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更新日:2012年4月9日

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平成24年度施政方針(平成24年3月定例市議会)

 平成24年3月定例市議会の開会にあたり、平成24年度の施政方針と所信の一端を申し上げ、議員各位並びに市民の皆様のご支援とご協力をお願い申し上げる次第であります。
 昨年、3月11日に発生した東日本大震災は、広範囲にわたり甚大な被害をもたらし、加えて、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う放射性物質の放出により、全国の産業、経済活動にも深刻な影響を及ぼしております。
 本市においては大規模な被害には至りませんでしたが、首都圏各地で高濃度の放射線量が観測され、健康への被害、自然環境への影響などが危惧されており、市民生活や農業、観光などの地域経済にも大きな影響を受けました。こうした中で、本市は被災地に対して義援金や物資の支援、職員の派遣、被災者の受け入れなどのほか、「東北復興支援成田市民号」を開催し、復興支援を行ってまいりました。この間、多くの市民の皆様から義援金や支援物資をいただき、市民の皆様の復興を願う被災地への思いを強く感じた次第でございます。あらためまして被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。
 昨年の日本は、東日本大震災、そして原発問題と、未曾有の国難ともいうべき事態に直面した1年でしたが、市長2期目のスタートを切らせていただいた私にとりましても、大きな試練の年となりました。
 平成19年1月、市民の皆様からの温かいご支援と負託を賜り、市長に就任させていただき、1期目の4年間は、クリーンで開かれた市政の実現を最重点課題として、公明正大で透明性のある市政運営に徹し、6本の柱を掲げ入札制度改革に取り組んでまいりました。
 しかしながら、昨年、相次ぐ職員の不祥事が発生し、市政への信頼を大きく損ねる結果を招いたことは大変重く受け止めております。
 入札に限らず公務を遂行するうえで、職員の綱紀保持の徹底はもちろんですが、入札制度のさらなる改革を進め、真に透明で公正、公平な制度を改めて構築してまいります。
 また、この度の不祥事を厳粛に受け止め、二度と起こさない、起こさせない環境と体制の整備を図り、透明で市民の皆様に信頼される市政を確立するため「(仮称)成田市法令遵守の推進に関する条例」を制定いたします。
 一度失った市民の皆様からの信頼を回復することは、容易なことではありませんが、職員一人ひとりが、再発防止への取り組みを徹底する不断の努力を続け、このような不祥事を再び起こさないことが、市民の皆様に対する私の責務であり、また、信頼を取り戻す唯一の途であると思っております。
 さて、我が国の経済は、甚大かつ広範囲な被害をもたらした東日本大震災の影響を受け、依然として厳しい状況にあり予断を許さないものとなっています。
 さらに、福島第一原子力発電所の事故の影響や電力供給の制約に加え、欧州の政府債務の危機などを背景とした海外景気の下振れや、為替レート・株価の変動などによっては、さらなる景気の下振れリスクが存在し、デフレの影響や雇用情勢の悪化も、依然として懸念されているところであります。
 このような状況の中で、本市の財政状況は、財政力指数が全国の上位に位置するとともに、健全化判断比率などの財政指標においても、健全性を示しているところではありますが、東日本大震災の影響などによる成田空港の航空旅客数の落ち込みに加え、市内観光客の減少、雇用情勢の低迷など、今後の財政運営にとって不安定な要因となっております。
 歳入では、補助金などの依存財源が削減傾向にある上、自主財源である市税におきましても、増収が期待できるものではありません。
 個人市民税は、景気の低迷に伴う雇用情勢の悪化などの減額要因があるものの、税制改正による扶養控除の見直しにより若干の増収となりますが、企業収益の低下により法人市民税が、また、評価替えに伴う家屋評価額の減額などにより、固定資産税が減収となる見込みであります。
 一方、歳出では、社会保障費や公債費などの義務的経費の増加に加え、JR・京成成田駅中央口地区整備事業、公津の杜中学校建設事業、公津の杜複合施設整備事業、新清掃工場整備事業などの大規模事業が進行し、多大な財政負担を伴うことが見込まれる中で、市民サービスの向上を第一に、山積する諸課題に積極的に取り組んでまいります。
 そこで、平成24年度の予算編成におきましては、「住んで良し、働いて良し、訪れて良し」というスローガンの下に、豊かさを実感できるまちづくりの実現を目指し、より一層の経費節減を図りながら、これまで積み立ててきた各種基金を活用し、一般会計では、対前年度比2.4%減の613億円、水道事業会計を含む特別会計を加えた全体では、1.8%減の850億円余の予算を編成したものであります。
 以下、総合計画の6つの大綱に沿って、平成24年度の主な施策の概要について申し上げます。
  • 議会で話しをする市長の様子

