためには、地域防災力の向上が必要不可欠であります。このため、自助、共助による地域防災を担う自主防災組織の結成及び育成に取り組むとともに、災害時の応急活動が的確に行えるよう区・自治会、消防団及び各自主防災組織と連携した地域防災訓練などを積極的に支援し、必要な知識及び技術の普及に努め、さらなる地域防災力の向上と減災体制の強化に取り組んでまいります。
 また、洪水による浸水区域、土砂災害危険箇所や緊急避難場所の指定、的確な避難経路など、災害時に安全な避難を実施するため、防災マップの見直しや土砂災害に特化した避難訓練を実施してまいります。
 次に、指定避難所については、地域住民の安全な防災拠点としての機能を高めるため、地域住民と避難所となる学校など、行政との連携による避難所の迅速な開設及び円滑な運営方法を確立してまいります。また、避難者が安心して避難所生活を送るために、災害弱者にも配慮した計画的な備蓄品の充実を図っているところでありますが、物資提供の迅速性確保の観点から、市内全ての避難所に備蓄倉庫を順次配備してまいります。さらには、物資供給・人材派遣などの既に応援協定を締結している民間企業等との連携強化や、新たな広域応援体制を確立するため、遠隔地の自治体も含めた協力事業者の拡大に努めてまいります。
 次に、急傾斜地崩壊対策事業についてでありますが、昨年の台風26号、27号により、多数の崖崩れが発生したことに鑑み、市民の生命及び財産を守るため、緊急性の高い区域から事業を推進するなど、なお一層、急傾斜地崩壊による災害防止を図るとともに、がけ地整備費補助事業により、がけ地対策工事を推進してまいります。
 次に、消防行政についてでありますが、消防庁舎整備事業としまして、老朽化が進んだ三里塚消防署庁舎を、市民の安心・安全を守る成田市南部地域の防災拠点としてふさわしい庁舎に建て替えるため、基本設計などを実施してまいります。
 次に、地域の安全対策についてでありますが、犯罪を抑止し市民の方々が安全で安心して暮らせる地域社会の実現を図るため、犯罪抑止重点地区及び不審者情報が多発している箇所へ、防犯カメラを順次増設してまいります。
 次に、道路整備についてでありますが、市民の利便性、安全性の向上を図るため、日常生活で利用する生活道路の整備と、市内各地区の連携や災害発生時における物資輸送・救援活動などの機能強化を図るため、国道、県道などを連結する幹線道路の整備を進めるなど、安全・安心の道づくりを進めてまいります。
 また、道路管理につきましては、今後、老朽化する橋梁が増大することから、安全を確保するために、効率的な修繕計画が必要であります。この様ななか、昨年度、市内全ての橋梁について「橋梁長寿命化修繕計画」を策定しましたので、これに基づき新年度より、損傷度の高い橋梁から予防保全型の補修工事に着手してまいります。
 次に、下水道事業についてでありますが、昭和45年に認可を取得し、事業が開始されてから約40年が経過しております。このため施設の老朽化が進んでおり、今後、施設の長寿命化を図ることが重要となっております。この様な状況の中、汚水整備については、長寿命化計画に基づき、ニュータウン地区の老朽化した汚水管及びマンホール蓋の更新工事を実施してまいります。
 次に、環境政策についてでありますが、地球温暖化防止対策や資源循環型社会の形成など、今日の複雑・多様化した環境問題に積極的に取り組むため、市民の皆様や事業者の方々との連携を図りながら、環境基本計画などに掲げた各種施策を展開してまいります。
 特に、地球温暖化防止対策につきましては、太陽光発電は再生可能エネルギーのなかで重要な位置づけとなっておりますことから、住宅用太陽光発電システム設置への補助を継続するとともに、昨年10月に新たに創設しました住宅用燃料電池コージェネレーションシステムなど住宅用省エネルギー設備への補助を継続することにより、CO2の削減に取り組んでまいります。
 次に、新清掃工場関連付帯施設の整備についてでありますが、成田富里いずみ清掃工場から発生する余熱を有効に利用する温浴施設や多目的広場などの整備を進めてまいります。
  • 平成25年10月の台風26号で冠水してしまった田んぼ(芦田地先)の様子
  • 昭和46年に建設され、老朽化が進む三里塚消防署の遠景写真

市民と行政が協働する効率的な自治体運営を行う

 6番目は、『市民と行政が協働する効率的な自治体運営を行う』についてであります。

 地方分権の進展や自治体の都市間競争が激しさを増し、本市を取り巻く社会経済状況が変化しているなかで、本市の特性を最大限に活かした魅力あるまちづくりを行っていくためには、これからの時代に即した市政運営を行うことが求められております。
 そのようななか、本市の総合的かつ計画的な行政運営を図るための指針である総合計画につきましては、現行の計画期間が平成27年度をもって終了することから、新年度より2か年をかけまして、平成28年度を初年度とする新たな総合計画の策定を行うことといたします。
 次に、男女共同参画社会の形成を促進していくため、市民の皆様の自主的な活動の拠点施設として活用する「男女共同参画センター」の整備を進めており、本年9月からの開館を目指してまいります。
 次に、効率的な自治体運営についてでありますが、計画的、効率的な公共施設の維持保全を図るため、新たに、施設データを一元化した全庁的な管理システムを導入するとともに、市税などの納付者の利便性向上と納付機会の拡大を図るため、クレジットカードによる納付制度を導入いたします。
 最後に、本市は、3月31日をもちまして市制施行60周年を迎えます。新年度は、国際文化会館で記念式典を挙行するほか、記念事業として、市内の山車・屋台が一堂に会する「成田山車まつり」をはじめ、「将棋の名人戦」、中学生向けの「劇団公演」、国内外の多彩な祭りが集結する「地域伝統芸能全国大会」、「サンボ世界選手権大会」などを開催し、市民の皆様とともに60周年を祝ってまいります。
 
 以上、市政に臨む私の所信の一端と、新年度の主要施策の概要を申し上げました。
 南アフリカで初の黒人大統領となり、ノーベル平和賞も受賞した「ネルソン・マンデラ」氏が昨年12月に逝去されました。マンデラ氏は、若くして白人政権の行った人種隔離政策アパルトヘイトの反対運動に身を投じ、国家反逆罪として27年余りも投獄されました。しかし、収監という厳しい状況下にもかかわらず、人種間融和という強い信念を持ち続け、あきらめずに黒人解放を世論に訴え続けました。釈放後はアフリカ民族会議の副議長、大統領などを歴任し、政界引退後もアフリカの地位向上を訴え続けるなど、生涯のほとんどを人種差別や人種による経済格差の解消などに注がれました。
 死して再び真の指導者のあり方を世界に訴えかけたわけでありますが、マンデラ氏の残した言葉に、『成功するために大切なのは、どこから始めるのかではなく、どれだけ高く目標を定めるかである』とあります。
 私も市政を預かるリーダーとして、この言葉を胸に刻み、『住んでよし、働いてよし、訪れてよし』の次世代に誇れる空の港まちという、成田市の将来を見据えた大きな目標に向かって、新年度も強い信念を持って粉骨砕身の覚悟で市政運営に取り組んでまいりますので、議員各位並びに市民の皆さまのご支援とご協力を重ねてお願い申し上げまして、平成26年度の施政方針といたします。
  • 将棋名人戦が行われる成田山新勝寺・奥殿の写真
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