世界との交流拠点として市民が誇れる都市をつくる

 1番目は、『世界との交流拠点として市民が誇れる都市をつくる』についてであります。 
 
 成田空港は、多くの皆様のご理解とご努力に支えられながら、着実に成長を続けております。平成22年度の運用実績を申し上げますと、航空機の発着回数が約19万1千回、旅客数が約3,250万人、貨物量は約207万トンであり、世界の91都市と結ばれる我が国を代表する国際基幹空港として、その役割を担い続けております。
 昨年は、国際経済情勢の変化や東日本大震災による影響を大きく受け、国際線における旅客数、貨物取扱量ともに急激な落ち込みが見られたものの、最近の航空需要では徐々に回復してきております。
 また、昨年10月から、同時離着陸方式の導入に合わせて年間発着枠が23万5,000回に拡大され、さらなる国際線ネットワークの活用や国内路線網の拡充など、着実に空港容量30万回に向けた空港機能の強化が進められております。
 このような中、さまざまな国とのオープンスカイ協定が進められ、空港が広く開放されることによる経済効果が期待されることから、海外の格安航空会社、いわゆるLCCが相次いで就航し、昨年の6月からはエアプサンが成田―釜山線を開設、続いて7月にはイースター航空が成田―仁川線を開設するなど、成田のLCC時代の幕開けとなりました。
 また、国内線においても、スカイマーク社が「成田シャトル」と命名して、昨年10月から成田空港を拠点として、旭川、札幌、那覇、福岡線を順次開設したほか、本年は日本航空がカンタス航空、三菱商事と共同で「ジェットスター・ジャパン」を、全日空がエアアジアと共同で「エアアジア・ジャパン」を就航するとのことであります。
 これら航空会社の新規参入により、成田空港では国内線ターミナルビルの増設やLCC専用ターミナルの整備方針がすでに発表されております。
 国内線ネットワークの拡充は、成田空港が内際ハブ空港としての地位を確立するだけでなく、空港周辺地域の活性化や雇用の場の拡大など、地域全体にも良い効果が生まれるものと期待しております。
 このようなことから、本市といたしましても国際ネットワークのさらなる強化はもちろんのこと、国内線の拡充は国内各地からの利便性も向上することから、より魅力のある空港となるよう、千葉県をはじめ空港周辺市町と一体となり、成田空港のさらなる発展のため協力してまいりたいと考えております。
 しかしながら、この成田空港の発展のためには、騒音地域にお住まいの皆様のご理解が大前提であります。
 空港容量の拡大に伴い、今後も段階的に年間発着回数が増加していくことから、民家防音工事の施工内容の充実や各種騒音対策事業の恒久化など、生活環境を改善するための事業をはじめ、騒音、環境対策、地域共生策などに十分配慮しながら、周辺地域の尚一層の活性化を図ってまいります。
 また、空港周辺土地利用ビジョンの実現を目指し、市内全域の「市街化調整区域の土地利用方針」及び「地区計画運用基準」の策定を検討してまいります。
 新しい成田の魅力を開発する成田ブランドの構築につきましては、昨年5月にスタートアップフォーラムを開催し、航空、商業、農業、ホテル業など、さまざまな関係者にご参加いただき、ブランド構築に向け、全市的に取り組んでいるところであります。本年は、これまでの活動を継続するとともに、地元経済界を含む官民連携体制を構築するなど、成田ブランドを持続的に発展させる仕組みづくりを行ってまいります。
 また、首都圏北部や県西地域と成田空港を結ぶ北千葉道路や、都心から放射状に延びる主要幹線道路を連結する首都圏中央連絡自動車道の整備を促進することにより、首都圏における成田空港とのアクセス強化や、沿線地域相互の交流と連携を図るとともに、総合的な交通体系の一環をなす都市計画道路の整備につきましては、赤坂台方線、大袋線、ニュータウン中央線の整備を促進し、交通機能の強化を図ってまいります。
 観光立市を推進する本市の魅力をさらに向上させ、生活空間の質的な向上を図るため、本市は、昨年10月1日付けで景観法に基づく景観計画の策定が可能な「景観行政団体」に移行いたしました。本年は、市民の皆様の意見を伺いながら早期に景観計画及び景観条例の素案を策定してまいります。
 また、都市公園や緑地は、市民生活にうるおいを与える緑豊かな都市形成に欠かすことのできない都市景観であることから、公園施設のバリアフリー化や安全性を確保するための計画的な改修などに取り組み、市民が憩い、いつでも安心して利用できるように、良好な管理に努めてまいります。
 さらに、空港周辺と市街地を花で結び観光客や市民の皆様に憩いの場を提供するため、平成23年度から工事に着手しております花の回廊整備事業につきましては、関戸橋から、さくらの里を通過し、真々田橋までの区間について、整備を推進してまいります。
 次に、JR成田駅東口の再開発事業についてでありますが、平成22年度から本格的に事業に着手したところであり、着実に事業を推進してまいります。
 また、表参道整備につきましても、地元街づくり協議会と連携し、地区の特性を活かした街並み、街づくり事業を進めてまいります。
 次に、コミュニティバスについてでありますが、交通の不便な地域と市街地の公共施設を行き来するための市民の重要な交通手段であることから、一部路線の変更を加えながら、引き続き7路線で運行を行ってまいります。
 今後も、地域公共交通会議におきまして、各地域の利用者のご意見やご要望を反映させながら、できる限り地域の需要に応じた運行を行うことで、交通の利便性の向上に努めてまいります。
  • 成田空港の全景写真
  • 平成23年5月に行われた「成田ブランド スタートアップ・フォーラム」の様子

市民がいきいき働く、活力ある産業を育てる

 2番目は、『市民がいきいき働く、活力ある産業を育てる』について申し上げます。

 観光は、地域の活力や文化を内外に発信する有力な手段であり、地域経済に刺激を与え、各種産業の活性化や市民生活の豊かさの向上につながります。
 本市は、日本の空の玄関である成田空港を擁する一方、成田山新勝寺や宗吾霊堂などをはじめとする歴史と伝統のある寺社や豊かな自然など、多くの観光資源に恵まれております。
 今後も、国際観光都市としてさらなる発展を遂げるため、年間約40万人が訪れる「さくらの山」に、新たな観光拠点施設を整備すべく、その準備を進めてまいります。
 また、国際会議などのコンベンション事業や各種スポーツ大会、イベントを積極的に誘致するとともに、東日本大震災により減少している外国人観光客の回復を図るため、緊急的な措置として、市内での宿泊を伴う外国人団体観光旅行を実施した旅行会社に対して補助金を交付いたします。
 一方、東北復興支援の一助にと昨年実施した「東北復興支援成田市民号」を引き続き実施し、被災地の復興支援のため、市民の皆様とともに力を合わせてまいりたいと考えております。
 さらに、ウォーキング大会「成田エアポートツーデーマーチ」の開催や、ドラマ、映画などのロケ地誘致を行い、新たな層の集客を図るとともに、観光キャラクター「うなりくん」を積極的に活用し、「観光のまち成田」の魅力を発信し、国内外から成田を訪れるすべてのお客様に、これまで以上に「訪れてよし」と満足していただけるよう、おもてなしの観光行政を進めてまいります。
 次に、商工業の振興についてでありますが、依然として厳しい経済状況が続いている中、中小企業の資金調達が円滑にできるよう、中小企業資金融資制度の運用を迅速に行うとともに、利用者の負担軽減を図るため、利子の一部を助成することにより、市内の中小企業を支援してまいります。
 また、国の緊急雇用創出事業を活用し、東日本大震災の被災者を支援するために、非常勤職員として雇用するなど、緊急的な雇用の確保を図ってまいります。
 さらに、市内の商工業の総合的な振興を図るため、商工業団体に対して助成を行うとともに、奨励措置を講じております市内の企業誘致対象地域につきましても、造成事業者と連携を図りながら、雇用に繋がる企業誘致を推進してまいります。
 次に、農業行政についてでありますが、農業従事者の高齢化、担い手の減少、農産物価格の低迷、そして、福島第一原子力発電所の事故に伴う農作物への放射性物質の影響と風評被害、加えて、TPP環太平洋戦略的経済連携協定への対応など、農業を取り巻く環境は厳しい状況にあります。
 そのような中、国においては、「食と農林漁業の再生実現会議」で、高いレベルの経済連携の推進と食料自給率の向上や、国内農業、農村の振興とを両立させ、持続可能な力強い農業を育てるための対策が取りまとめられ、「我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画」が決定したところであります。
 また、平成23年度から本格実施しております農業者戸別所得補償制度は、販売価格が生産費を恒常的に下回っている作物を対象として、その差額を交付することにより、食料自給率の向上と農業の多面的機能の維持を目指し、米だけではなく、麦、大豆などの畑作物も含めて、実施されております。
 本市におきましても、こうした新しい国の施策を踏まえ、その動向を見極めながら、担い手の育成確保などの農業経営の基盤強化に努めてまいります。
 また、地産地消の促進、ブランド産品の育成や消費者ニーズに対応した付加価値の高い農業などの支援とともに、農業のピーアール、都市と農村の交流などを進めてまいります。
  • 様々なイベントで活躍するうなり君の様子

市民一人ひとりの健康で生きがいを持った生活をささえる

 3番目は、『市民一人ひとりの健康で生きがいを持った生活をささえる』について申し上げます。

 はじめに、子育て支援についてでありますが、近年の都市化や核家族化の進行、地域社会における地縁的なつながりの希薄化などにより、子育て家庭を取り巻く環境が大きく変化しております。また、50年後の日本の人口は、およそ4,000万人減少し、65歳以上の高齢者の割合はおよそ40%に上ると予想されており、少子高齢化と人口減少が進み、仕事をしながら安心して子どもを産み、育てることができる地域社会を実現するための子育て支援が急務であると考えております。
 まず、保育園についてでありますが、老朽化が著しいニュータウン内公立保育園の大規模改修を平成25年度より行うため、赤坂センタービル跡地に仮設園舎の整備を進め、待機児童の解消に努めます。
 また、保育園を利用できずに認可外保育施設を利用している保護者に対し、新たに利用料金の一部を補助する制度を創設し、保護者の負担軽減を図り、子育て支援の充実を図ってまいります。
 次に、児童ホームにつきましては、現在、余裕教室を利用しております新山児童ホームを校庭に整備するとともに、平成26年度の開設に向けて、下総地区小学校4校の統合小学校に、新たな児童ホームの整備を進め、放課後における留守家庭児童の健全育成の充実を図ってまいります。
 また、児童虐待を未然に防止するため、要支援世帯にヘルパーを派遣し、児童の養育環境の改善を図る「養育支援訪問事業」を創設するほか、疾病や出産、看護などの事由により、満2歳以上の児童を養育できない保護者が、児童養護施設で児童の一時的な養育が利用できる「子どもショートステイ事業」も実施してまいります。
 さらに、「5歳児健康診査事業」を創設し、保育園及び幼稚園に未就園の5歳相当児について、発達に着目した健診を行い、また、就園児については、保護者へのアンケート方式による問診などを実施し、養育指導や各種相談事業と連携していくことで、幼児期から青少年期までの一貫した子育て支援対策の充実に努めてまいります。
 次に、高齢者福祉についてでありますが、公共交通機関を利用することが困難な高齢者が、通院や買い物などのために利用できる新たな交通手段として、昨年12月よりオンデマンド交通の実証実験を開始しておりますが、オンデマンド交通が、高齢者の足として有効であるのか、利便性に長けているのかを検証し、本格運行につなげるため、引き続き実証実験を行ってまいります。
 次に、障がい者福祉についてでありますが、障がいのある方が自立した日常生活を営むことができるよう、必要な障がい福祉サービスなどを身近な地域において計画的に提供するため、「第3期障がい福祉計画」に基づく基盤整備の充実を図ってまいります。
 また、「こども発達支援センター」における療育内容を充実させるため、訓練室などの増築工事を実施してまいります。
 次に、地域医療対策についてでありますが、深夜、早朝における一次救急医療体制の確保につきましては、市で経費を負担し、引き続き成田赤十字病院に対応していただくことで現在の救急医療体制を維持してまいります。
 また、同病院が行う医療機器の整備につきましては、地域の中核的病院として市民の皆様に提供する医療の質を高め、疾病の早期発見、早期治療に有効であることから、安全で安心な地域医療を確保するため、その経費の一部を負担することといたします。

市民が地域文化を愛し、次代を担う心豊かな人材を育む

 4番目は、『市民が地域文化を愛し、次代を担う心豊かな人材を育む』について申し上げます。
 
 まず、学校適正配置についてでありますが、未来に生きる子どもたちに、必要な体験と学習機会を提供できるよう、議会並びに地域の皆様と十分協議を行いながら、子どもたちにとってより良い教育環境の実現のため、学校適正配置の推進に努めてまいります。
 また、子どもたちが、学校において、しっかりとした学力を身につけ、心豊かに、たくましく成長していけるよう、きめ細かな対応に努めてまいります。
 具体的に申し上げますと、各小中学校に少人数学習推進教員や特別支援教育支援員などを配置し、子どもの個性や能力に応じた教育を推進してまいります。
 また、比較的規模の大きな学校には、養護教諭とともに子どもたちの心と身体の健康づくりを進めるため健康推進教員を配置し、さらに複式学級ができるような小規模学校においては、各学年に応じた学習や生活指導の充実を図るため、小規模学校支援教員を配置するなど、学校規模の大小にかかわりなく、いずれの学校におきましても、きめ細かな指導を行うことで、一人ひとりの子どもたちの力が十分に発揮できる教育の実現に努めてまいります。
 次に、本市の特徴的な教育の一つであります国際理解教育についてでありますが、本年4月から中学校教育の基準である新しい学習指導要領が全面実施され、国語、社会、数学、理科、保健体育、外国語の授業時数が増加することになります。
 本市においてはすでに、中学校英語科の授業時数を拡充して実施し、小中学校の連携を強化した英語科教育の推進を図っておりますが、今後も、英語科教育における児童生徒の学習状況の把握や指導方法の改善に努め、子どもたちの実践的なコミュニケーション能力の育成に努めて まいります。
 次に、学校施設整備についてでありますが、学校適正配置の推進により、現在工事中である公津の杜中学校につきましては、平成25年4月の開校に向けて工事を進めてまいります。
 また、地区全域で児童数が減少傾向にある下総地区小学校四校の統合小学校につきましても、平成26年4月の開校に向け、新築工事に着手いたします。
 さらに、地球温暖化の要因であるCO2削減、及び東日本大震災後の影響による国民的節電意識の高揚に配慮し、新設の公津の杜中学校に加えて、増築した久住小学校、公津の杜小学校にも太陽光発電設備を設置いたします。
 次に、学校給食についてでありますが、今後も栄養豊かでバランスのとれた給食を提供するとともに、本年1月に導入した放射能測定器により使用食材の放射能検査を実施するなど、安心、安全な給食の提供に努めてまいります。
 また、学校給食施設整備につきましては、学校給食施設整備実施計画に基づく親子方式の第1号となる公津の杜中学校の共同調理場の建築工事に着手するとともに、本城小学校の共同調理場の実施設計を行います。
 次に、医科系大学の誘致についてでありますが、現在、文部科学省では、今後の医学部入学定員のあり方などに関する検討会を開催し、医学部の新設についても議論、検討されているところであります。本市といたしましては、このような医科系大学を取り巻く動向を踏まえ、高等教育などの推進や地域医療の充実の観点から、市内への医科系大学の誘致を推進するとともに、医療サービス産業集積に関する可能性について調査研究してまいります。
 次に、生涯学習の推進についてでありますが、市民の皆様が生涯にわたり生きがいをもって主体的に学び、その成果をまちづくりに活かせるよう、「生涯大学院」、「高等学校等開放講座」、「明治大学・成田社会人大学」など、より専門的な学習内容の講座を開催するほか、公民館におきましても、「こども体験学習セミナー」、「セカンドライフ支援セミナー」、「外国人のための日本語講座」のボランティア講師養成講座、「生きがいセミナー」など、多様な学習意欲に応えられるよう、さまざまな講座、教室、セミナーを開催してまいります。
 また、「放課後子ども教室推進事業」や「子どもの居場所づくり推進事業」、「家庭教育学級」の開催など、学校、家庭、地域が一体となって青少年の健全育成を図ってまいります。
 図書館につきましては、市民のリクエストに積極的に対応して、市民の読書意欲を支援するとともに、地域を支える情報拠点として、必要な資料や情報の提供機能の充実を図ってまいります。
 また、利用者の利便性向上のため、1月1日を除く祝日すべての開館を実施し、インターネットからの予約などのサービスを拡充するとともに、新たな図書館サービス拠点として、平成25年度に開館予定の(仮称)公津の杜分館の準備を進めてまいります。
 さらに、市役所のロビーなどを利用した「ふれあいコンサート」の開催や、「市民文化祭」、「青少年感動芸術劇場」の開催など、文化芸術の発展と振興に努めるとともに、外国人とふれあう機会の多い本市の特徴を活かして開催する「国際市民フェスティバル」の充実を図るなど、「ゆたかな自然と歴史のもと“国際市民”を育むまち」を基本理念として、より一層の生涯学習推進に努めてまいります。
 次に、生涯スポーツの振興についてでありますが、本年は、夢と感動を与えてくれるスポーツの祭典、第30回オリンピック競技大会がロンドンで開催される年でもあります。
 このような記念すべき年にあたり、「スポーツ健康都市宣言」の趣旨を踏まえ、各種スポーツ大会、教室をはじめ、広く市民だれもが参加し、スポーツを楽しめる「成田スポーツフェスティバル」を開催するなど、市民のスポーツ、レクリエーション活動をさらに推進してまいります。
 施設整備におきましては、市民の皆様のスポーツ活動や健康づくりを図る場として、平成18年度から整備を進めてまいりました「ニュータウンスポーツ広場」が、本年4月に供用を開始いたします。さらに「(仮称)畑ヶ田多目的スポーツ広場」の整備工事に着手するとともに、「公津スポーツ広場」につきましても整備を進めてまいります。
 また、市内の中心的なスポーツ施設である「中台運動公園」においては、球技場に夜間照明設備を設置するとともに、陸上競技場については、第二種競技場として継続した公認を受けるため、改修工事や備品整備を行うなど、施設の整備、充実を図ってまいります。
  • 校舎が増築される公津の杜小学校の遠景写真

市民が安全、安心、快適に暮らせる生活環境をつくる

 5番目は、『市民が安全、安心、快適に暮らせる生活環境をつくる』について申し上げます。

 昨年発生した東日本大震災は、地震、津波、原子力発電施設の事故による複合的なものであり、被災地域が広範にわたり、甚大な被害をもたらしました。 本市においても、多くの建物などが被災を受け、住家の全半壊が発生したところであります。
 今後、本市に、より多くの被害をもたらすことが予想される東海地震や南関東直下地震などの発生が懸念されており、このような災害による被害を最小限にとどめるためには、地域防災力の向上が必要不可欠となっております。
 このため、災害に強いまちづくりを推進するための基本となる「成田市地域防災計画」の見直しを実施し、防災体制の充実を図ってまいります。見直しにあたりましては、東日本大震災の被害、対応、教訓を踏まえ、災害対策本部体制の充実、情報収集体制の強化、備蓄品確保のための民間事業者との協定の拡大、帰宅困難者対策として関係機関と連携した情報連絡体制の確立、東京電力福島第一原子力発電所事故への対応を踏まえた応急体制の構築などに努めてまいります。
 また、自らの身は自分で守るという「自助」と、地域でお互いを支え合う「共助」に基づく地域防災力の向上を図るため、地域防災を担う自主防災組織の育成に取り組むとともに、災害時の応急活動が的確に行えるよう、区、自治会、消防団などと各自主防災組織とが連携した地域の防災訓練なども支援し、地域防災力の向上に必要な知識と技術の普及に努めてまいります。
 次に、建築物の耐震化についてでありますが、市の施設については、引き続き耐震補強設計や耐震改修工事を実施してまいります。民間の住宅については、耐震相談会を開催するほか、木造住宅の耐震診断及び耐震改修の支援対象の範囲を、昭和56年以降のものまで拡大することにより、建築物の耐震化の促進を図り、災害に強いまちづくりの推進に努めてまいります。
 河川整備につきましては、事業中である長津川の整備促進と、新たに天昌寺川の整備を進めるなど、治水対策と市民のうるおいの場としての河川整備を計画的に推進してまいります。
 次に、消防行政についてでありますが、本年2月から建設工事に着手した赤坂消防署庁舎につきましては、平成25年4月の業務開始に向けて事業を進めてまいります。なお、工事期間中も、市民の安全、安心を確保するため、赤坂消防署の機能を公津分署に移転し、業務を行っております。
 また、変革著しい情報通信技術に対応するため、消防救急デジタル無線の整備を進めてまいります。
 さらに、平成25年度の運用開始を予定している「ちば消防共同指令センター」の整備を進め、多様化する緊急通報や住民ニーズにも幅広く対応するとともに、広域的な応援体制を構築してまいります。
 次に、防犯対策についてでありますが、「第二次成田市防犯まちづくり推進計画」により、市民が安全、安心に暮らせる地域社会を実現するため各種防犯施策を推進してまいります。
 警察官OBが勤務するJR成田駅西口に設置しております「駅前番所」、その効果を市内全域に拡大するための「移動えきばん車」の運用、そして、児童・生徒の安全を確保するための青色回転灯パトロール車による通学路防犯啓発パトロール、地域防犯推進員による市民と協働したパトロールなどを引き続き実施してまいります。
 次に、環境政策についてでありますが、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う放射能汚染に対しましては、市内各地点の放射線量の測定による継続的な監視と市民の皆様への情報提供、並びに、放射線測定器の貸出しを引き続き実施してまいります。
 新清掃工場の整備につきましては、引き続き本年9月末の完成に向けて工事を進めるとともに、新清掃工場から発生する余熱を有効に利用する温浴施設や多目的広場などの整備も進めてまいります。
 また、ごみ分別区分の見直しにつきましては、新清掃工場の稼働に合わせて実施してまいりますが、これまでの6分別から9分別とし、全市統一した形にしてまいります。市民の皆様への説明会をはじめ、広報なりたやケーブルテレビ、パンフレットの配布などを通じて、新制度への円滑な移行を図ってまいります。
 ごみの減量化につきましては、引き続き、家庭用ごみ減量器具の設置に対する補助、地域のリサイクル運動実施団体の加入促進、家庭から出る使用済み天ぷら油の拠点回収などにより、ごみの減量化及び再資源化を推進してまいります。
 また、いずみ聖地公園につきましては、さらなる市民の墓地需要に対応するため、第2期工事として芝墓地388基の整備を進めてまいります。
  • 市役所・各支所で貸し出している放射線測定器を使用している様子
  • 新清掃工場の建設の様子

市民と行政が協働する効率的な自治体運営を行う

 6番目は、『市民と行政が協働する効率的な自治体運営を行う』について申し上げます。

 市役所は最大のサービス業との認識のもと、利便性の高い市役所を実現するため、昨年10月には総合窓口を設置し、さらに、11月からは休日の窓口サービスを、毎週日曜日の実施へと拡充いたしました。本年も引き続き、市役所が文字どおり“市民の役に立つ所”となるよう、窓口サービスのさらなる充実を図ってまいります。
 次に、コミュニティ活動についてでありますが、人々が暮らしやすい社会を形成する基盤として、日頃から住民同士の交流を促し、その連帯を強めることが、助け合いの精神を育み、豊かな社会の創造につながるものと考えております。
 そのひとつとして、市民の自主的活動と世代を超えた相互交流の場として、コミュニティ活動の拠点となる公津の杜複合施設の建設を、平成25年度の開館に向けて進めてまいります。
 次に、公共施設の管理運用についてでありますが、成田空港開港以降の急速な都市化と人口増加に対応するため、都市基盤や公共施設の整備を進めてまいりましたが、これら施設の老朽化による改修費や維持管理費の増加に伴う財政負担を、より軽減できるよう、公共施設の現状を詳細に把握、分析したうえで、将来コストを推計し、今後の施設管理の基本的な方針を示す公共施設白書の作成を進めてまいります。
 
 以上、市政に臨む私の所信の一端と、平成24年度の主要施策の概要を申し上げました。
 昨年亡くなった、アップル社のCEO、スティーブ・ジョブズ氏が次のような言葉を残しております。
 「人生では時折、レンガで頭を殴られるようなこともあります。それでも自信を失わないことです。私が前進し続けられたのは、自分がやることを愛していたからです。自分が愛せるものを見つけなくてはいけません。これは、恋愛と同様、仕事についても当てはまることです。自分がすばらしい仕事だと考えることをやるのが、本当に満足する唯一の方法なのです。」
 これは、アップル社を創設したジョブズ氏が、一度会社を追われた後、経営危機に陥った会社に再び戻り、その立て直しに成功した際に、回顧談として述べた言葉ですが、私が愛するものは、もちろん「成田」であり、私のやるべき仕事は、成田市民の皆様が豊かさを実感できるまちづくりを実現することであります。
 平成24年度は、『住んでよし、働いてよし、訪れてよし』の次世代に誇れる空の港まちづくりにさらに磨きをかけ、「成田から日本を元気にしよう!」という気概を持って、本市の未来のために、粉骨砕身の覚悟で市政運営に取り組んでまいる所存であります。
 議員各位並びに市民の皆様のご支援とご協力を重ねてお願い申し上げまして、平成24年度の施政方針といたします。
このページに関するお問い合わせ先

企画政策部 秘書課

所在地:〒286-8585 千葉県成田市花崎町760番地(市役所行政棟3階)

電話番号:0476-20-1502

ファクス番号:0476-24-0062

メールアドレス:hisho@city.narita.chiba.jp